宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2018年05月10日更新

GWあたりに思うこと

研修医の皆さんが仕事を始めて5週間になろうとしています。おそらくあちこちの現場でハラハラしたり、ドキッとしたり、考えさせられたり、いろんな人に感謝するような毎日を送っているものと思われます。

頑張っている皆さんの初々しい姿を見ていると、「自分が研修医だった時はどんなだったかな〜?」と、振り返らずにはいられません。

自分が研修医であったのは10数年前ですが、しかし何度振り返っても、ほんとに汗かきながらバタバタ走り回っていた記憶しかないものですね。まだ紙カルテの時代でもありましたので、重―いカルテ、重―いフィルムバッグ(←わかります?説明は割愛いたします)を数冊抱えて、病棟内をウロウロしていた気がします。
内科で研修していた時期は、朝はとにかくひたすら担当患者さんの採血、採血、採血、でした。朝夕の点滴も当番制になっていて、当番の日は点滴を何人分もとっていたものです。でもまあ、これらは言ってみれば肉体労働。やればやるだけスキルアップになりますし、うまくいけば何も文句なし!誰にも気を遣うことはありませんでした(点滴失敗→刺し直しだと患者さんにひたすら謝り、血液が垂れてシーツを汚しちゃうと看護師さんや看護助手さんにひたすら謝っていましたが。。。)。

しかし、いろんな人にとーっても気を遣いまくる業務も中にはあり、特に患者さんとご家族に集まっていただき病状説明をすると言う場面はその最たるものだったかと思います。

、、、といっても説明の中身のコトを言っているのではなく、病状説明の“外側”の話しなんですけどね。

さあ、患者さんのご家族をお呼びして病状説明を、という日。約束の時刻にご家族が揃ったとの病棟からの連絡がありました。指導医に伝えると「今外来中だから少し待ってて!」とのお返事。それを患者さんやご家族に伝えて待つこと40分。ご家族が苛立ち始めるちょうどその頃にやっと指導医登場です。ようやく患者食堂までご家族を迎えに行くと、「いまちょこっと長男が駐車場に忘れ物取りにいっているので〜。」とまたそこで足止め。指導医にその旨を伝えると「1時間後には外勤に出ないといけないんだけど、、、(汗)」と指導医も若干苛立ち気味。。。不隠な空気を感じながらも何とかお話しを開始すると、素っ頓狂な発言を繰り返す指導医、かなり難しい希望を述べるご家族であったりと、己の力ではどうしようもないことのオンパレードに、ちょっとした無力感を感じたものです。「研修医って、指導医と患者さんとの連絡係でしかないのかなぁ」なんて思ってしまったり。。。

医療に限らずだとは思いますが、人を相手にするお仕事はやっぱり心身共にエネルギーがいりますね。どうですか皆さん、知らず知らずに疲れをため込んでいませんか?5月過ぎたあたりで、頭と体にはだんだん乳酸がたまってくるかもしれません。

長い長い医師人生、体力がものを言います。仕事には真摯に向き合うのはもちろんのことですが、自分の体調管理もしっかりしないと人様のことは言えませんよ〜。
夜遅くまで病院にいれば良いってものではありません。治療プランは広く考えながらも、実践する仕事はコンパクトにまとめてやりましょうね。
どうかどうか、ここらでひとつ息抜きも覚えて、良い意味での“要領の良さ”も覚えていきましょう!

(宮内)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

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