緩和ケアとは
『緩和ケア』と聞くと、がんに対する治療を断念した終末期の患者さんが受けるものと考えるひとが多いと思います。
しかし最近では、がんの治療と並行して早期から緩和ケアを導入しようという新しい考え方に変わってきています。
がんなどの生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さんとその家族を対象として、疾患の痛み、吐き気や息苦しさなどの身体的苦痛、不安やいらだちなどの精神的苦痛、経済的な問題や家庭の問題などの社会的苦痛、死への恐怖などスピリチュアルな苦痛をすべて全人的苦痛と捉え、それを早期かつ確実に診断・治療を行い、苦痛を予防したり、苦痛から解放することで生活の質を改善することを目的としています。
当院は、平成19年8月に多職種のスタッフによる緩和ケアチームが発足し、麻酔科もこのチームに参加することで緩和ケアを積極的に行っています。
緩和ケアチームの紹介
チーム構成
- 身体症状担当医師(麻酔科医)2名
- 精神症状担当医師(精神科医)2名
- 看護師 2名
- 薬剤師 2名
- 管理栄養士 1名
- ソーシャルワーカー 1名

合同カンファレンス チームへの依頼のあった当日

症例検討会 毎月1・3月曜日の14時から

多職種のスタッフが意見を出し合い、患者さんにとって最適な治療やケアを検討しています。
チームの実績
平成19年8月から平成20年7月までの1年間に30名の依頼を受けました。

依頼時の身体症状

依頼時の精神症状
依頼のあった患者さんは、様々な身体症状や精神症状をお持ちになっています。
『自分はがんだからきついのは当たり前、できるだけ我慢しよう』とお考えにならず、チームによるケアを受けてみてはいかがでしょうか。
当院に入院中の患者さんで緩和ケアチームによる診療をご希望の方は、病気の時期に関係なく、主治医または担当看護師に御相談ください。