大栗研究員がYoung investigator awardを受賞

The 5th Japan-China Joint Rabbit Bioscience Forum (2025.7.11-13, Hokkaido University)で、大栗研究員がYoung investigator award を受賞しました。
大栗先生、おめでとうございます。

発表演題:
Oguri N. (Oral presentation): “Factor XI localization in human venous thrombus and function of activated factor XI on venous thrombus formation and hemostasis in rabbit.”

受賞した研究内容については、過去の投稿をご覧ください。

日本ウサギバイオサイエンス研究会・日中合同ウサギバイオサイエンスフォーラムで研究発表を行いました

第7回日本ウサギバイオサイエンス研究会・第5回日中合同ウサギバイオサイエンスフォーラム(2025.7.11-13, 北海道大学薬学部)が開催されました。当講座の大栗研究員、山下教授が研究発表を行いました。

  • 第7回日本ウサギバイオサイエンス研究会
    山下 篤(口演)「血液凝固VIII因子の増加はプラークびらんによる血栓形成を促進する:ウサギ内膜肥厚びらんモデルによる検討」

  • The 5th Japan-China Joint Rabbit Bioscience Forum
    Oguri N. (Oral presentation): “Factor XI localization in human venous thrombus and function of activated factor XI on venous thrombus formation and hemostasis in rabbit.”

第57回日本動脈硬化学会で研究発表を行いました


第57回日本動脈硬化学会総会・学術集会(2025.7.5-6, つくば国際会議場)で、シンポジウム発表ならびに研究発表が行われました。当日は、活発な議論が行われました。

1. シンポジウム:血管壁の病理〜免疫、微小循環、脂肪組織など
 山下 篤 「粥状動脈硬化血管の病理と血栓」

2. 一般演題(ポスター発表)
中村 恵理子ら「大動脈動脈硬化巣や大動脈瘤におけるピルビン酸キナーゼ2とセリンデヒトラターゼの発現と分布」

人事異動のご報告

2025年6月付で、人事異動がありました。
新しい勤務地での益々のご活躍を祈念いたします。

大栗 伸行
宮崎大学医学部附属病院 病理診断科→宮崎県立宮崎病院 病理診断科に就任
(当講座には、プロジェクト研究員として引き続き在籍)

前川 和也
宮崎県立宮崎病院 病理診断科→宮崎大学医学部附属病院 病理診断科に就任

Vascular discovery 2025 で研究発表を行いました

当講座の中村医師らが、米国で開催されたVascular discovery 2025で研究発表を行いました。
現地では、活発な議論・意見交換が行われました。
Nakamura E, et al. Up-regulation of pyruvate kinase muscle 2 and serine dehydratase in human aortic atherosclerosis and aneurysm.  (Poster presentation, Vascular discovery 2025, Baltimore, Maryland, USA, April 22–25, 2025).  

病理学会総会で発表を行いました

当講座の阿萬助教らが、第114回日本病理学会総会(仙台国際センター, 2025.4.17-19)で、症例報告を行いました。現地では、活発な議論が行われました。

● 阿萬紫ら. 多数の熊蜂刺傷による皮膚壊死・横紋筋融解症・びまん性肺胞障害を来した1剖検例.
(ポスター発表, 第114回日本病理学会総会, 仙台国際センター, 2025.4.17-19)

凝固XI因子の局在と作用に関する原著論文が掲載されました

血液凝固因子XI(FXI)は、凝固作用を有しながらも、止血には大きく関与しないと考えられています。従来、抗凝固薬は副作用として出血リスクが問題となりますが、FXIは、副作用の少ない新規抗凝固薬の標的として期待されています。
当講座の大栗大学院生らは、FXIの深部静脈血栓症(DVT)の病態形成に果たす役割を明らかにするため、剖検例のヒトDVT検体の組織学的解析を行い、さらに活性化FXI(FXIa)阻害薬および活性化血液凝固X因子(FXa)阻害薬の血栓形成と止血における機能を明らかにするため、家兎の血栓・出血モデルおよびヒトおよび家兎の全血を用いたin vitro(フローチャンバー)システムで評価しました。

●ヒトDVTにおけるFXIの局在
 深部静脈血栓は新鮮部、細胞溶解部、器質化部の異なる時相の血栓成分が種々の割合で混在していました。FXIはすべての血栓に存在しており、主としてフィブリンに一致して局在し、特に非器質化領域に多く分布していました。電子顕微鏡解析では、FXIがフィブリン様メッシュ構造に集積している様子も確認されました。

●動物モデルにおける低分子化合物のFXIa阻害薬(ONO-1600586)の効果およびFXa阻害薬との比較
 FXIa阻害薬は、家兎の頸部静脈血栓モデルにおいて血栓形成を抑制させ、大腿動脈出血モデルにおいて出血時間および出血量には影響を与えないという特異なプロファイルを示しました。一方で、従来のFXa阻害薬(リバーロキサバン)は血栓形成を抑制しつつも、出血傾向を有意に増加させました。

●フローチャンバーによるフィブリン形成の違い
 低ずり速度下におけるフローチャンバーシステムでは家兎およびヒトの全血でフィブリン形成の減少や還流後のプロトロンビンフラグメントf1+2の減少がみられましたが、FXa阻害薬の効果がより強く、低ずり速度下におけるトロンビン産生やフィブリン形成への関与の違いが影響している可能性があります。

本研究により、ヒトDVTにおけるFXIの存在と病態生理学的意義が示唆されました。加えて、FXIa阻害薬は血栓形成抑制と出血リスク低減を両立し得る新規抗凝固療法として、臨床応用への大きな可能性を有することが示されました。

掲載論文・リンクは以下の通りです。(Open accessであり、どなたでも閲覧・ダウンロードできます)

Oguri N, Gi T, Nakamura E, Maekawa K, Furukoji E, Okawa H, Kouyama S, Horiuchi S, Sawaguchi A, Sakae T, Azuma M, Asada Y, Yamashita A. Factor XI localization in human deep venous thrombus and function of activated factor XI on venous thrombus formation and hemostasis. Res Pract Thromb Haemost. 2025;9:102720. https://doi.org/10.1016/j.rpth.2025.102720