卒後センター研修医・教員ブログ
2018年06月25日更新
小さい頃、『貧血』は『めまい』のことだった!?
小学生の頃、全校朝礼でフラッと倒れる児童がいると「貧血を起こして倒れた!」と言っていた覚えがあります。
でも今(この職業に就いてから)では、そう言う状態に『貧血』と言う言葉は使いませんよね。
「血液検査をしたら、ヘモグロビンが6.2だった!」、、、うんうん、これは正真正銘の『貧血』と言えます。
普段何気なく私たちが発している(医療)用語が、実は非医療者の中では誤解されて使用されている、少なくとも真の意味からずれた解釈で理解されているということを、私達はたびたび思い出さなければなりません。
さてここに、国立国語研究所「病院の言葉」委員会が著した、『病院の言葉をわかりやすく-工夫の提案-』と言う本があります(勁草書房、2009年)。
その中にこう書いてありました。
【言葉の意味や混同や混乱が多いもの】
言葉『ショック』 → 誤解「急な刺激を受けること」(誤解率46.5%)
言葉『川崎病』 → 誤解「川崎市周辺で発生した公害病である」(誤解率35.0%)
言葉『合併症』 → 誤解「偶然に起こる症状のこと」(誤解率31.1%)
言葉『コンプライアンス』 → 誤解「医師が法令を守って治療すること」(誤解率27.4%)
言葉『化学療法』 → 誤解「“カガクリョウホウ”と聞いて《科学療法=科学的な治療法》だと思った」(誤解率18.9%)
、、、ちょっとドキっとさせられますよね。「私たちが普通に使っている言葉が、もしかしたら患者さんには誤解を伴って理解されているかもしれない」、そう思うと病状説明の時の言葉の選びももっともっと慎重にせねばと、思うわけです。
ちなみに先述の本の中で『貧血』ということばがどの様に披露されているかというと、、、
言葉『貧血』 → 誤解「急に立ち上がった時に立ちくらみを起こしたり、長時間立っていた時にめまいがすること」(誤解率67.6%)
だそうです。
なるほど、私がまだ “一般ピープル”だったころの認識そのままですね(^^;)
(宮内)