ペインクリニック

ペインクリニックとは

ペインクリニックとは

ペインクリニックは痛みの治療を専門に行う部門です。

痛みは大きく急性痛と慢性痛に分けられ、急性痛はいわゆる「痛み止め」が効果的です。また、痛みは体の異常を伝える「アラーム」でもありますから、異常が解消されれば通常は軽くなっていきます。ところが、様々な理由で痛みが長引いて慢性痛となってしまう場合があります。慢性痛になると、急性痛に比べて「痛み止め」の効果が得られにくくなり、薬を使っても症状が「すっと」消えなくなることも多くなります。

このため慢性痛に対しては、治療の効果を細かく評価して、「薬物療法や神経ブロック療法などの鎮痛方法を取捨選択する」、「痛みに対する考え方や気持ちをコントロールする方法を学ぶ」、「適切な目標を設定して、そのための運動や行動を維持する」、といった多方面からのアプローチが必要となってきます。当科だけで目標の達成が難しい場合は、様々な専門分野の職種とも連携していきます。そして、「痛みは完全になくなっていない」けれども、できるだけ普段の生活や趣味の活動を行えるような状態を目指して診療を行っていきます。

ペインクリニック外来

初診
月・水・金 (火曜休診)
再診
月・水・木・金 (火曜休診)
術前外来(問題症例)

診療日
月・水・金
診療時間
8:30~12:00(月曜日 金曜日)※受付は11:30まで
休診日
火曜、土曜、日曜、祝日、休日及び年末年始
お問い合せ先
外来直通:0985-85-9355(平日8時から17時まで)
時間外:0985-85-1742
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対照となる疾患

腰や下肢の痛み(腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間関節症、脊椎手術後後遺症など)
首、肩や腕の痛み(頸肩腕症候群、変形性頚椎症、胸郭出口症候群など)
顔の痛みや頭痛(三叉神経痛、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など)
帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛
がん性疼痛
難治性疼痛(複合性局所疼痛症候群など)
痛み以外の疾患(顔面神経麻痺、突発性難聴など)

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治療法

治療は、薬物療法を主体とし、神経ブロックを併用して行います。

薬物療法は、一般的な鎮痛薬や神経障害性疼痛ガイドラインの薬剤だけでなく、漢方薬も使用して、患者さんの心や体の調子を整えることを目指します。

神経ブロックは、硬膜外ブロック、星状神経節ブロック、トリガーポイントブロックなどが、主に外来で行うブロックです。頚椎症の患者さんには、超音波ガイドに神経根ブロックも行っています。手術室では、レントゲン透視下に胸椎・腰椎神経根ブロック、腰部交感神経ブロック、脊髄神経後枝内側枝ブロック、三叉神経ブロックなどを行います。局所麻酔薬だけでなく、高周波熱凝固やパルス高周波療法(※1)も積極的に行っています。

患者さんの症状によっては、脊髄に沿って挿入したリードからの電気刺激によって痛みを緩和する“脊髄刺激電極(※2)”を用いることもあります。

なお、抗血栓療法(パナルジン、バイアスピリン、ワーファリンなどを内服)中の患者さんには、安全の面から神経ブロックを行っていません。そのような患者さんなどを対象として、光線療法(スーパーライザー)も行っています。

癌性疼痛の患者さんには、主に医療用麻薬を用いて治療しますが、適応があれば神経破壊による疼痛緩和を図ることもあります。

※1 パルス高周波療法

パルス高周波療法とは、痛みの原因となる神経にパルス状の高周波を照射することで、その神経の支配領域の痛みを緩和させる治療法です。この治療法が登場する前は、熱凝固による神経破壊が中心で、運動麻痺を生じる危険性がある部位には適応がありませんでした。しかし、高周波パルス療法は先端温度を42℃以内に制御することで神経障害のリスクを極めて低いものにしました。この治療が奏功した場合は3-6か月間の効果も期待できます。従来は手術室でレントゲン透視下に行っていましたが、近年は外来でも超音波ガイド下に主に頚椎症や帯状疱疹後神経痛の患者さんに行っています。

※2 脊髄刺激電極

脊髄に沿ってリードを挿入し、微弱な電流を流すことで疼痛緩和を図ります。特に神経障害性疼痛に対する有効性が多く報告されていますが、人工物を体内に挿入することになるので、適応については慎重に判断いたします。

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