先輩の声
代謝内分泌内科(第3内科)
内科に興味があるけど急患や急変でバタバタするのは自分の性格上イヤだ、じっくり勉強しながら確実に病気を治してゆきたい、そんな方にお薦めなのがここ代謝・内分泌分野です。私は平成21年4月からこちらで勤務していますがこの半年で急患や急変は片手で数えるほどもなく過ごしています。また宮崎県では市内以外の代謝・内分泌専門医は本当に数えるほどしかおらず、すべての患者様が十分な診療を受けられるわけではないのが現状です。そのため地方より当科へ紹介されてきた糖尿病患者さんは初めて全身の検索や適切な指導・治療を受けて帰られる方が多く、またこれまで身体所見や一般検査所見で診断の手掛かりがあったにも関わらず特に検査されていなかった内分泌患者さんが初めて内分泌学的検査をうけ診断をつけられることが多くあります(というか、代謝・内分泌ともにそういった症例ばっかりです)。将来的に自分の生まれ育った土地の人々の役に立ちたい(自分が赴任するなり後進を育てるなり)と思うなら当分野はまさにマッチしていると思います。指導医や先輩ならびに当科の呼吸器グループ・神経グループのドクターもみんな何故か(?)やさしい方ばかり集まっています。
こういった感じで、代謝内分泌分野に関してはガンガン勧誘したというよりも自然になんとなく集まってきたメンバーばかりで構成されています。出身地や出身大学はどこでもよいので、これからも年に1人くらいそういう後輩がいればいいなーと思ってます。一緒にゆっくり精進しましょう。
盛永 裕太
精神科
私が医師一年目の時に、前任の教授から「私に治せない症例が、あなたたち若手の熱意で治せることもある。あなたたちの手に負えない症例に、私の経験が生きることもある。だから精神科は面白い。」という言葉をいただきました。今の宮崎大学医学部精神科のプログラムは、精神的・身体的に丹念な診察、基本的な精神療法の手技、脳科学からのアプローチを身に付けることだけではなく、その人の個性を生かし感性を磨くことにも長けたものと思います。基礎研究に興味がある人もぜひどうぞ。幅広い選択肢があるのは、地方ならではの強みと言えるでしょう。
最後に「精神保健指定医は取れますか?」「専門医は?」という質問を受けますが、そんなことを聞くのは野暮ってものです。私も諸先輩方のご指導の下、最短コースで十分な症例を経験し、資格を取得しました。宮崎県下に使える指定医・専門医を養成するのも私たちの使命のひとつですので、安心して研修してください。
船橋 英樹
皮膚科
私は医師として8年目、宮崎大学皮膚科入局7年目で、現在副病棟医長を担当させていただいています、持田耕介と申します。平成19年9月から1年間 静岡県立がんセンターで悪性黒色腫、センチネルリンパ節生検術と皮膚固形癌の化学療法含めた悪性腫瘍の診断・治療を学ばせていただきました。
宮崎大学 皮膚科の魅力について伝えるためには、私達の具体的な現場と姿勢を伝えることが一番分かりやすいと思います。
この文章を書いている今現在の病棟入院患者さんは、気道熱傷合併した全身熱傷(ICU管理)1名、皮膚原発の悪性リンパ腫 4名(多剤併用化学療法施行中 3名、単剤の化学療法と放射線療法併用 1名)、悪性黒色腫 8名(原発切除とセンチネルリンパ節生検術施行 2名、 所属リンパ節郭清施行1名、鼻腔MM 1名、Stage Ⅳ 4名:1名は姑息的腋窩リンパ節郭清:当科と外科合同、3名は化学療法、化学療法+放射線治療)、有棘細胞癌 2名(手術及び化学放射線療法中1名、術前化学療法後手術予定1名、)、外陰部パジェト病 1名(進行期 放射線治療と緩和目的)、劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症 1名、外傷後皮膚欠損に対して植皮術施行 1名、小児の膿疱性乾癬 1名、膠原病合併した壊死性潰瘍 1名、うっ滞性皮膚炎 1名、SLE 1名、褥瘡 1名、コレステリン塞栓症に伴う足趾潰瘍 1名、熱傷瘢痕形成術1名となっていました。その他、全身麻酔下で母斑に対するレーザー治療を週2~3名程度行っています。
