宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2020年06月08日更新

【コラム】「大学病院に通うということ」

副センター長の宮内です。

大学病院は、医学部を卒業したての若い先生にとっては“実習の現場”という位置づけがもっともしっくりくるかもしれません。しかし中には、“昔通院したことがある”“家族の見舞いで訪れたことがある”という想い出のある方もいるのではないでしょうか?

宮内にとって大学病院は、もともとは“通う”ところでした。

鹿児島で生まれ育った私は、ある先天性の疾患のため小学校を卒業するまでずっと1〜2ヶ月に1度のペースで地元の大学病院に通っていました。

自宅からその大学病院までは遠い道のりで、冬などは夜明け前に家を出て、親に連れられ電車やバスやタクシーを乗り継いでやっと病院へ。疾患といっても寿命を縮めるようなものではなく、そのうえ能天気な私は小旅行の気分で『だいがくびょういん』に通ったものです。「学校が休める!」「帰りに外でご飯が食べられる!」くらいにしか思っていませんでした。しかし、ほぼ毎月の通院は親の目線で考えると結構大変な労力だったのではないかと思います。

宮崎大学医学部附属病院は、清武の地にあってお世辞にも交通アクセスが良いとは言えません。外来には県内各所(時には県外)から患者さんが見えます。「朝5時起きです」という延岡の方、宮崎市内の親戚の家に前夜泊まったという串間の方…。そういう方々の話しを聞くにつけ、自分の小さい頃が思い出されるんですよね。

たまにあるのが、「先生、患者さんが◎◎◎ということで総合受付に既に来られていますが!?」という受付からの電話連絡。「診察日じゃないから明日出直してきて!」とはなかなか言えないんですよね。仮に外来日以外の日の来院であっても何とか診てあげたくなります。

我々にとって大学病院は日常の場であり研鑽の場を積む職場なんですが、『大学病院受診の日』っていうのは患者・家族にとっては大きなイベントの日であると思います。そのことはずっと忘れないでいたいと思っています。

(副センター長 宮内 俊一)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

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