がんゲノム外来について
がんゲノム検査は、一人ひとりのがんの発症に関連している遺伝子の変異を調べ、患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得ることを目的としています。
宮崎大学医学部附属病院は、平成30年4月に厚生労働省より「がんゲノム医療連携病院」に指定されました。令和4年1月1日現在、「がんゲノム医療中核拠点病院」である慶應義塾大学病院、九州大学病院、「がんゲノム医療拠点病院」である国立成育医療研究センターと連携し、がんゲノム検査を実施しています。
対象となる患者さん
検査の種類 | 対象となる患者さん |
<保険診療> ・Onco Guide NCC オンコパネル ・FoundationOne CDx ・FoundationOne Liquid CDx | ・標準治療が終了になった(あるいは終了が見込まれる)固形がんの患者さん(血液のがんは除く) ・原発不明がんの患者さん ・小児がんを含む希少がんの患者さん |
<保険外診療(自費診療)> ・PleSSision-Rapid(160) ※現在は受け入れ停止中です。 | ・(病理組織学的検査で)がんと診断されている ・現在、がんの治療が行われている |
※がんに罹患しているかどうかを調べる(スクリーニング、検診)ためにこの検査を受けることはできません。
医療関係者の方々へ
ご予約について
がんセンター がんゲノム医療部門に主治医よりお問い合わせの上、FAX初診紹介をお願いします。
初診予約申込に関してはこちらのホームページをご参照ください。
患者様にご持参いただくもの
- 診療情報提供書(患者登録、エキスパートパネルに必要な情報となりますので、可能な限り治療歴の詳細をご記載ください)
- 病理組織検体(血液検体での検査を希望の場合は不要です)
- 病理診断書
- 検査画像のCD-R(可能であれば)
必要な病理組織検体について
- 病理組織診断用
・HE標本 1枚
がん細胞の含有率を判定するために、HE標本の提供をお願いします。
本検査は、最低20%のがん細胞含有率が必要とされています。
がん細胞がなるべく多く含まれている部位を選択してください。 - 検査提出用
・HE標本 1枚 ※本検査は、HE標本1枚の提出が必要ですので、ご用意ください。
・ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE) もしくは 未染色スライド標本10枚以上(厚さ10μm)
※ブロックでご提供いただければ、当院で標本を作成することも可能です。
検査内容
パネル検査名 | Onco Guide NCC オンコパネル |
費用 | 保険診療 560,000円の1~3割負担 |
必要な検体 | 腫瘍検体/血液 |
解析遺伝子数 | 124 |
結果返却期間 ※ | 約4~6週間 |
パネル検査名 | FoundationOne CDx(F1CDx) |
費用 | 保険診療 560,000円の1~3割負担 |
必要な検体 | 腫瘍検体のみ |
解析遺伝子数 | 324 |
結果返却期間 ※ | 約4~6週間 |
パネル検査名 | FoundationOne Liquid CDx |
費用 | 保険診療 560,000円の1~3割負担 |
必要な検体 | 血液 |
解析遺伝子数 | 324 |
結果返却期間 ※ | 約3~5週間 |
パネル検査名 | PleSSision ※現在は受け入れ停止中です。 |
費用 | 自費診療 544,500円 |
必要な検体 | 腫瘍検体/血液 |
解析遺伝子数 | 160 |
結果返却期間 ※ | 約4~6週間 |
※検査発注(検体提出)から解析結果返却までの期間の目安です。
検査で分かること
がんゲノム検査を行うことで、がん細胞の遺伝子の変化が検出され、その変化に対する治療薬や臨床試験の情報を得ることができる可能性があります。(有効な情報が得られない可能性も十分あることをご理解ください。)数パーセントの確率で遺伝性腫瘍(生まれつき特定のがんになりやすい体質を持つ)の可能性があるとわかることがあります。
注意事項
- 本検査には、治療行為は含まれておりません。
- 検査後の治療は、当院外来担当医ではなく現在の主治医の判断で行います。
- 遺伝子検査の結果、遺伝子に変化が見つからない場合や、変化が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合があります。これまでの臨床研究において遺伝子の変化に合う薬剤投与ができた患者さんは約10パーセントです。
- この検査の結果、患者さんのがんに有効な薬剤が見つかったとしても、あなたのがんに対して承認されていない薬剤の場合は、治療費は全額自己負担となります。
- この検査は、治療効果が期待できる治療薬の情報を提供しますが、その治療薬の治療効果を保証するものではありません。
費用について
相談費用(がんゲノム外来費用)
保険診療の検査をご希望の場合…初診料もしくは再診料
自費診療の検査をご希望の場合…1回につき 33,000円
検査費用
検査の種類によって異なります。検査内容をご確認ください。
※保険診療の検査の場合、患者さんの自己負担割合によって費用が変わります。
※費用は、現金の他、クレジットカードでもお支払いいただけます。
患者様・ご家族様へ(検査の流れについて)
- まずは、現在の担当医にがんゲノム検査についてご相談ください。
担当医との相談で検査を受けることが決定しましたら、担当医より大学病院への予約申し込みをお願いします。
※患者さん、そのご家族からの直接予約は受け付けておりません。 - 各領域の担当診療科へ受診
各領域専門医により、がんゲノム検査の適応について判断させていただきます。 - 「がんゲノム外来」(完全予約制)へ受診
がんゲノム検査についての詳しい説明を行います。
がんゲノム検査についてしっかりご理解いただいた上で、
検査を希望された場合に書面にて同意書を作成させていただきます。
必要な場合は採血などを行い、当院より検体を検査会社へ提出します。 - 遺伝子解析
提出された検体をもとに遺伝子解析を行います。
解析が完了するまで、3週間~4週間かかります。 - エキスパートパネル (専門家会議)
解析結果をもとに、当院が連携しているがんゲノム医療中核拠点病院(慶応大学病院・成育医療研究センター)で、がん薬物療法・臨床遺伝学・病理学・遺伝カウンセリング・看護などの専門家が集まるエキスパートパネルが開催され、治療方針を検討します。
- 検査結果の報告
当院にて、担当医より検査の結果を説明いたします。 - 遺伝カウンセリング(必要に応じて)
がんゲノム検査では、検査の過程で遺伝性腫瘍(生まれつき特定のがんになりやすい体質)の可能性があるとわかることがあります。
遺伝性腫瘍に関する詳しい説明と今後についてのご相談は、遺伝の専門家が担当しますので、どうぞご相談ください。
お問い合わせ窓口(主治医からの問い合わせのみ)
がんセンター がんゲノム医療部門(遺伝カウンセリング部)
TEL:0985-85-9766
受付時間:平日9:00〜17:00