平成27年度 宮崎大学医学部附属 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 642 461 386 610 718 1,267 2,380 2,105 968 89
当院は宮崎県内で唯一の特定機能病院として、宮崎県民へ医療の最後の砦として高度の先進医療を提供しています。地域の産科施設との連携を強化しながら高度周産期医療・ハイリスク妊婦管理の中核施設として責務を担っています。60歳以上の患者さんが占める割合は58%であり、今後は高齢層の入院割合が高くなることが予測できます。特に整形外科や眼科の手術、不整脈治療の手術件数は増加傾向です。難病等の診断・診療や難治性の疾患の治療、高度の医療技術が必須の手術が必要な患者を受け入れています。救命救急センターも、県内救命救急の中核施設として、ドクターヘリ、ドクターカーを最大限に活用しながら、県民への救命救急医療を提供しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
第1内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 処置2なし 107 6.58 5.68 0.00% 58.67 カテーテルアブレーション
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 処置11あり(心臓カテーテル法による諸検査) 処置2なし 副傷病 なし 48 4.73 3.07 2.08% 64.23 心臓カテーテル検査(上肢)
心臓カテーテル検査(下肢)
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 処置24あり(化学療法ありかつ放射線療法なし)副傷病なし 33 8.88 9.95 3.03% 66.58 食道癌に対する化学療法(FP療法)
第1内科は循環器・高血圧疾患、腎臓疾患、消化器疾患を治療対象とする診療科です。患者さんには高度先進的で質の高い医療を提供しています。循環器疾患では、主に急性心筋梗塞の集中治療や経皮的冠動脈インターベンション、頻拍性不整脈に対するカテーテル焼灼術、心不全に対する集学的治療を行っています。高血圧疾患では、携帯血圧計による24時間連続血圧測定や2次性高血圧の診断と治療を行っています。腎臓疾患では、腎生検に基づく腎炎治療、難治性ネフローゼ症候群に対する吸着療法、末期腎不全に対する透析導入、透析患者の合併症に対する治療を行っています。消化器疾患では、早期段階の消化器腫瘍への内視鏡的治療、難治性炎症性腸疾患の治療(潰瘍性大腸炎に対する免疫陽性剤療法、白血球除去療法、クローン病に対する抗TNF-α療法、狭窄に対するバルーン療法)、小腸内視鏡検査、消化器癌化学療法を行っています。
第2内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 処置2なし 89 13.19 11.98 2.25% 70.42 肝動脈化学塞栓術(TACE)
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 処置2なし 副傷病なし 49 12.53 10.55 6.12% 66.76 肝生検
060300xx97100x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) その他の手術あり 処置1あり(限局性腹腔膿瘍手術等) 処置2なし 副傷病なし 42 15.95 15.08 7.14% 67.95 内視鏡的硬化療法(EIS)
内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)
手術困難な肝臓癌に対する肝動脈化学塞栓療法を89件施行し、肝動脈持続注入化学療法を11件施行しました。また小型の肝臓癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術を19件施行しました。肝硬変に伴う食道静脈瘤に対して内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(EIS)、静脈瘤結紮術(EVL)を計42件施行しました。慢性肝疾患の原因精査あるいは肝腫瘍の精査目的の肝生検を49件施行しました。
第3内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99100x 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり(気管支鏡検査、気管支カメラ/気管支ファイバースコピー/経皮的針生検法/経気管肺生検法/超音波気管支鏡下穿刺吸引生検法(EBUS-TBNA)) 処置2なし 副傷病なし 98 6.23 3.29 0.00% 68.50 気管支鏡(BF)
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 処置2あり(SPECT/中心静脈注射/人工呼吸) 副傷病なし 55 13.62 21.49 1.82% 71.67
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 処置24あり(ガンマグロブリン) 副傷病なし 46 12.76 19.87 10.87% 61.63
第3内科は内分泌疾患(糖尿病、下垂体・甲状腺腫瘍、脂質異常)、呼吸器疾患、神経内科系疾患を対象とした高度先進的医療を提供しています。診療内容は、糖尿病と動脈硬化症の診断と治療、肥満症の治療、下垂体腫瘍、甲状腺腫瘍・副腎腫瘍の診断と治療、肺悪性腫瘍の診断と治療、びまん性肺疾患の診断や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の運動療法、慢性呼吸器疾患に対する新規ペプチド(グレリン)による治療(臨床試験)、神経内科疾患の遺伝子診断や先進的測定器を用いた神経生理学的病態の評価と大脳皮質機能の臨床的評価、神経系疾患であるパーキンソン病・ニューロパチーや慢性炎症性脱髄性多発神経炎などに対するガンマグロブリン大量療法等を行っている。主な3位以下は間質性肺炎(処置2無し)が38件、全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患(手術無し、処置2無し)が29件、2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスをのぞく)が28件である。
