卒後センター研修医・教員ブログ
2021年07月15日更新
内科合同カンファレンス ~循環器内科編~
症例は55歳女性。労作時息切れ、頭痛を主訴に受診。
30年ほど前から前兆のある片頭痛を繰り返していた。20年ほど前の病院受診時にSpO2:91%(room)を指摘。最近、階段昇降時の息切れのため来院した。
上記の病歴です。
動脈血ガスでもPaO2:53mmHgと低値でしたが、身体所見、心音・呼吸音、心電図や胸部単純X線写真に特記する異常はありませんでした。
どのような鑑別を挙げますか?
肺塞栓症なんかはパッと思い浮かぶかもしれませんね。
今回の症例は、左上大静脈遺残および右上大静脈の左房還流による右→左シャントという診断でした。むず。。。
プレゼンターは昨年に当院初期研修を終え、循環器内科へ進んだ内田先生でした。いつもニコニコ頑張っている姿を垣間見られて感慨深いものがありました。立派なお医者さんになってね!その後に循環器内科のMr.ダンディー、山村先生がレビューしてくださって、学びある時間となりました。
Take Home Messageとして、①低酸素血症をみたら右→左シャントも考える、②卵円孔開存ではバブルスタディを考慮
バブルスタディって、生理食塩水を攪拌し発生させたマイクロバブルを静脈に投与して、その流れを心エコーで捉えるってな感じの検査だそうです。卵円孔開存があり、リークがあるとドップラーをかけなくても評価できるんだそうな。目からウロコというか、マイクロバブルだから問題ないんでしょうけど、血管内にair入ってええんや!?っていうカルチャーショックも受けた、本日のカンファレンスでした。
次回は9月27日、消化器内科編です。乞うご期待。
(卒後臨床研修センター 鈴木)