宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2021年02月17日更新

内科合同カンファレンス(2021.2.15)消化器内科編

おひさしブリーフ(byダンディ〇野)
ブログへの投稿が停滞しておりました。ごめんなさい。

本日は内科合同カンファレンスがありました。コロナ禍で開催されてない月もありましたが、今回は消化器内科編で開催されました。
参加者はほどほどにまばらで、過密は避けられたかと思います。

さて、今回の症例は主訴:腹痛・下痢・血便でした。
原発性肺癌stageⅣbに対して化学療法を導入後。Day15より上記主訴で発症。
腹部全体に自発痛・圧痛あり。20回以上の水溶性下痢・血便。

ざっくりした情報ですが、診断や病態を把握するためにどんな検査を検討しますか?
まぁ、検査を考えるには、鑑別疾患を挙げることとリンクしてきますよね。

最初に当てられた学生さんは、ちゃんと感染性腸炎を除外するために便培養を答えてくれましたね(化学療法により免疫力が低下しているかも)。別の学生さんは薬剤性腸炎も挙げてくれました。(スバラシイ回答です)あとは、虚血性腸炎も鑑別に残しておきたいところでしょうか。

(がんばって答えてくれている学生さん)

病歴聴取内容としては、教科書的ですが、喫食歴(なまもの)や身の回りの人の症状も聞きたいですね。

内視鏡検査で粘膜面の評価および生検での組織学的評価ができます。CTや腹部超音波検査は腸管壁及び周囲の炎症波及の程度を評価できますね。血液検査ももちろん大切な情報です。

さぁ、どんな疾患を想像しますか?今回の症例は、化学療法時に使用したPembrolizmabに起因したirAE大腸炎という診断でした。

腸炎の鑑別疾患を考える機会になったのではないでしょうか。

次回のカンファレンスは4月の第3月曜の予定です!興味のある方は、ぜひぜひご参加ください。

(卒後臨床研修センター 鈴木)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

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