膠原病・感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 処置2なし 84 23.93 18.15 7.14% 53.19 気管支鏡検査
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 処置2なし 11 23.27 14.90 0.00% 46.55
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし - - 20.63 - - 気管支鏡検査
膠原病・感染症内科は難治性の膠原病疾患(合併する呼吸器疾患を含む)、診断や治療が困難な感染症、関節リウマチ疾患に対する高度先進的医療を提供しています。内容は関節リウマチに対する生物学的製剤治療や新規の免疫抑制剤などを組み合わせた治療、難治性疾患へのチーム医療(膠原病や感染症)、原因がわからない発熱(不明熱)に対して、必要に応じて各分野専門医への院内コンサルテーションを行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 処置2なし 17 16.12 23.89 0.00% 7.53 ネフローゼ症候群
小児リツキサン
腎生検
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 処置22あり(化学療法) 15 90.00 43.59 20.00% 5.47
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 副傷病なし 13 16.38 7.03 0.00% 5.38 副腎皮質刺激ホルモン療法(ACTH療法)
小児科は感染・免疫疾患、循環器疾患、血液・腫瘍疾患、腎臓疾患、内分泌・代謝疾患、神経・発達障害疾患を対象とした高度先進的医療を提供しています。診療内容は、特殊感染症と原発性免疫不全の診断、各種免疫不全の分子生物学的診断と治療、インフルエンザ脳症などアポトーシスを病態とした疾患の治療、先天性心疾患のカテーテル療法(肺動脈狭窄などを経皮的に拡大させ、手術せずに先天性心疾患の治療)、末梢血幹細胞移植術や予後不良な小児がんに対して超大量化学療法とその後末梢血幹細胞移植治療、腎生検による組織診断と血液浄化療法を用いた難治性ネフローゼ症候群や慢性腎炎への治療、先天性甲状腺機能低下症と肥満の分子生物学的アプローチによる治療、臨床検査医学講座と共同で甲状腺の発生、機能の解析による肥満症や「食べない子」の診療の栄養状態を評価による診療、重症心身障害児や神経筋疾患の患者さんへの在宅人工呼吸管理を行っている。主な3位以下では、腎生検が12件、在宅呼吸管理が12件、1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)が11件、循環器疾患が16件であった。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx99000x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 処置1なし(K596 体外ペースメーキング術) 処置2なし 副傷病なし 37 7.73 8.67 2.70% 76.89
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 処置1なし(K596 体外ペースメーキング術) 処置21あり(中心静脈注射/人工呼吸) 副傷病なし 32 26.63 25.69 9.38% 65.34
050163xx03x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 処置21あり(中心静脈注射/人工呼吸) 副傷病なし 29 16.90 16.65 0.00% 79.21
心臓血管外科領域では、全国的に年々動脈瘤の手術件数が増加しています。当科でも胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤等の動脈瘤手術は増加傾向にあります。これらの患者さんは比較的心疾患(狭心症等、)脳血管障害、腎機能障害等の合併症を持つ方が多くおられます。また最近は手術の方法も開胸 開腹による人工血管置換術だけではなく、ステントグラフト内挿術を行うようになりました。そのため、個々の患者さんに合わせた検査、治療を行うためまず検査入院していただきその後、手術のための入院を行っています。そのため、当院での入院の第一位、第三位は動脈瘤の検査と手術になっています。
 第二の弁膜症ですが、近年の高齢化とともに弁膜症患者さんも増加傾向にあります。80歳を超えるご高齢者も、元気な方であれば手術ができるようになりなりました。当院は大学病院で合併症を多く持つ重症患者さんやご高齢者も多く手術させていただいており、若干転院される方が多くなっていますが入院日数は全国平均です。
肝胆膵外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx99x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし 54 11.20 10.10 3.70% 69.91 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)
膵頭十二指腸切除術後精査(PD後精査)
超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)
060050xx02x1xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)肝切除術 部分切除等 処置21あり(人工腎臓/中心静脈注射/人工呼吸) 36 23.50 21.05 0.00% 64.19 肝切除術(肝悪性)
