宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2015年02月10日更新

私が宮崎大学(当時は宮崎医科大学)の医学生だったころ、皮膚科に井上勝平(しょうへい)先生という先生がいらっしゃって、学生の間では親しみをこめて「かっぺいちゃん」と呼ばれていました。かっぺいちゃんは折に触れて「優れて優しい医師になりなさい」とおっしゃっていまいた。この言葉の元となったのは、太宰治が友人に宛てた手紙の一節のようです。曰く「私は優という文字を考えます。これは優れるという字で、優良可なんていうし、優勝なんていうけど、でも、もう一つ読み方があるでしょう?優しいとも読みます。そうして、この字をよく見ると、人偏に、憂うると書いています。人を憂える、ひとの淋しさ侘しさ、つらさに敏感な事、これが優しさであり、また人間として一番優れている事じゃないかしら、(後略)」。

研修期間は技術と知識の習得で忙しいとは思いますが、医は仁術でもあります。できるだけ患者さんに寄り添い感受性を高くして、優れて優しい医師を目指していただきたいと思います。
偉そうに言う私は既に日暮れて途遠しかもしれませんが、これからという研修医の先生方には少し気にとどめていただければなあ・・・と昨今の殺伐とした世情に触れ思った次第です。

                                                                      安倍

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

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