医局の現状

宮崎大学麻酔科は大学病院を柱として、県立宮崎病院、延岡病院、日南病院、をはじめとして県内9病院に麻酔科医を派遣しております。大学病院では手術麻酔、集中治療、ペインクリニック、緩和ケアなど多岐にわたる活動を総勢31名で担っています。

大学病院の昨年度の年間手術件数は5899例ですが、そのうち4467症例を21名の専属の麻酔科医が麻酔しております。男性13名、女性8名、5名は子育て中のママ麻酔科医です。子育て中の女性麻酔科医は、自分の都合に合わせて時短で働くことができるため、とても働きやすい環境だと思います。医師として、母としてのお仕事を両立できる点は、麻酔科の利点です。宮崎県で初のロボット手術が2019年の10月より開始され、泌尿器科手術、直腸手術、肺切除術、婦人科手術に加え、直近では食道手術も申請もあり益々拡大していきそうです。時代はロボット化とDXが潮流ですが、手術部も積極的にこの波に乗ろうと考えています。自動麻酔装置の開発も進んでいますが、当教室もその治験にこの秋から参加する予定です。

また増加の一途をたどる手術症例に対して、手術室の増設も検討しています。働き方改革に沿ってなるべく勤務時間内に手術が終了できるように可能なレベルで外注化を図り、医師や看護師のタスクシフトを進め、負担を減らしつつ効率よく手術部の運営ができるように、病院執行部と連携して計画を練っています。

現在、集中治療部には7名の麻酔科医が専従で勤務しています。全国の大学病院の中でもこれほどの人数を費やしている集中治療部は数少ないと思います。当教室では集中治療部で重症患者や術後患者をしっかり診療することで、手術の麻酔管理もよりよいものになるとの考えから、麻酔科医になって3~5年目で必ず集中治療部に配属されます。若いうちに高度最先端医療に触れ、生命の根本的なメカニズムを学ぶことはその後の麻酔科人生にとっても大変役に立ちます。

ペインクリニックは3名の専従医が診療にあたっています。外来・入院診療のノウハウも合わせてマスターすることができるため、将来的には緩和ケアや在宅診療にも通じる技術を習得することができます。人間にとって最も辛い経験の一つである痛みを制御する喜びを手にすることができます。

研究面では、痛みの発生機序におけるナトリウムチャネルの関与、また手術時の循環管理、特に麻酔時に生じる低血圧に関する研究を行っています。臨床業務が忙しく研究に十分な時間が割けませんが、大学院生には研究時間を確保し、また研究の専属職員を雇用するなどサポート体制を強化して研究の炎を絶やさないように尽力しています。

麻酔科の人員がなかなか増えないのが懸念材料ですが、現行の医局員は自分の生活を大切にしながらそれなりに楽しく働いております。医学生や研修医に将来は麻酔科医になるように積極的に働きかけております。

現在12室の手術室があります。最新の医療機器を取り揃えております。

九州で唯一のマシーン:O-arm:頸椎の固定手術で威力を発揮します。

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