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 処置2なし 副傷病なし 24 22.04 15.28 12.50% 67.17 腹腔鏡下腸切除術
腸切除術
肝胆膵外科は、肝臓や胆道、膵臓の腫瘍や膵胆管合流異常症などの疾患を対象とする先進的高度医療を提供しています。診療内容は、高度な肝臓や膵臓の切除術、合流異常症に対応する手術、肝胆膵の内視鏡的診断と治療を行っています。この分野の手術は宮崎県で当院しか実施できない現状であり、県内の多くの医療施設から紹介されています。その結果、疾患の上位は肝胆膵分野の悪性腫瘍が占めています。
呼吸器・乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 処置2なし 86 18.77 13.03 1.16% 67.35 肺葉腫瘍切除術(手術入院)
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2なし 30 5.07 15.00 3.33% 70.37
040040xx97x10x 肺の悪性腫瘍 手術あり 処置21あり(中心静脈注射/人工呼吸) 副傷病なし 15 22.27 21.39 0.00% 67.80 肺葉切除術(手術入院)
呼吸器・乳腺外科は、肺腫瘍、気管・気管支腫瘍、気胸、胸壁腫瘍、横隔膜疾患、胸部外傷、乳腺腫瘍を対象とした高度先進的医療を提供しています。主な診療内容は呼吸器系の腫瘍に対する診断と治療、縦隔に発生する腫瘍に対する診断と治療、自然気胸の治療、乳腺腫瘍の診断と治療を行っています。患者が多い疾患は呼吸器の腫瘍に関する診断と治療です。
消化管・内分泌・小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx99x00x 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし 38 5.29 8.68 0.00% 55.37
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 処置2なし 36 14.39 9.55 5.56% 49.86 甲状腺切除術(検査なし)
甲状腺切除術(検査あり)
060020xx99x00x 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 副傷病なし 32 11.03 11.26 0.00% 70.38
消化管・内分泌・小児外科は、消化管疾患や内分泌疾患の外科的治療を行う消化管・内分泌グループと小児外科グループで構成されている診療科です。消化管・内分泌グループは、消化管の悪性腫瘍や甲状腺疾患(悪性・良性腫瘍+パセドウ病)の術前から周術期管理と術後療法を含めた先進的高度医療を提供しています。また腹部救急疾患や外傷症例における手術を積極的に行っています。小児外科グループはヘルニア(鼠径部)や停留精巣の治療と共に、先天性疾患(特に新生児)を対象とした先進的高度医療を提供しています。この診療科の疾患別患者数の上位は、甲状腺腫瘍の検査と治療、胃悪性腫瘍の検査と治療ですが、食道から直腸までの消化管の診断と治療も行っています。消化器癌に対する鏡視下手術も積極的に行なっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 副傷病なし 111 22.40 24.95 91.89% 65.42 人工股関節置換術(THA)
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 96 15.93 11.98 50.00% 26.25 十字靱帯(ACL)
関節鏡下半月板切除術(半月板)
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 65 22.20 27.21 89.23% 73.60 人工膝関節置換術(TKA)
整形外科は、下肢・上肢の関節疾患、脊椎疾患、スポーツ整形、救急・外傷外科、骨・軟部腫瘍を対象とする先進的高度医療を提供しています。治療内容は人工関節関節形成術、鏡視下髄核摘出術、脊椎インストゥルメント療法、関節鏡視下手術、複合組織移植、小児整形、悪性腫瘍に対する外科的治療・化学療法を行っています。 患者の多い疾患で3位以下の主な疾患は、鏡視下腱板修復術が57件、脊柱管狭窄症(頚50件、腰35件)です。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030390xx970xxx 顔面神経障害 手術あり 処置1なし - - 11.90 - -
160660xx971xxx 皮下軟部損傷・挫滅損傷、開放創 手術あり 処置1あり - - 26.04 - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし - - 3.54 - -
形成外科は創傷治癒を専門とする診療科です。顔面の外傷、瘢痕、熱傷、悪性腫瘍切除後の再建、難治性皮膚潰瘍に対する先進的高度医療を提供しています。診療科の特徴として、他科と協同で診察や手術を行うことが多く、協同することで質の高い医療を実施しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 26 20.42 15.91 0.00% 61.31 切除、植皮、センチネルリンパ節(切除、植皮、SN)
切除、人皮、センチネルリンパ節(切除、人皮、SN)
腋窩リンパ節郭清術
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 19 3.00 3.26 0.00% 5.74 母斑
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2 なし 14 21.21 10.49 0.00% 65.93 切除、植皮、センチネルリンパ節(切除、植皮、SN)
切除、人皮、センチネルリンパ節(切除、人皮、SN)
