宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2018年01月26日更新

【報告】1月25日、教育カリキュラム各科担当編『外科』開催

 昨日は、教育カリキュラム各科担当編『外科』が開催されました。
 講師は、我らが卒後臨床研修センター教員で外科の森浩貴先生でした。
 テーマは、昨年に引き続き『急性腹症』。
 医師になれば、そして特に初期臨床研修中の研修医は誰もが必ず対応を迫られ、それでいて(私個人的に思っていますが…)あらゆる症候の中で最も臨床推論と診断が難しい!領域の一つです。
 レクチャーでは、急性腹症の総論に引き続き、各論として、①急性虫垂炎、②胆石症・急性胆嚢炎、③イレウス、④ヘルニア嵌頓、⑤消化管穿孔、⑥腸管虚血・壊死(SMA塞栓症/NOMI)の6つの病態・疾患を取り上げて下さいました。どれも重要疾患であり、研修医が救急外来や病棟で遭遇する確率が高く、実際対応すると隠れ重症例や非典型例に難渋するものばかりです。
 いずれも森先生の経験に基づく具体症例を題材に最初のアプローチや初動ポイントなどを分かりやすく教えていただきました。個人的には、「CT アッペ探し」と題して、腹部CT断面像をthin slice約50枚連続でスライド提示し、上行結腸から順に追っていって、解剖学的ランドマークに基づいて虫垂を探す方法を伝授していただいたのが最も勉強になりました(早速自分でもやってみます)。また、私も何度か冷や汗をかいたことのある腸管虚血・壊死症例における3つのphase(hyperactive→paralytic→shock)の理解、危険な画像サイン(門脈気腫、SMV径の狭小化)など、画像提示とともにとてもインパクトがありました。
 今回は、各診療科の歓送迎会と重なり、研修医の出席者数が少なかったのが残念ですが、配付資料を卒後センター入り口に置いておりますので、ぜひ内容を自己学習し、今後の研修に役立てていただければと思います。
 森先生、ありがとうございました!
                                                                                                          (小松)

DSC03382  DSC03376

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

バックナンバー»