宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2023年04月10日更新

【報告】 「『第39回臨床研修研究会』に参加しました」

 副センター長の宮内です。

 去る4月8日(土)、紀尾井カンファレンス(東京都千代田区)において開催された『第39回臨床研修研究会』に参加して参りました。臨床研修に焦点を絞った伝統ある研究会で、自施設で臨床研修に携わっている多くの先生方が全国より集まりました。

 本研究会のメインテーマは「ポストコロナに向けた臨床研修の展望」であり、午前に「ポストコロナ時代における臨床研修のニューノーマル」、午後に「待ったなし!医師の働き方改革への対応」という2つのシンポジウムが実施されました。

 午前のシンポジウム「ポストコロナ時代における臨床研修のニューノーマル」では、
1.卒前臨床実習から臨床研修へ〜医学教育モデル・コア・カリキュラムからみた臨床研修〜
2.「到達目標・方略・評価」の変遷と次回見直し(2025年)への準備
3.基本的臨床能力評価試験の妥当性とフィードバック
4.感染症危機管理における研修医の役割とそれを踏まえた卒後臨床カリキュラム
といったタイトルで、この分野で活躍なさっている4人のご高名な先生方が講演をされ、その後活発な意見交換が行われました。

 また、午後のシンポジウム「待ったなし!医師の働き方改革への対応」では、
1.医師の働き方改革をより良い臨床研修につなげるために
2.国立大学病院における対応〜女性医師に対するキャリア支援も含めて
3.働き方改革後の臨床研修〜医師不足地域における中核病院で考えること〜
4.どうする働き方改革〜臨床研修医を守る〜
5.東京都における医師の働き方改革への対応〜東京都の地域中核病院の一例として〜
という講演が続き、その後これまた活発な質疑応答、意見交換が行われました。
 私としてはこの働き方改革にまつわる様々なムーヴメントには非常に興味があり、講演内容も問題提起あり、経験談あり、厚労省からの情報提供ありと非常にバラエティに富み、大変勉強になりました。

 さて、私個人に課せられたミッションは、この研究会において「宮崎大学の臨床研修における働き方改革への取り組み」と題した発表(ポスター)を行うことでした。

宮崎大学医学部附属病院臨床研修プログラムにおいて…

  1. 電子カルテシステムと連動した当院独自の出退勤管理システムを用いて、研修医の勤務時間内外の動向と所要時間の把握を一元的に行っている。勤務時間外でのお仕事については自己研鑽の性質に応じて3領域に区分し、時間外手当の確実な支給や過剰な時間外勤務に対する研修ローテート診療科へのフィードバックと改善提言を行っている。
  2. 9名の卒後臨床研修センター医師は、研修アドバイザーとして1人あたり4〜6名の研修医を受け持ち、進路相談、メンタルヘルス、妊娠・出産、職場環境改善などの相談を適宜受け、時に協力型病院とも情報を共有しながら心身両面からのサポートを行っている。

という2つのTake Homeメッセージをポスターに盛り込み、会場に掲示しました。何人かの先生方から熱心なご質問を賜りました。先生方は当院の出退勤管理システムや研修アドバイザー制度に強い関心を持たれたようでした。

 いよいよ2024年から始まる働き方改革に向けた様々な取り組みは、時代の要請に応える喫緊の重要な課題と言えます。国立大学病院、私立大学病院、地域中核病院(大都市部、医師不足地域)などそれぞれの立場の方々と情報をシェアし、意識を共有できた貴重な経験となりました。

(文責:宮内俊一)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

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