宮崎大学医学部付属病院 卒後臨床研修センター

卒後センター研修医・教員ブログ

2018年12月19日更新

「宮崎県指導医のための教育ワークショップ」

12月15日と16日の2日間、宮崎市のシーガイアコンベンションセンターにて、宮崎県臨床研修運営協議会主催の「平成30年度 指導医のための教育ワークショップ(WS)」が開催されました。
宮崎県臨床研修運営協議会は宮崎大学、宮崎県(医療行政)、宮崎県医師会が一体となって宮崎県の臨床研修全般の活性化や支援を行う組織で、この指導医WSも平成17年度から実施して、今年で通算13回目となりました。
参加者は毎年40名の定員に対し、今年は33名でした。宮崎大学からも18名の医師が参加して下さいました。参加要件は臨床経験7年以上の方で、この指導医WS受講後に正式に厚生労働省より認可された「研修指導医」となります(研修修了証が発行されます)。

講習時間は休憩や食事を除く実講習で16時間以上と規定されており、貴重な週末の時間に、1泊2日でホテルに缶詰となってみっちり指導方法について学んでいただきます。
WSの主要テーマは「宮崎県の卒後臨床研修を魅力的なものにするために」で、内容は、4つのWS(①臨床研修がもたらした変化を考える、②カリキュラム〔目標・方略・評価〕の作成、③指導医のあり方〔コーチング・メンタルヘルスケア〕、④臨床研修の問題点の解決策を考える)を柱とし、それを補足する形で臨床研修制度の概要、専門医を含む卒前卒後一貫教育の現状、宮崎県・宮崎大学の医師確保への取り組み等の講演も行われます。

このWSを参加者が円滑に進めていくために、「タスクフォース」というお手伝い係がいて、宮崎大学、県内医療機関、県外(佐賀大学)から経験豊富な医師を集め(今回は8名)、その役を担っています。ちなみに私は平成21年度からチーフタスクフォース(実施責任者)として本会をマネジメントしています。そして、宮崎県の通算13回のWSで、これまでに約442名の県内指導医の方々が無事に受講修了され、現在、県内の基幹型や協力型臨床研修病院で日々研修医の指導にご尽力いただいております。

また、一昨年より、宮崎での新しい試みとして県内7基幹型臨床研修病院とその協力型臨床研修病院・研修協力施設の事務担当者を対象とした、1日コースの事務職版教育WSを医師WSと並列で開催しております。宮崎県全体の臨床研修がより一層充実したものとなるためには、臨床研修を担当する事務職の方々との認識の共有とレベルアップが不可欠です。また、研修医の仕事や生活内容にも深く関わる臨床研修担当事務職は、通常の事務内容と大きく異なる部分もあり、新規に担当となって戸惑われている方が多いのも実情です。今回のWSを終えて、参加した事務の方より、「臨床研修の全体像がよく理解できた」、「研修担当事務同士の横の繋がりができたことが心強かった」といった感想もいただきました。

医学生や研修のみなさんは、指導医が陰でこのような涙ぐましい努力をされていることはなかなか知ることも無いと思いますので、今回ご紹介させていただきました。研修先で、指導医に「先生は指導医WS受けていますか?」と話題を振ってみてはいかがでしょうか? きっとその体験談(『楽しかった』と言うか『地獄だった』というかは指導医次第?)を語ってくれると思いますよ。

【参考文献】
1. 小松弘幸:平成21年度指導医養成のためのワークショップ.日州医事 2010; 第726号: 36-41.
2. 小松弘幸:平成25年度「指導医のための教育ワークショップ」開催報告 2014; 第775号: 31-35.
3. 小松弘幸:宮崎県における臨床研修指導医のための教育ワークショップ開催状況の検討.宮崎医会誌 2014; 38: 139-145.

(卒後臨床研修センター長 小松 弘幸)

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