宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2020年06月16日更新

内科合同カンファレンス(膠原病・感染症内科編)2020.6.15

はい、鈴木でございまぁす!(サザエさん風)

今日は久しぶりに開催された内科合同カンファレンスの話題ですよ!

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、席は一つ以上空けつつ行われました。

今回の症例は22歳、女性。主訴は発熱。
インドネシアへの渡航歴があり、帰国日に下痢→水様下痢。その後40度の発熱と肝胆道系酵素の上昇あり、入院。Vital signsの中で脈拍89bpmと比較的徐脈を呈したことが、鑑別診断を挙げる一つのヒントになり得たようです。

プレゼンターのりっきーこと力武先生の丁寧なプレゼンテーションと、川口先生のスマートな司会の下、学生さんや研修医の先生を中心にマイクが回りました。みなさん頑張って発言してくれて、いい感じ!
以前にも書いたと思いますが、「人前で」「マイクで」って話すとなると緊張してしまうものだと思いますが、病歴を深めるための問診内容だとか、鑑別疾患だとか、自分でoutputしたことは、合っていようが間違っていようが、強く印象に残るものです。そういう点でも、このカンファレンスはいい勉強の機会と思います。

詳細な病歴聴取の中には、経由地や滞在地(都市部か田舎か)、現地の気候、咬傷の有無(蚊やダニ)、水分摂取(ミネラルウォーターか生水か)、ワクチン接種歴、外傷歴、性交渉歴など細かい情報がありました。感染症を疑う際には、聞いても聞き過ぎることはないのかもしれません。

結局、便培養、血液培養から同一のグラム陰性桿菌が検出され、腸チフスの診断となったという症例でした。ちなみに3類感染症→保健所へ届け出が必要だそうで、、、消化器内科をやってると、保健所へ届けたのは、アニサキスくらい?研修医の時にアメーバ肝膿瘍の患者さんは受け持ったなぁとか思い出しました。珍しい症例を提示していただき、ありがとうございました!

後半は輸入感染症(+インバウンド感染症)についての解説スライドを川口先生に簡易レクチャーしていただいて、宮崎でも今後増加してくる可能性はあることを教えてもらいました。発展途上国に1か月以上の滞在で発熱20-30%あるとか聞いたら、コロナで世界中に感染が広がっている昨今、海外へ赴くのは不安しかないなぁ。。。規制緩和と維持とホント難しい問題です。感染症リスクが高い地域へ渡航するときは、ワクチン接種や予防内服はしっかり実施しておくこと!を受け売りして、今日はおしまい!!

それじゃあ、来月もまた見てくださいね~ じゃんけんぽん!(5回連続のパー!!)

追伸
厚労省FORTHホームページ
日本感染症学会のHP (インバウンド感染症)
など、本日出てきた情報の一部です。
もっと聞きたい!という方は、膠原病感染症内科・力武雄幹(ゆうき)先生までどうぞ!

(卒後臨床研修センター教員 鈴木)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

2023年11月発行!大学病院ならではの研修医体験記、研修医の学会受賞など、卒後臨床の今をお伝えします!

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