当講座の山下教授らが執筆した、血栓性疾患の病態・病理組織学的な血栓組成についての総説が掲載されました。病理組織学的観点で、血栓性疾患を横断的に論じた総説は極めて少なく、重要な知見と考えられます。当講座から、世界に先駆けて報告したがん関連血栓症、羊水塞栓症の病理病態についても詳細に紹介していますので、ぜひご一読ください。
(Open access であり、どなたでも下記リンクよりご覧いただけます)
Yamashita A, Gi T, Sato Y. Histological differences among thrombi in thrombotic diseases. Curr Opin Hematol. 2025. Advance online publication. https://doi.org/10.1097/MOH.0000000000000860
Author Archives: pathophysiology
Case report: Tracheal pleomorphic adenoma
県立宮崎病院病理診断科/当講座研究員の前川先生が共著である、症例報告が掲載されました。
高度な気道閉塞を伴った気管発生の多型腺腫の症例です。
症候性の気管閉塞性多型腺腫に対し、Intervensionにより摘除し得た症例であり、貴重な症例集積と思われます。
Kushima N, Himeji D, Yanagihara T, Maekawa K, Marutsuka K. Tracheal pleomorphic adenoma with severe airway obstruction. Cureus 16(12): e76341. doi:10.7759/cureus.76341
(Open access であり、どなたでもご覧いただけます)
教授よりご挨拶を掲載しました
山下篤教授のご挨拶を新規追加いたしました。
2024年の業績を投稿しました
2024年の業績を投稿しました。
閲覧はこちらのリンクからどうぞ。
血管病理研究会で研究発表を行いました
症例報告:Mesothelial/monocytic incidental cardiac excrescence
当講座の黒木麻由医員らが、僧帽弁形成術に関連した左室mesothelial/monocytic incidental cardiac excrescence (MICE) について症例報告を行いました。MICEは、開心術などで偶発的に発見される組織球・中皮細胞・フィブリンで構成される凝集塊病変であり、その組織像や発症機序の考察を、免疫組織化学、免疫蛍光化学を用いて詳細に報告したものです。
組織像からその発生機序を詳細に考察した報告は少なく、重要な知見集積であると考えられます。
本症例の要旨は、黒木医員が第396回九州・沖縄スライドカンファレンスで発表しました。
*病理学会員は、メディカルオンラインから無料で閲覧可能です。
黒木麻由 他. 僧帽弁形成術に関連した左室mesothelial/monocytic incidental cardiac excrescenceの一例. 診断病理. 2024;42:343-348.
魏助教の総説が日本血栓止血学会誌に掲載されました
2024年度日本血栓止血学会 学術奨励賞を当講座魏助教が受賞し、その受賞研究内容をまとめた総説が、日本血栓止血学会誌に掲載されました。
魏 峻洸. がん関連静脈血栓塞栓における血栓内がん細胞の存在. 日本血栓止血学会誌. 2024;35:512-521.
https://doi.org/10.2491/jjsth.35.512
(J-STAGE によるopen access 誌であり、どなたでも閲覧可能です)
第56回日本動脈硬化学会総会・学術集会で研究発表を行いました
浅田名誉教授が第56回日本動脈硬化学会総会・学術集会で大島賞を受賞されました
浅田祐士郎 名誉教授(現宮崎市郡医師会病院病理診断科部長)が、第41回大島賞を受賞され、第56回日本動脈硬化学会総会・学術集会 (2024.7.6-7, 神戸) で受賞講演をされました。
大島賞は、永年にわたって動脈硬化に関する秀れた研究を行い、かつ日本動脈硬化学会の発展に特に功績のあった会員に授与される賞です。心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の発症機序を明らかにした一連の研究、並びに学会理事や学会誌であるJournal of Atherosclerosis and Thrombosisの編集長などを歴任した学会発展への貢献が評価されました。
当講座では、住吉 昭信 名誉教授 に続き、2人目の受賞となります。
当講座での一貫した動脈硬化・血栓症に対する研究が評価された結果であり、講座スタッフ一同、これより更なる研究発展に邁進していく所存です。
浅田祐士郎. 第41回大島賞 受賞講演
”動脈硬化と血栓症:アテローム血栓症における血栓形成機序”
静脈血栓組織におけるFibroblast activation protein α の発現を明らかとした原著論文が公開されました
当講座 大栗先生らの、DVT患者より吸引された静脈血栓を用いた研究成果が、Thrombosis Research に掲載されました。
本研究では、静脈血栓は経時的な変化とともに、反復性に新鮮血栓が形成されていること、血栓の線維芽細胞にFibroblast activation protein α (FAP)が発現していることを明らかとしました。
従来、FAPは癌周囲間質に発現することは知られていましたが、静脈血栓にFAPが発現していることを、病理組織学的に世界で初めて明らかとした研究成果です。
今後、静脈血栓の器質化過程における役割や、Imaging の標的としての研究・診断応用が期待されます。
(Open access であり、以下のリンクからご覧いただけます)
Oguri N, Gi T, Nakamura E, Furukoji E, Goto H, Maekawa K, Tsuji AB, Nishii R, Aman M, Moriguchi-Goto S, Sakae T, Azuma M, Yamashita A.
Expression of fibroblast activation protein-α in human deep vein thrombosis.
Thromb Res. 2024 Jun 25;241:109075. doi: 10.1016/j.thromres.2024.109075. Epub ahead of print.