皮膚科は皮膚科一般疾患、皮膚悪性腫瘍、難治性皮膚潰瘍、皮膚外科、アレルギー皮膚疾患、膠原病、乾癬を対象とした先進的高度医療を提供しています。治療内容は、重症熱傷の集学的治療、悪性腫瘍の生体応答調節剤療法(BRM)と放射線療法、皮膚疾患の免疫組織学的診断、母斑・母斑症の皮膚外科・レーザー治療、悪性リンパ腫の免疫賦活化療法、センチネルリンパ節診断を用いた外科療法を行っています。 手術以外に炎症性角化症に対するレミケード治療やヒュミラ治療を実施しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 処置2なし 123 8.00 7.59 0.81% 71.81 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 処置2なし 32 14.59 12.99 0.00% 64.56 腹腔鏡下腎摘除術
110420xx97xx0x 水腎症(その他) その他の手術あり 副傷病なし 23 4.57 5.49 4.35% 63.87
泌尿器科では、膀胱癌を初めとした尿路上皮癌、腎細胞癌、前立腺癌、精巣癌などの尿路性器悪性腫瘍のほか、小児泌尿器疾患、腎移植、女性泌尿器疾患を対象とした先進的高度医療を提供しています。
悪性腫瘍に対する術前・術後などの化学療法や分子標的治療も導入期には有害事象の確認を入院で行い、安全に外来治療に移行してもらっています。尿路性器腫瘍以外の悪性腫瘍による尿路閉塞による水腎症にも尿管ステント留置などで対応しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 82 3.77 3.38 0.00% 25.61 斜視(全麻)
斜視(局麻)
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 重症度等片眼 65 13.25 9.57 3.08% 71.42 緑内障
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 処置1あり(水晶体再建術) 処置2なし 42 8.76 7.99 0.00% 71.17 黄斑円孔
眼科は網膜硝子体手術、黄斑疾患、緑内障、角膜疾患、未熟児網膜症加齢黄斑変性、小児眼科、神経眼科を対象とした先進的高度医療を提供しています。治療内容は未熟児網膜症をアバスチンを使った治療、網膜硝子体手術、特に特発性黄斑円孔手術、加齢性黄斑変性症に対する光線力学的治療(PDT)やルセンティス治療、糖尿病網膜症に対する光凝固、硝子体手術等の総合的治療、斜視、弱視や小児眼科疾患の診断・治療、超音波生体顕微鏡を用いた緑内障診断と治療、網膜色素変性や黄斑変性症の遺伝子診断を行っています。
黄斑円孔に対して硝子体茎顕微鏡下離断術と水晶体再建術を行なっています。白内障の手術患者は、診断群分類別患者数の集計対象外となります。
耳鼻いんこう・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 153 11.70 10.12 0.00% 42.37
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 51 7.71 8.20 0.00% 19.71 小児扁摘アデノ
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 30 18.17 12.32 0.00% 70.87 喉頭摘出術
耳鼻いんこう・頭頸部外科は、聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚等の感覚系疾患、顔面神経・音声・言語・嚥下障害等の頭頸部の運動系疾患、頭頸部悪性腫瘍疾患を対象とした先進的高度医療を提供しています。治療内容は、人工内耳・残存聴力活用型人工内耳治療、鼓室形成術・アブミ骨手術、人工中耳手術、機能的真珠腫手術、耳介・外耳道形成手術、聴神経腫瘍手術、外リンパ瘻の診断・治療、顔面神経麻痺に対する神経減荷術、頭頸部再建手術、頭蓋底外科手術、新生児乳幼児聴覚検査・聴覚スクリーニング検査、内視鏡的鼻内手術、レーザー手術、喉頭、音声改善手術、反回神経麻痺に対する手術、いびき、睡眠時無呼吸症候群に対する手術、嚥下障害に対する手術、突発性難聴に対するアミドトリゾアート療法を行っています。
産科・婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置24あり(化学療法ありかつ放射線療法なし) 副傷病なし 69 6.16 5.33 0.00% 57.39 子宮頸部癌・子宮体部癌に対する化学療法(TC)
子宮頸部癌・子宮体部癌に対する化学療法(IAP)
子宮頸部癌・子宮体部癌に対する化学療法(AP療法)
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 56 5.98 6.01 3.57% 34.20 妊娠糖尿病(GDM)
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 処置25あり(カルボプラチン+パクリタキセルあり/カルボプラチン+ドセタキセル水和物あり) 副傷病なし 48 5.13 5.17 2.08% 68.79 卵巣癌に対する化学療法(TC)
産科・婦人科は高度周産期医療、ハイリスク妊娠管理、婦人科腫瘍、高度生殖医療(不妊・内分泌)、を対象に先進的高度医療を提供しています。治療内容は、高度周産期医療、ハイリスク妊娠管理、女性癌に対する集学的治療、更年期、老年期女性に対する医療、高度生殖医療、腹腔鏡下手術を行っています。3位以下の主な疾患は、早産・切迫早産が34件、子宮頚部・大部の悪性腫瘍切除術が29件、子宮の良性腫瘍切除術が28件です。総合周産期母子医療センターは、高度周産期医療、ハイリスク妊娠管理のほか、低出生体重児など年間約150名のハイリスク新生児に対して、集学的医療を提供しています。自然分娩は自費なので、集計の対象外です。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置22あり(I131内用療法) 18 18.17 6.82 0.00% 58.11 ヨード内服
