今日は全国的に気温が下がったようで、ここ南国宮崎も涼しくなり、快適な一日でした。

塩見科長が先日、土呂久検診へ長年尽力されたことに、環境大臣から感謝状をいただきました。当科スタッフとしても非常に嬉しく思っていました。

ヒ素中毒について当科では、望月先生を中心に論文やメディアを通じて世界へ向けて発信してきました。今日は、最近公開された杉山先生の論文について紹介させていただきます。

この論文では、当科で土呂久のヒ素検診を長期間継続していることを活かして、慢性ヒ素中毒の神経障害はしびれの自覚で発症し、その後、より重篤な神経障害が発症するという自然歴を明らかにしました。今後の神経障害を予測するうえで、しびれの有無を検診で確認することの意義を世界で初めて示すことができました。

今回の論文を通じて、宮崎大学脳神経内科と宮崎県が40年以上継続して土呂久検診を行って蓄えたデータが海外のヒ素中毒で苦しむ地域の方たちにとって、今後の対策に役立つことになると考えられます。

Sugiyama T, et al. Detailed analysis of neurological symptoms and sensory disturbances due to chronic arsenic exposure in Toroku, Japan.