宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2016年01月12日更新

栄養のすすめ

2010年より栄養管理実施加算に栄養サポートチーム(NST)加算を上乗せすることが可能になったが、チーム所属員には所定の研修(10時間以上)が要求されている。しかし、医療従事者全てが、関心を持って最低限の知識を備えていないと、形骸化した加算として将来的に消滅する恐れもあるのだという。
そこで栄養を系統的に学習するための道しるべについて述べる(私は麻酔科で働いているため畑違いではあるが・・・)。
まず、欧州の栄養学会(ESPEN)が提供するLLL(Life Long Learning)コースが最も詳しいのだが(39のトピックより成る)、英語なのでとっつきにくい。
では、日本語で学ぶには?? TNTコース(米国コースの日本語版で医師のみ2日間)とNSTセミナー(日本発の職種問わず1日間だが10時間)がある。どちらも幸い試験はないが、受講料は2万円と3万円である。
TNTコースは従来アボットが権利を持って日本静脈経腸栄養学会と共催して各県で年1回開催していたが、現在では例えば九州地区で年数回という様に縮小されている。講義だけでなく少人数ワークショップの時間も多く、栄養評価(SGA)をきっちりと練習するのが特徴(写真左の2冊が配布されるマニュアルとワークブック)。
一方、NSTセミナーは日本病態栄養学会が年数回開催しているが、全て講義であり、各回の受講者数は3桁に届き、そのほとんどが看護師のようである。内容はしっかりしているが経験のない者にとっては提示症例の計算についていけないかもしれない(写真右が配布されるテキスト)。
どちらも上記の所定の研修としての条件を満たしている。両方ともを受講する必要はないが、普段より栄養の評価や計算に馴染んでいない方にはTNTコースをオススメする(ネットで探して申込可)。さらには、エキスパートになりたい方はLLLの全トピックを是非制覇していただきたい(私はトピック3のみで満腹でした:写真右から2番目がネットでダウンロードしたトピック3の資料)。


(河野)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

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