100020xx99x3xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 処置23あり(ヒトチロトロピンアルファ) 13 14.31 8.66 0.00% 48.38 ヨード内服(タイロゲン)
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 処置2なし - - 11.98 - - 肝動脈化学塞栓術(TACE)
当院には病院内に放射性ヨウ素内用療法専用病室があり、多くの甲状腺がんの患者さんに内用療法をしています。内用療法では通常前もって甲状腺ホルモン薬の投与を中止する必要がありますが、最近では人工的に作られた甲状腺刺激ホルモン(タイロゲン)を使用することで甲状腺ホルモン薬を中止せずに内用療法が受けられる場合もあり、この対象の患者さんも増えています。当科ではその他、肝細胞癌に対してカテーテルを用いた抗がん剤および塞栓物質の動脈注入療法(肝動脈化学塞栓術)も数多く行なっています。
麻酔科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010310xx99x0xx 脳の障害(その他) 手術なし 処置2なし - - 11.51 - - ブラッドパッチ治療
010111xxxxx0xx 遺伝性ニューロパチー 処置2 なし - - 14.25 - -
060360xx99x0xx 慢性膵炎(膵嚢胞を含む。) 手術なし 処置2なし - - 9.50 - -
麻酔科は周術期の麻酔、集中治療、ペインクリニック、緩和治療の先進的高度医療を提供しています。集計データはペインクリニックでの診療を集計したものです。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 処置2なし 副傷病なし 40 21.38 22.55 5.00% 53.90 開頭腫瘍手術
聴神経腫瘍
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 処置1あり(造影剤注入手技) 処置2なし 12 3.17 3.15 0.00% 53.58 アンギオ(硬膜動静脈瘻/内頸動脈海綿状脈洞瘻)
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 処置2なし 副傷病なし - - 21.72 - -
脳神経外科は脳・脊髄腫瘍、脳血管障害、血管内治療、神経内視鏡治療、小児脳神経外科の先進的高度医療を提供しています。治療内容について、脳腫瘍に対し高度な手技を用いた脳腫瘍手術やリニアックによる定位的放射線治療を行っております。また悪性脳腫瘍に対しては遺伝子異常をもとにした化学療法を行っています。脳血管障害について、脳動脈瘤に対してはクリッピング術や離脱式コイルを用いたコイル塞栓術、閉塞性脳血管障害に対してはステントやバルーンを用いた血管内治療、急性期脳梗塞に対しては血栓回収器具を用いた再開通療法を行っています。宮崎県では脳腫瘍の手術、内視鏡的脳腫瘍摘出術はほぼ全てが当院で行われています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 副傷病なし 42 5.43 7.52 19.05% 46.21
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 処置2なし 副傷病なし 19 12.16 10.02 36.84% 54.26
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 14 3.64 7.38 42.86% 64.36
救命救急センターは、宮崎県の救命救急の中核施設として、救命医療に関する先進的高度医療を提供しています。重度の外傷に対する救命処置が上位を占めていますが、てんかん発作や薬物中毒患者も共に12例の入院があり、その疾患に対応できる医療体制も整備しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 88 22 - 23 42 39 1 7
大腸癌 30 - 22 19 37 56 1 7
乳癌 13 - - - - 13 1 7
肺癌 45 16 26 37 170 56 1 7
肝癌 38 17 12 14 33 158 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
乳癌以外の癌腫では、Ⅲ・Ⅳ期症例の占める割合が高く、より重篤なケースに対応しています。
Ⅰ期も含めて、手術療法、放射線療法、薬物療法を組み合わせた集学的治療を行い、予後の改善やQOLの質の向上を目指しています。
また、早期からの緩和ケアの導入も含めた緩和医療の提供のために、緩和ケアセンターを設立し、その機能充実を図っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 - - -
重症度 1 - - -
重症度 2 - - -
重症度 3 - - -
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
成人市中肺炎診療ガイドラインでは軽症の患者さんは外来治療となっており、入院加療の適応ではないことがあります。入院が必要な患者さんの多くは当院以外の医療施設は入院されています。しかし、軽症の患者さんであっても、合併症により重症化を危惧され入院となるケースもあり、そのような患者さんは救命救急センターや第3内科で受け入れています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 27 11.70 66.67 48.15%
その他 10 21.80 66.70 40.00%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 11 13.09 71.18 0.00%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
