宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2019年01月04日更新

コーヒー・ブレイク

教科書などにコーヒー・ブレイクという欄がある。
小難しい話しが続いた後に、単元に関連した裏話や豆知識などを載せた息抜きの欄だ。私は、今回、卒臨のブログの執筆を依頼されたが、卒臨あるいは自分の診療科である麻酔に関連した話しで、残念ながら、これというネタが無い。いきなりだが、コーヒー・ブレイクをさせて頂く。

先日の卒臨の忘年会で、素晴らしい出会いがあった。
女性との出会いではない。
地元宮崎清武を知り尽くした坂本佳祐先生との出会いだ。彼は、ブラックバスをはじめ淡水のルアーフィッシングを専門としているようだ。

坂本先生の話では、今では、すっかり貴重になったライギョが釣れる池が清武の某所にあるという。
ここで言う貴重とは、個体数が減って姿を見る機会が少なくなったという意味である。自分が中学生位の頃までは、その辺の池や川には必ずと言っていい程、ライギョがいて、反対にブラックバスは、特定の有名なダムなどでしか見ることが出来なかった。

ではなぜライギョが減少し、ブラックバスが増えたのか?

ご存知の様に、ライギョとブラックバスはともに、魚やカエル、昆虫まで何でも食べる肉食魚で、ともに外来種だ。
ともに外来種なので、人が放流しない限り日本で生息域を拡大する事はない。
ライギョは、ブラックバスより先に全国の池や川に放流され生息域を拡大していった。その後、つまりライギョが先にいる池や川にブラックバスが放され、ブラックバスがライギョを駆逐していったようである。
その理由は、文献などで詳細に調べたことが無いので、はっきりとは分からないが、同じ肉食魚でもライギョとブラックバスの食性の違いが大きい様に思われる。しかし文が長くなるため、今回は触れずにおく。

彼らの生息地の灌漑用池は、池底に溜まった土砂などを除くために、数年に1度、水を抜くことがある。
自分が子供の頃、水を抜いた池底には、フナ、タナゴ、クチボソ、オイカワなどがたくさんいて、必ずといっていい程、それらの魚の中に、ライギョが数匹混じっていたもので、全身泥だらけになりながら、これらの魚を採った記憶がある。最近では、水を抜いた池を覗くと、フナなどの魚はわずかで、ライギョの姿は無く、痩せたブラックバスが大半を占めている池をよく目にする。

冒頭で、コーヒー・ブレイク云々と言っておきながら、本文がコーヒー・ブレイクになったか分からない。また魚に興味の無い人にとっては読む気にもならない文であろう。
しかし昔の(自分が子供の頃の)環境が残された宮崎の貴重な自然とありがたい人との出会いに感謝した今日この頃であった。

(卒後臨床研修センター 越田 智広)

センターひろば

卒後臨床研修センター通信vol.44

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