宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2021年09月13日更新

手術中の学び

研修も今月で6ヶ月目に突入しました。

私は現在外科で臨床研修をさせて頂いていますが、外科研修と言っても、外来や、術前・術後管理など、学ぶ内容は多岐に渡りますが、外科と言えばやはり手術。

でも、国家試験をなんとかくぐり抜けたばかりの初期研修医にとっては、手術の助手に就くだけでも、幾つかの壁があります。
そのうちの一つが、手術中に使われる機具の名前です。最近は国家試験で機具を何の処置で使われるか尋ねる問題も出題されるようになってきましたが、基本的にそういったものは実習頼りであり、学生時代は丁寧に機具の名前を覚える機会はそう多くありません。
ですので今回は、手術中よく使われる機具の名前について、少しだけ紹介していきたいと思います。

医療ドラマなどでも聞いたことがあるかもしれませんが、よく使うものの代表が、コッヘル鉗子とペアン鉗子。この二つはよく似ていて、私には最初違いが分かりませんでした。

注目するのは先端部分です。
ここにかぎ爪のような鈎があれば有鈎のコッヘル鉗子、なければ無鈎で、ペアン鉗子と呼ばれます。とても似てはいるものの、使用用途が異なっており、コッヘル鉗子は硬い組織にある血管を掴んで切開創の止血を行うことが主用途となっています。ただ、鈎もついている為、柔らかい組織やチューブに用いると穴が開いてしまうことも。
ペアン鉗子はコッヘル鉗子より古い年代から使用されていたもので、チューブ把持にはこちらの方が向いています。
(イメージ図)

 

更に、このコッヘル鉗子、ペアン鉗子には先端が真っ直ぐなもの(直型)と、曲がっているもの(曲型)があります。手術室では、真っ直ぐなペアン鉗子のことを指して、「直ペアン」と呼ばれたりします。

また、時折り手術室の中で聞くことがあるのが、「モスキートコッヘル」という謎の言葉。
この呪文のようなこと言葉も、機具の名前です。コッヘル鉗子は通常13〜14.5cmのものを指すのですが、これより少し小さな11cmのコッヘルのことを、モスキートコッヘルと呼んだりします。

そんなこんなで、学ぶことが多い日々が続きますが、少しずつ成長していけるよう邁進していきたいと思います。

(ペンネーム:K・N)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

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