第46回日本血栓止血学会学術集会で受賞講演・研究発表を行いました

2024年6月13日-15日、金沢で第46回日本血栓止血学会学術集会が開催されました。
当講座より以下の研究発表・学術奨励賞受賞講演が行われました。
また、山下教授が一般口演の座長を務められました。

・一般口演:大栗伸行
“深部静脈血栓症におけるfibroblast activation protein α の発現”

・一般口演「動物モデル(凝固)」:山下 篤(座長)

・学術奨励賞受賞講演:魏 峻洸
“Histopathological features of cancer-associated venous thromboembolism: presence of intrathrombus cancer cells and prothrombotic factors”

・第17回DAIICHI-SANKYO SYMPOSIUM FOR THROMBOSIS UPDATE:魏 峻洸
“人体病理から解析するがん関連静脈血栓塞栓症”

プラークびらんモデルによる血栓形成とVIII因子の関わりを明らかにする原著論文が公開されました

当講座ご出身の杉田千泰先生(九州医療科学大学薬学部生化学講座 講師)との共同研究で、家兎プラークびらんモデルを用いた研究成果が、Thrombosis Research に掲載されました。
本研究からは、凝固第VIII因子の増加は、平滑筋に富む新生内膜におけるびらん性血栓成長に寄与することがわかりました。プラークびらんに関連したアテローム血栓症における第VIII因子の潜在的役割が明らかとするもので、プラークびらん・血栓症の病理病態解明に重要な知見と考えられます。
(Open access であり、以下のリンクからご覧いただけます)

Chihiro Sugita, Kazunari Maekawa, Toshihiro Gi, Nobuyuki Oguri, Eriko Nakamura, Eiji Furukoji, Minako Azuma, Yujiro Asada, Atsushi Yamashita.
Elevated plasma levels of factor VIII enhance arterial thrombus formation on erosive smooth muscle cell-rich neointima but not normal intima in rabbits. 
Thromb Res 2024;238:185-196. https://doi.org/10.1016/j.thromres.2024.04.025

新しい大学院生が加わりました!

2024年4月より、循環器内科医師の内田暁子先生が、当講座で博士課程を開始しました。
内田先生は、当講座で医学生時代から継続的に研究活動を行っており、医学科研究者育成コースで学長賞を受賞しています。
今後も、循環器疾患の病態病理解明に向けて、一緒にがんばりましょう!

症例報告:Paratesticular cellular angiofibroma

当大学医学部附属病院泌尿器外科の村嶋先生らが、傍精巣領域に発生したCellular angiofibromaについて症例報告を行いました。本症例は、当講座の魏助教が九州沖縄スライドコンファレンスで発表した症例であり、共著者として分担執筆を行いました。
希少な良性軟部腫瘍であり、重要な知見集積であると考えられます。
*Open access であり、以下のリンクから本文を読むことができます。

Murashima, T., Kida, K., Gi, T. et al. Paratesticular cellular angiofibroma: a case report. J Med Case Reports 18, 170 (2024). https://doi.org/10.1186/s13256-024-04499-y

第113回病理学会総会で研究発表を行いました

2024年3月28日-30日にかけて、名古屋にて第113回病理学会総会が開催されました。
当講座からも、以下の研究発表を行い、活発な議論が行われました。

・筆頭演者:阿萬 紫 助教
(ポスター)
「癒着胎盤におけるPAR-1発現およびその活性化因子に関する検討」
“The expression of PAR-1 and its activators in placenta accreta spectrum.”

・筆頭演者:堀内 早紀 さん(研究者育成コース)
(学部学生ポスター)
「冠動脈硬化巣におけるフィブリン・フォンウィルブランド因子の発現と好中球細胞外トラップの形成」
“Fibrin, von Willebrand factor, and neutrophils extracellular traps in coronary atherosclerosis”

佐藤 勇一郎先生が宮崎大学医学部 病理学講座 腫瘍形態病態学分野 の教授に就任されました

本講座出身で、同学医学部附属病院 病理部・病理診断科 部長を務められていた佐藤 勇一郎先生が、本日付(2024.3.1)で、同学医学部病理学講座 腫瘍形態病態学分野 の教授に就任されました。
引き続き、両病理学講座・病院病理部との連携による診療・教育の円滑な運営、並びにさらなる研究の発展につながることが期待されます。

魏助教が 日本血栓止血学会 学術奨励賞 を受賞

当講座の魏峻洸助教が、第29回(2024年度) 日本血栓止血学会 学術奨励賞 を受賞しました。
癌関連血栓症の病理病態解析を行った研究 (ATVB 2023)が評価されました
45歳以下の日本血栓止血学会会員で、血栓止血学の分野で学問の進歩に寄与する顕著な業績をあげた研究者に授与されるもので、1994年から続く伝統ある賞です。(血栓止血学会webサイト)
当講座では、5人目の受賞となります。
2024年6月に行われる第46回日本血栓止血学会学術集会で、受賞講演が行われます。

PTX3と動脈硬化の関係を明らかとした原著論文が公開されました

本講座盛口助教らと、国立循環器病研究センター、宮崎市郡医師会病院、本学循環器内科などとの共同研究の論文が国際誌であるThrombosis Resarchに掲載されました。
 
反応性タンパクの一つであるペンタラキシン3が動脈硬化の進行病変や不安定狭心症の冠動脈プラークに多く沈着していること、一方で沈着の多い動脈硬化病変の方が血管内治療後の再狭窄率が低下することを示しました。その機序として平滑筋細胞の増殖や浸潤、血小板凝集にペンタラキシン3が抑制性に作用することを明らかにした内容です。
 
以下のリンクからダウンロードいただけます(open access)
 
Otani T, Moriguchi-Goto S, Nishihira K, Oguri N, Shibata Y, Matsuura Y, Kodama T, Asada Y, Hatakeyama K, Yamashita A. Intralesional pentraxin 3 increases with atherosclerotic disease progression, but may protect from thrombosis: Friend or foe? Thromb Res. 2024 Jan 9;234:134-141. doi: 10.1016/j.thromres.2024.01.004.

第69回日本病理学会秋期総会で発表しました

2023年11月9日 (木), 10日 (金)に、久留米で行われた69回日本病理学会秋期特別総会で、以下のように発表、教育講演、オーガナイザーを行いました。

・ポスターセッション
 発表者:盛口 淸香
「Trisomy 8陽性骨髄異形成症候群に合併したBehcet病類似腸疾患の一例」

・コンパニオンミーティング(第14回妊産婦死亡症例病理カンファレンス)
 オーガナイザー:阿萬 紫
 教育講演:山下 篤「羊水塞栓症:病理所見から病態の再考」