脳梗塞患者は救命救急センター、脳神経外科、第3内科が治療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
第1内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 60 1.90 5.72 0.00% 59.58 カテーテルアブレーション
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 54 7.02 7.17 0.00% 66.00
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 50 1.90 4.10 0.00% 58.14 カテーテルアブレーション
第1内科は循環器・高血圧疾患、腎臓疾患、消化器疾患を治療対象とする診療科です。手術を要する治療数は循環器疾患が上位を占め、カテーテル治療やペースメーカー植え込み術が含まれます。また、腎疾患では、透析導入時の内シャント設置術を行なっています。消化器系疾患では、食道・胃・大腸の腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術を行っています。
第2内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 82 2.51 9.37 0.00% 70.63 肝動脈化学塞栓術(TACE)
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 71 2.32 1.18 0.00% 65.08 大腸内視鏡的粘膜切除術(大腸EMR:1泊2日)
大腸内視鏡的粘膜切除術(大腸EMR:2泊3日)
大腸内視鏡的粘膜切除術(大腸EMR:3泊4日)
K721-21 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 40 2.83 1.53 0.00% 58.95 大腸内視鏡的粘膜切除術(大腸EMR:1泊2日)
大腸内視鏡的粘膜切除術(大腸EMR:2泊3日)
大腸内視鏡的粘膜切除術(大腸EMR:3泊4日)
手術では肝臓癌に対する血管塞栓術が最も多く、手術困難な肝臓癌に対し、肝動脈化学塞栓療法を82件施行しました。また大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の件数がついで多くなっています。内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術と内視鏡的大腸ポリープ切除術の違いは、大腸の部位と切除方法の差異です。盲腸、直腸または結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)の中で茎のある病変に対し、茎の部分にスネアを引っかけて切除する方法を内視鏡的大腸ポリープ切除術と言い、結腸内で茎のない平らな病変に対して、ポリープの下に液体(生食など)を注入し、病変部分を浮き上がらせ、スネアを引っかけて切除する方法を内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術と言います。当科では内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を71件、内視鏡的大腸ポリープ切除術を40件施行しました。
第3内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 - - - - -
K171-2 内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
第3内科は呼吸困難による気管切開術が術式では最も多く、脳神経外科による脳下垂体腫瘍切除後の内分泌検査は術後に第3内科に転科して実施しているため、内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍切除術が含まれている。神経難病患者の胃瘻造設も適宜実施している。
膠原病・感染症内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K620 下大静脈フィルター留置術 - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
膠原病・感染症内科が独自で行う手術等はなく、確定診断のための精査及び合併症に対する治療に必要な手術等を実施している。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5741 心房中隔欠損閉鎖術(単独) - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独) - - - - -
小児科の主な手術等は、循環器系(心房・心室中隔欠損閉鎖術)、腹膜透析用腹腔内カテーテル留置術、胃瘻造設術、口蓋扁桃摘出術であった。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 17 3.12 11.76 5.88% 80.71
K5611 ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 15 3.13 16.20 13.33% 70.67
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 13 9.69 33.62 15.38% 71.38
当科の主な対象疾患は、心臓弁膜症 虚血性心疾患(狭心症 心筋梗塞)先天性心疾患、大動脈瘤(胸部 腹部)閉塞性動脈硬化症 静脈瘤です。2015年の総手術件数は219例施行し、開心術154例(後天性:129例、先天性25例)腹部大動脈瘤(開腹術;14例 ステントグラフト;27例)その他(下肢血行再建 静脈瘤等)25例で、その症例数は徐々に増加しています。また、最近の心臓血管外科領域は、社会全体の高齢化に伴い、当院でも動脈瘤症例は増加しています。そのため、当科では昨年11月には県内最高の機能を有したハイブリッド手術室を稼働させ、高水準のステントグラフト治療(大動脈治療)を行っています。また、高齢者に多くみられる大動脈弁狭窄症(心臓弁膜症)に対しても、このハイブリッド手術室を利用し、経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)開始を目指しています。
