卒後センター研修医・教員ブログ
2018年11月22日更新
「IT化の波」
IT化という言葉が聞かれるようになって久しく、最近では家電製品に至るまでインターネットに接続される時代になってきました。IT化の波は医療の世界にも容赦なく押しよせていますが、その代表であり、一番身近なものは電子カルテかもしれません。
1年目研修医の皆さんが働き始めて丸半年が経過、電子カルテの使い方には慣れてきたでしょうか?中には協力型施設を複数ローテートする先生もいるでしょうから、新しい病院に行く度、最初の仕事が電子カルテの扱いに習熟することだという場合も少なくないと思います。
宮崎大学では今年の4月に電子カルテを新システムに移行しました。使ったことのある人はほとんどいませんでしたから、立場の上下や職種に関係なく、その対応に追われる日々が続きました。旧システムではスムーズにできていた作業に四苦八苦したり、誰も見つけきれなかった機能を発見してちょっとしたヒーローになったり。最近になってようやく落ち着いてきた感があります。
外科領域においてもITはその威力を発揮しています。特に、CTに代表される画像データは、解剖を把握し、詳細な手術計画をたてるのに非常に有用です。術中には、投与した物質を体外から検出し、今流行りのAR(拡張現実)のように術野のリアルタイム映像に合成して病変を浮かび上がらせる技術も登場しています。また、小さなところでは、某林檎ペンシルの登場により、手術記録のシェーマをタブレット端末上に描くこともできるようになりました。各種ペンや色鉛筆を揃えなくても済むどころか、それ以上の表現ができ、更に特筆すべきはその修正の容易さです。ボタンひとつで消したり、消す前の状態に戻したりすることは手書きでは得られない効率性と言えます。
IT技術を使いこなし、医療に活かしていく能力は、これからの医師に求められる資質の一つなのかもしれません。アイデア一つで大きく変わることもあるこの分野、皆さんはIT化の波に乗れていますか?
(卒後臨床研修センター 落合 昴一郎)