このように宮崎大学皮膚科の入院患者さんは悪性腫瘍(固形癌、リンパ腫)が多く、また、膠原病、水疱症、炎症性角化症、外傷(全身熱傷含む)、感染症(重症軟部組織感染症含む)、母斑・母斑症等多岐にわたっています。
私の友人にも他大学の皮膚科医がいますし、また当科にも他大学出身の医師がいますが、そういった先生方に伺いますと、宮崎大学は全身管理を行いながら、手術を多数こなし、重症患者も多いといった印象があります。
当院皮膚科がこのように多岐かつ重症な患者さんが集まる理由は、宮崎県特有の地理的事情があります。「陸の孤島」といわれる宮崎県は県外に出るには道路含めたインフラ整備が不十分であり、新幹線も通っていません。このような地理的条件があり、「宮崎県内の患者さんは宮崎県内で診断治療を完結させなければならない」といった命題もあります。ですから、患者さんは宮崎県内から宮崎大学へと集まってきます。
また、宮崎大学皮膚科の診療の根本にあります、「皮膚をとおして全身を診る。」といった考え方も特徴かと思います。ここで大切な事が「診る」ということです。ただ診断をつけその奥にある全身合併症を見つけることでは「見る」にすぎません。「診る」とは、皮膚病変をきっかけに当科受診した患者さんに主治医として関わり、他の科と協力しながらイニシアチブを自らとり、患者さんを良い方向に導こうと努力することが、「皮膚をとおして全身を診る。」ということです。宮崎大学皮膚科では、皮膚科として言葉に溺れることなく、実際にこの「診る」という医療を地道に続けている稀有な皮膚科であると感じます。
皮膚科はアナログな世界で、職人的な要素が非常に強いと感じます。どんなにevidenceにもとづいた医療が進もうとも、そのevidenceに乗せるために現実に起きていることを皮膚科としてデジタルな情報としてアナログな世界からすくい上げなければなりません。そのためには、いつ「見える」から、「診える」ようになるやもしれない皮疹と向き合い、自らの五感を使い、肉眼、病理組織、検査所見、画像所見等すべてをしなやかな連続性としてつなぎ、「診える」ようになったとき、はじめて皮膚科の醍醐味を知ることになると思います。そして、その経験から今度はその皮疹が「診える」ようになり、全身に起こる様々な事象が「診える」ようになり、皮膚科医として「皮膚をとおして全身を診る。」ことができるようになるのです。
宮崎という風光明媚であり、一方で多くの患者さんが困っているこの地で、供に良き臨床医になれる様地道な努力し、日々の経験をintegrationし続ける事は、必ず皮膚科としての世界が「診える」ようになれると確信していますし。情熱を持った先生方と共に、宮崎の皮膚科のこれからの伝統と新たな未来を供に創り上げていけたら切に思っています。
持田 耕介
泌尿器科
宮崎といえば、海、自然、夏、そして知事です。
私は宮崎大学附属病院の研修プログラムで十分な勉強をさせていただき、その成果は都会での研修に負けていないと思っています。仕事をする、プライベート(サーフィンはしたことがない)を楽しむためには最適の場所であったこと、さらに大事な人とのつながりを得たからです。困った時の「○○先生!○○さん!」にたくさん接することができ、今、非常に助かっています。
私の所属した泌尿器科では、腎臓や膀胱、前立腺に限らず、卵巣・子宮も摘除します。尿路変更術では小腸も利用するため、幅広い全身管理が必要とされます。泌尿器科領域でのやるべきこと、やりたいことがたくさんあります。新研修医の皆様には「泌尿器科って何をしているのだろう?」って感じで、短い期間でもいいから、泌尿器科を経験してほしいと思います。絶対に損はさせませんっ!