 また、最近の傾向として高齢者(80歳以上)症例、合併症を数多く抱えた症例などの増加が顕著です。当院の集中治療室は県内最大数のベッド数を有し、集中治療専門医、専門ナース、理学療法士 臨床工学士などの協力のもとに手術後の治療、ケア、リハビリを行うことでこれらの患者さんに十分な集中治療を行っています。
肝胆膵外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 33 4.27 34.33 24.24% 71.39
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 27 6.48 28.74 11.11% 67.30
K6951 肝切除術(部分切除)(1歳以上) 23 10.00 15.13 0.00% 66.52 肝切除術(肝悪性)
内視鏡による胆道に対する手技が上位を占めていますが、2016年4月の消化器内科の開設により当科での処置は今後減少し開腹下、腹腔鏡下手術が増加すると予想されます。肝切除術は開腹と内視鏡下を合わせると30件となります。
呼吸器・乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 45 6.44 12.87 2.22% 70.18
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 28 6.29 14.57 0.00% 66.57 肺葉切除術(手術入院)
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 14 3.29 8.71 0.00% 59.64
呼吸器・乳腺外科の主な手術は、肺悪性腫瘍切除術(開胸+胸腔鏡下)が87件、乳腺悪性腫瘍切除が18件です。
消化管・内分泌・小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 43 2.16 2.65 0.00% 19.67 鼠径ヘルニア
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 27 8.89 17.56 3.70% 67.44 腹腔鏡下幽門側胃切除術(ラパ下幽門側胃切)
K4632 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘) 22 2.55 12.82 9.09% 47.64 甲状腺悪性腫瘍手術
甲状腺切除術(検査なし)
甲状腺切除術(検査あり)
消化管・内分泌・小児外科で行った手術の上位は、小児グループによる鼠径ヘルニアです。胃悪性腫瘍の手術のほとんどが腹腔鏡下の術式で行われています。腹腔鏡下での結腸・直腸悪性腫瘍切除術は32件です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩・股・膝) 173 2.91 18.52 89.60% 69.27 人工膝関節置換術(TKA)
人工股関節置換術(THA)
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 54 6.43 14.54 68.52% 71.50 椎弓形成術
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 48 1.92 12.94 91.67% 63.04 関節形成手術 肩、股、膝(腱板)
整形外科の手術の主な3位以下は、脊椎固定術が42件、関節鏡下関節滑膜切除が35件、十字靭帯形成術が31件です。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0111 顔面神経麻痺形成手術(静的) - - - - -
K222 結膜下異物除去術 - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
形成外科は他科と協同で手術することが多い診療科です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 60 1.43 16.70 0.00% 67.00 切除、植皮、センチネルリンパ節(切除、植皮、SN)
切除、人皮、センチネルリンパ節(切除、人皮、SN)
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 12 3.08 9.08 0.00% 72.25
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上) - - - - - 切除、植皮術
皮膚科の手術の上位3位で悪性腫瘍切除術は植皮、リンパ節摘出術はセンチネルリンパ節郭清が行われています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 126 2.09 4.91 0.79% 71.67 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 45 3.20 10.36 0.00% 66.67 腹腔鏡下腎摘除術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 34 1.24 3.97 8.82% 61.32
尿路性器腫瘍に対する主な手術療法は内視鏡手術、腹腔鏡手術(腹腔鏡下副腎摘除術、腹腔鏡下腎摘除術、腹腔鏡下根治的前立腺摘除術、腹腔鏡下膀胱全摘術など)が中心ですが、進行例では外科と綿密に連携し難度の高い開放手術も行っています。小児泌尿器科疾患の手術(逆流防止術、尿道形成術、精巣固定術)も数多く手がけています。間質性膀胱炎に対する膀胱水圧拡張術、尿失禁に対する手術療法(TVT、TOT)、骨盤内臓器脱に対するTVM手術、腹腔鏡下仙骨膣固定術も施行しています。生体腎移植については、ドナー腎摘出術を低侵襲の腹腔鏡下に行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 118 1.73 2.92 0.85% 70.80 水晶体再建術(両目)
