宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2021年07月19日更新

救急研修を終えて

各地で大雨や土砂災害のニュースを多く目にしますが、宮崎では梅雨も明け、洗濯物が良く乾く季節となりました。

このブログがいつ掲載されるのかはわかりませんが、7月上旬の今日、私は医師免許証を受け取りました。6月末に医師免許証が届いたとの知らせを受けたのですが、今日まで受領できていなかったのは私が4月から6月まで宮崎市郡医師会病院の救急科で研修をしていた為です。7月から大学病院での研修が始まり、ようやく手元に届きました。医師免許証は予想していたより大きく、当初目標としていた曲げずに持ち帰ることは諦め、ティッシュペーパーの袋に折りたたんで収納し駅前でティッシュとして配布…することはなく、後生大事に持ち帰りました(笑)。
さて、冗談はさておき、当院での研修の大きなメリットのひとつに関連病院での研修の選択が可能であることが挙げられます。様々な診療科の研修を大学病院もしくは県内の市中病院で行うことができます。先述しましたが、私もその制度に則り4月から6月まで大学から離れ宮崎市郡医師会病院救急科で研修をしてきました。救急の研修を宮崎市郡医師会病院で行うことにした理由と致しましては、将来のビジョンから三次救急よりも一次、二次救急での研修を希望していたことや、実家が病院と近く通勤に便利であったことがあります。正直なことを言ってしまうと、幼少期から急ぐことが不得手で救急に対しても苦手意識のようなものを持っていました。3月に今年1年のローテート表が告知され、医師となって初めて研修する診療科が救急であることを知ったときには不安でいっぱいで、とても緊張しながら初日を迎えたことを覚えています。宮崎市郡医師会の救急科では外来での救急対応と病棟業務が日々の診療内容でした。学生の頃はカルテの記載を行ったことはありましたがそれ以上の病棟業務は行ったことはなく、また大学病院とは異なる電子カルテに困惑していました。肩書が医師になっただけで学生、いえ、ミドリムシと同レベルな私たちに先生方、そしてスタッフの方々には電子カルテの操作方法から一つ一つ丁寧に指導して下さりました。研修の初めの頃は救急車が来る度にあたふたしながら救急対応をしていたのですが、6月になると救急隊から頂く情報から、どんな疾患を鑑別に挙げ、どのような診察、検査が必要なのかを考えながら初期対応すればいいのかなんとなくわかるようになってきました。ミドリムシレベルであった私もどうにかミジンコ程度までは成長できたと思います。救急車の受け入れ台数はそこまで多いわけではありませんでしたが、その分一つ一つの症例をしっかり振り返り勉強することができ、救急を苦手と感じていた私には丁度よいペースでした。

3か月間の救急での研修が終了し、7月から大学病院での研修が始まりました。まず困ったことと言えば電子カルテの操作です。6月までの3か月の間で宮崎市郡医師会病院の電子カルテに慣れ切ってしまった私は学生の頃も使用していた電子カルテの操作方法をすっかり忘れておりログインさえできない状態でした。現在また一からカルテの操作方法を覚えながらなんとか病棟業務を行っています。病院や病棟で細かいルールの相違もあり未だ右往左往していることも多くありますが、大枠での業務内容はどこに行っても変わらないようです。大学では救急対応を行うことはほとんどありませんが、救急で研修した3か月で学んだことや経験が活かされていると感じることも多くあります。

環境が変わり慣れないことばかりですが、これからの研修生活も前向きに精進しようと思います。長文となりましたが、お読み頂きありがとうございました。

(一年次研修医 HS)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

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