脳神経内科の杉山です。

 12月3日、宮崎大学で第242回日本神経学会九州地方会をハイブリッドにて開催しました。コロナの流行が落ち着いてからは神経学会九州地方会もハイブリッド開催になっていますが、前回の宮崎開催は2020年12月で、まさにコロナ禍だったためWEB開催でした。今回、九州の脳神経内科の先生方には久しぶりに宮崎まで来ていただくことになりました。他県から宮崎に来るためには電車が非常に不便なので飛行機もしくは車になってしまいますが、想像以上に多くの先生方が来てくださり、盛り上がった会となりました。私個人的にも色々な先生方と対面でお話しすることができて交流を深めることができました。WEB開催の学会は地方に住んでいる我々としては参加しやすくて便利ですが、やはり交流という点では現地開催の方が良いですね。

 私は今回事務局を担当しました。学会運営は初めてで事前の準備から当日の進行まで大変でしたが、みなさんの多大な協力のおかげで何とか乗り切ることができました。ありがとうございました。次回の宮崎開催は3年くらい先ですが、多くの先生方が他県から来ていただけるといいなと思います。             

 

 脳神経内科の川上です。

 常夏の宮崎も肌寒くなり、本格的な冬の訪れが感じられた12月9日、神経学会九州地方会を当科主催で開催いたしました。

 少人数の医局ですが、塩見科長と杉山先生の陣頭指揮のもと、無事完遂することができました。ご協力いただいたスタッフの方々、協賛会社の方々、何より参加者の皆様には心から感謝申し上げます。

 肝心の発表については、当科からは研修医の長濱 薫先生が「進行性嚥下障害に対し嚥下造影検査の評価が有効だった封入体筋炎の一例」を発表しました。封入体筋炎は、典型的には50歳以上で発症し、大腿や手指の筋萎縮や筋力低下を呈し、ゆっくり進行する病気です。今回経験した症例は四肢の筋力低下が目立たず、重度の嚥下障害が主体でした。また、嚥下造影検査ではCP barという特徴的な所見を捉えることができ、嚥下改善手術によって症状の改善が得られた貴重な症例でした。嚥下障害は栄養失調、脱水や呼吸器感染症の原因となり、QOLを大きく損なう可能性があります。そのため、嚥下障害の治療は医療と介護におけるアンメットニーズとなっています。特に封入体筋炎における嚥下障害は、予後不良因子や死因になりうるため、今回貴重な症例を経験・報告することができたと思います。

 長濱先生は今年6月に続いて2回目の発表でした。本例はご自身が担当した症例で、一緒に封入体筋炎の嚥下障害を考察することができました。その後の嚥下造影検査でCP barを見つけたときに、「これは・・・!」と眼が合ったのを思い出します。本当にお疲れ様でした!