水晶体再建術(片目)
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 111 2.32 7.14 2.70% 67.93 網膜剥離硝子体手術
黄斑円孔
黄斑前膜
K2422 斜視手術(後転法) 68 1.57 1.03 0.00% 23.29 斜視(全麻)
斜視(局麻)
眼科では、包括医療診断群で対象外となった白内障の手術件数が最も多い手術です。3位以下で主な手術は、斜視手術が68件、緑内障手術が60件です。
耳鼻いんこう・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K319 鼓室形成手術 199 2.57 7.99 0.50% 43.15
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 51 1.10 6.14 0.00% 21.04 扁摘
小児扁摘アデノ
K290 外耳道骨増生(外骨腫)切除術 20 1.45 3.35 0.00% 43.45 サーファーズイヤー
耳鼻いんこう・頭頸部外科の手術件数で3位以下の主な手術は、人工内耳植込術が17件、アブミ骨摘出術・アブミ骨可動化手術が15件でした。
産科・婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K879 子宮悪性腫瘍手術 32 2.06 18.75 9.38% 55.34 広汎子宮全摘術(RTH)
腹式子宮単純全摘術+両側付属器切除・卵巣摘出術(ATH+BSO)
K877 子宮全摘術 30 1.30 8.00 0.00% 45.80 腹式子宮単純全摘術+両側付属器切除・卵巣摘出術(ATH+BSO)
腹式子宮単純全摘術(ATH)
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 16 3.81 13.38 12.50% 66.94 腹式子宮単純全摘術+両側付属器切除・卵巣摘出術(ATH+BSO)
産科・婦人科の手術は婦人科系悪性腫瘍及び婦人科系良性腫瘍に対しては腹腔鏡手術を行っています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - - 肝動脈化学塞栓術(TACE)
K142-4 経皮的椎体形成術 - - - - -
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) - - - - - 肝動脈化学塞栓術(TACE)
宮崎県の医療状況から、宮崎大学医学部附属病院には多くの症例が集まってきます。当科では肝細胞癌の治療としてカテーテルを用いた抗がん剤および塞栓物質の動脈注入療法(肝動注化学塞栓術)を数多く行なっています。また、骨粗鬆症やがんによる圧迫骨折に対して、画像機器を駆使して骨セメントと呼ばれるアクリル樹脂を入れることにより疼痛改善を行う治療(経皮的椎体形成術)も多いのが当施設の特徴です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 49 8.16 23.04 6.12% 49.41 開頭腫瘍手術
K1742 水頭症手術(シャント手術) 11 2.36 24.09 9.09% 24.45
K1781 脳血管内手術(1箇所) 10 2.10 17.60 20.00% 53.80
脳神経外科手術件数では開頭での頭蓋内腫瘍摘出術(2015年度:105例)が最も多く、その他に内視鏡下を用いた腫瘍切除術も行われています。また手術の際には安全に手術を行うために神経モニタリングやナビゲーションシステムを多用しています。脳血管障害については血管内治療(2015年度:37例)を多く行っています。宮崎県では小児水頭症に対し全ての手術が当院で行われています。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 14 0.00 28.36 92.86% 69.57
K654 内視鏡的消化管止血術 11 1.73 5.45 72.73% 68.91
K0461 骨折観血的手術(上腕・大腿) 10 1.20 19.90 100.00% 56.70
外傷による出血の止血術や消化管からの出血の止血術(内視鏡を用いた)、骨折の手術が上位を占めています。このような手術に対応するため、他科の医師と協同で手術を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 32 0.33%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる 49 0.51%
播種性血管内凝固や敗血症は、DPC で高額な点数が設定されている(入院医療費が高くなる)ため、臨床的に根拠のある診断でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われかねない DPC 病名とされています。厚生労働省による平成 26 年度の全国の DPC 対象病院データ集計では、全症例に対する割合は播種性血管内凝固が 0.17%、敗血症は 0.56%でした。全国値と当院の数値を比較すると、当院は共に0.00%であり、適切なコーディングを行っています(臨床的に根拠がある診断に基づくコーディング)。
手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って施行しています。しかし、合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。
更新履歴
2016/09/29
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を公開しました。