• 病院紹介
  • 病院概要

病院長挨拶

この度、令和6年10月に宮崎大学医学部附属病院の病院長を拝命しました。ポストコロナに改めて日本における医療のあり方が模索されている中、地方の「真っ当」な医療をいかに守るか、宮崎県の皆様から寄せられる不安と期待にいかに応えるか、その責任の重さに身の引き締まる思いです。

宮崎大学医学部は本年、その前身の宮崎医科大学の開学から50周年を迎えました。この50年を振り返りますと、国立大学法人化以前の旧体制において地方の医師不足・偏在などに活発な議論はなく、一県一医大構想に由来する本学を卒業した医師が宮崎県の医療を充足しているとは言えない状況です。

その要因は複雑多岐にわたりますが、宮崎大学医学部附属病院が宮崎県の医療を支える「中心」を担うと同時に「最後の砦」でもあることを自他ともに認識したのが2020年の「新型コロナウイルス感染急拡大」でした。当時、池ノ上克学長、鮫島浩病院長(現学長)の指揮の下、重症者は全て本院が受け入れ、集中治療室の医師、看護師をはじめ、本院スタッフが粉骨砕身の全力を尽くして乗り切ることができました。感染急拡大の危機から逃れた今、県民の皆様にも宮崎大学医学部附属病院が宮崎県の医療を支える「中心」にあって「最後の砦」でもあることを十分ご理解いただけていることと存じます。

時を同じくして、医師養成課程でも大きな動きがありました。2018年の医療法改正に基づき、学校推薦型選抜の入試制度(=地域枠)で入学した学生が卒後9年間、当該地域の医療に貢献する「キャリア形成プログラム」の策定と厳格な運用です。特に卒後9年間のうち4年間は宮崎県に定められた二次医療圏のうち医師少数地域での診療が義務化された制度改革となります。これまで“職業選択の自由”などの観点から課題とされていた『医師偏在』の解決をはかる施策の一つですが、その具体策は各自治体や大学に「お任せ」の状況です。この背景のもと、本学では医療人育成推進センター、キャリアデザインサポート委員会を中心に宮崎県の医療に従事していただく医師のやりがいを創出すると同時に、その地域の医療レベルを高く保つ確固たるシステムを構築すべく、宮崎大学・宮崎大学医学部附属病院連携病院<病院⻑/理事⻑会議>の設立をはじめ、具体的で実効力を伴う様々な取り組みを計画しております。

本年から始まりました「医師の働き方改革」につきましては、2016年から計画的にタスクシフト・タスクシェア、医師の勤務時間把握を進めてきたことで、混乱はありません。また、実際の医師としての能力に資する自己研鑽、大学病院として求められている研究につきましては、積極的に対価を支払う時間外労働として取り扱っております、その上で「真の時間外労働」を把握し、数年後には全医師のA水準を達成します。さらに、あらゆるハラスメントの根絶を目指し、「最も働きやすい大学病院」を目指します。

大学病院の理念として、「診療、教育、研究を通して社会に貢献します」を掲げています。これらは大学病院の礎となる3本の柱であり、それぞれに優秀な人材を輩出し、世界に発信できる業績を積み上げることが責務です。今後、大学病院の役割として地域貢献、地域活性化という方向性を明示し、宮崎県内唯一の特定機能病院として、県民の皆様の健康を支え、命を守る活動を推進していく所存です。これら掲げた大学病院の理念の実践に努め、県民の皆様の期待と信頼に応えるべく努力を続けていきます。宮崎大学医学部附属病院を今後とも宜しくお願い申し上げます。

初診の方は 医療機関からの予約と 医師の紹介状が必要です