脳神経内科は脳と神経だけにあらず。様々な筋疾患も守備範囲とする診療科です。筋疾患を診断するうえで、筋病理診断は非常に重要です。

本日は、病理診断をするための筋組織を採取する筋生検を行いました。外科的な手技で皮膚を切開し、患者さんから小指の先端程の筋組織を採取します。1年間に10例程度は生検適応のある筋疾患の新規患者さんが入院されますので、当科を研修すれば経験する可能性があります。

今日の執刀は金丸先生で、研修医の代永先生にサポートに入ってもらいました。そういえば、金丸先生も研修医時代に、筋生検に入ってもらったなぁと懐かしい気持ちになりました。今では、金丸先生が若手の中で最も多く筋生検症例を経験しているのではないでしょうか。頼もしい限りです。

 

研修医時代の金丸先生(筋生検)

 

さて今回は、組織を採取した後の固定について、簡単にお話しさせていただきます。固定も大事な手技になります。ここを疎かにしてしまうと、せっかく採取した組織の標本がうまいこといかなくなって、診断的価値が低下してしまいます。今日は、宮本先生と研修医の大槻先生が固定をしてくれました。

まずは、組織をのせる土台をつくります。土台はコルクの上にトラガカントゴムという試薬をもりつけます。まるで、もんじゃ焼きの土手のような感じです。丁寧に筋組織を分割し、土台に埋め込んで立たせます。

 

土台の作成中。

 

次は、検体を急速冷却します。液体窒素で冷却したイソペンタンの中に検体を浸し、撹拌し、凍結します。サラリと説明しましたが、実際のところは、局所麻酔を使用するとはいえ、患者さんが多少なりとも痛い思いをされて採取することのできる組織です。なので、すべての手技に心を込めることが大事だと思います。

 

急速凍結中!

 

当科が誇るものの一つ、、、そう、それは、チームワーク。今日は特に素敵なチームワークを感じることができました!

さて私の役目はというと、、、固定した組織を薄切し、染色してみます。今からやりますね。皆さんお疲れ様でした。