看護師長 河崎千穂
2階東病棟は,48床の整形外科病棟です。今回は,整形外科病棟の患者さんの看護についてご紹介します。整形外科病棟には,運動器(関節,骨,筋肉,腱,靱帯や神経)疾患や外傷の患者さんが多く入院されています。入院生活を送る上で,日常生活動作(ADL)の援助を必要とされる患者さんが殆どであるため,外来看護師と連携し,患者さん個々の医療情報を共有しながら,患者さんのニーズに合わせた看護ケアを行っています。また,受け持ち看護師が入院時に患者さんやご家族と面談し,入院生活における心配事等の確認を行っています。
実際の入院生活において,ベッド上で寝返りができない患者さん,ご自分でトイレに移動することができない患者さん,看護師を呼びたい時に指や手を使ってナースコールを押すことができない患者さんなど様々な状況の方がいらっしゃいます。そのため,私たちは以下の“2つ”について特に力を入れて取り組んでいます。一つ目は,私たち看護師は,いつでも,『ナースコールが鳴る前に患者さんの傍へ』をモットーに,ベッドサイドでケアの充実を図っています。二つ目は,患者さんが病状や状況に合わせてナースコールを押せるようにベッドサイド環境を整え,安全な療養環境を提供することです。
近年,高齢で合併症を持ちながら,手術を受ける患者さんが多くなっています。そのため,受持ち看護師が中心となり,入院時から医師やソーシャルワーカー,地域医療連携室や緩和ケアチームなど多職種と連携してケアの充実を図り,患者さんが安心して療養生活を送れるように,そして,また,大学病院での治療が終了し,安心して次の施設へ転院されたり,退院できるように支援を行っています。
看護師は,24時間365日患者さんのベッドサイドにいるため,チーム全員で患者さんの術後や状況の変化に迅速に対応できるように,看護体制を見直し,看護ケアに必要な用具の工夫にも取り組んでいます。
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地域医療連携室のスタッフや主治医との合同カンファレンスの様子 | 患者さんに笑顔で 対応している光景 |
![]() 発明者とモデルは,2階東病棟の看護師スタッフです |
肩関節鏡視下手術では,術後に患部の炎症や腫脹を軽減する目的で冷却療法(術直後~翌朝まで)を行っています。冷却パッドの本体を患部に密着させるためには,以前は肩関節を包みこむように弾性包帯を巻いていましたが,この方法では,術直後に患者さんの上体を起こした状態で包帯を巻くことにより圧迫感や苦痛が生じていました。そのため,冷却療法に適した固定バンドを看護師が独自に開発し,その効果を検証しました。その結果,作製した固定バンドを使用することで,冷却パッドの装着や創部の観察が容易にできるようになり,良肢位を保持した状態で冷却療法が継続できるようになりました。また,固定バンドによる圧迫感やずれは,すぐに取り除くことが可能となり,患者さんの苦痛を最小限に取り除くことができました。患者さんからは「体を動かしてもズレないので安心感があった」等の意見が得られています 発明の名称『肩関節の冷却体固定具』 |
私たちは,今後も患者さんの気持ちに寄り添いながらメディカルスタッフと協力し,チーム医療を発揮して,地域住民から信頼される病棟づくりを行っていきたいと思います。
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![]() 患者さんを毎日・毎回励ましながら、 リハビリ訓練を実施しています |
![]() 術後ベッドは私たちに 任せて! |
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![]() クラークさんと気持ち良く連携をとっています |
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受賞作品「あきらめない看護~気持ちをひとつに~」 私たちは、平成25年度気づきの看護実践・質改善委員会 企画の看護エピソードに応募して「特別賞」を受賞しました! ![]() |
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