一生をかけて一つのことを成就するのには不足のない仕事だと思います。
一緒に精進しましょう。
永井 崇敬
脳神経外科
こんにちは。みなさま、各科での初期研修中、忙しくも充実した日々を過ごしていることと思います。そのような毎日を送りつつも、初期研修終了後について考えだしていることと思います。私は宮崎大学初期研修プログラム終了後、同大学脳神経外科に入局しました。まだまだ半人前ですが、3年後に控えた専門医試験に向け日々知識・技術の習得に励んでいます。
脳神経外科専門医では多岐に渡る分野の知識が求められるのですが、当大学の脳外科では、脳腫瘍,脳血管障害,脊椎疾患,新生児脳外科などを主に行っており、てんかんなどの機能的脳外科の分野等カバーできていない部分があることも実情です。このようなことは都市部を含む全て病院、全ての科において言えることだと思います。しかし、当大学では中九州三大学(宮崎・熊本・大分)合同専門医養成プログラムが採用されています。このプログラムでは、各大学(関連病院を含む)得意分野の相互補完・各施設が持っているシミュレーターの活用といったものが可能になっています。これにより宮崎県内や関連施設内だけではなかなか経験できない症例も経験できるようなシステムになっています。書籍のみで得る知識と、実際に症例を経験し得る知識の差は測り知れません。 このような環境の中で一緒に専門医を目指し頑張ってみませんか?
秋山 寛
呼吸器内科(第三内科)
自分は大学で内科の初期研修をした中で、呼吸器内科に興味を持ちました。皆さんは呼吸器の分野はどんなイメージでしょうか。実は意外と奥深い分野です。アレルギー・免疫異常、腫瘍、感染症、先天性疾患などなど、肺という一つの臓器にいろんな異常が生じます。それを画像所見や臨床症状を踏まえて論理的に治療方針を組み立てる、これは呼吸器疾患に限ったことではありませんが、なかなか難しいです。
自分は研修医のときに持った重症の肺炎症例を、呼吸器内科の先生に相談したことがありました。結局、その患者さんは見事に走って(?)帰りました。90歳のおじいさんでした。その症例がすごく印象に残っていて、呼吸器内科に興味を持ちました。
まだ駆け出しで、何も言えませんが、宮崎で呼吸器内科を研修しても後悔しないはずです。
坪内 拡伸
循環器内科(第一内科)
卒後5年目で循環器科を専攻して2年目になります。現在は宮崎県立日南病院に勤務しています。宮崎大学附属病院で2年間の初期臨床研修を修了後、宮崎大学第一内科に入局し、循環器科を専攻しました。
私は当初、他科に入局するつもりで、循環器科は初期臨床研修で研修を行ったものの、急患や急変が多く、自分にはとても務まらないと考えていました。しかし、研修を重ねていくうちに、先生方の熱心な指導で、循環器科疾患に興味がわき、頑張っていけそうだと思い、専攻することにしました(断っておきますが、私は飲み込みが遅く、要領もいい方ではありません)。今まで大学病院、社会保険宮崎江南病院、現在の県立日南病院に勤務していますが、いずれの病院でもすばらしい指導医の先生に恵まれ、手技、症状・検査から診断へどう結び付けて考えるかなど、多くの勉強ができます。
初期臨床研修制度が始まり、とかく都市部の研修病院へ目が向きがちですが、地方には医師数が少ない分、自分で診断、治療を担う場面が多いため、自分のスキルアップは確実にできると思います。日々の診療は自分にとっては大変なことも多いですが、上級医の先生方のバックアップがしっかりあるお陰で毎日が楽しく充実した日々を送っています。循環器科領域に少しでも興味がある先生方、一緒に宮崎で働けるのを楽しみに待っています。
西山 美保