宮崎大学大学院看護学科 助産学専攻研究室

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実践看護者育成コース

実践助産学領域:助産師免許を取得するためのコース

58単位以上を取得し、必要な研究指導を受けて修士論文審査および最終試験に合格することが修了要件になっています。修了時には、修士(看護学)の学位のほか、新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了認定資格、受胎調節実地指導員申請資格が取得できます。
下の写真は、新生児蘇生法の講習会時の様子です。

教育内容

切れ目のない包括的な支援を行う助産実践力を養う教育

2016年の母子保健法および児童福祉法により、「子育て世代包括支援センター」が法定化され,全国展開が進められており、保健・医療・福祉、地域社会などのあらゆる場において助産ケアが提供できる助産師の育成が求められています。切れ目のない包括的な支援を行う助産実践力を養う教育は模索中ですが、本学では現行の科目の中で、以下の点を強化しながら教育しています。

中山間地域の母子保健センターにおける地域母子保健実習

実践助産学領域の学生は、学部卒業後にストレートで進学する場合が多く、妊産婦さんの生活を想像するのが難しい実態があるため、健診、教室、家庭訪問等で妊産婦さんと触れ合う時間をできるだけ多く作っています。実習している母子保健センターでは、保健師と助産師等が地域の状況を良く把握しており、母子保健事業を通して福祉の視点も含めた包括的なケアを提供しています。学生には、実習での母子やその家族とのかかわりを介して、母子保健と一緒に子育て支援を行う目的を理解し、「ネウボラ」のようなワンストップの窓口があることの意義や継続してつながることの大切さについて考える機会となることを期待しています。

地域の健康課題を分析する演習:「子育てプラン」の策定

「地域・国際母子保健論」では、宮崎市の「まちなか活性化室」の職員および本学の地域看護学の教員と協働しながら、妊産婦に焦点を当てた地区の潜在的・顕在的な健康課題を明確にし、アクションプランを作成しています。具体的には、市街地区域の地区踏査を行い、既存データから得た情報と実際に活動を通して得られた情報を整理し、自分たちの街の特徴や課題を明確化できる力を養っています。

実習

宮崎県は、宮崎大学医学部附属病院を総合周産期医療センターとした地域分散型の周産期医療体制が構築され、周産期死亡率や乳児死亡率等が全国でもトップレベルの高い水準を維持しています。一次医療から三次医療の役割分担が確立されているため、実習科目の目標に応じて、県内3か所の医療施設で実習を行っています。2か所の助産所では、安全で満足できる出産、母乳育児のスムーズな出発を支えるケア、「子育てはこれでいいんだ」と自信をつけて家に帰ことができるような産後ケア等を学んでいます。

継続実習

母体搬送を受け入れる三次医療施設である宮崎大学医学部附属病院で行います。ハイリスク妊産婦の妊娠・分娩管理を行いながら、助産師と医師との協働、チーム医療における助産師の役割について学びます。また、医療を受ける中で受け身になりがちな妊産婦や家族の主体性を引き出すかかわりや心理的ケアを学ぶ機会となっています。

高度助産実習

いわゆる分娩介助の実習で、ローリスクの妊娠・出産を取り扱う一次医療施設で実習を行っています。実習施設の助産師は臨床実践能力が高く、専門性を発揮しながら助産師業務を行っているため、ローリスクの妊産婦が異常に移行しないように助産診断に基づいたケアが提供されています。助産師教育卒業時の分娩期ケア能力の中で、到達度が低い項目である「分娩進行に伴う異常発生を予測し、予防的に行動する」ことを学べる貴重な機会になっています。

実践助産学実習Ⅰ

異文化での学びを基に、日本や宮崎県の母子保健および周産期医療について考える機会とするために、1年次にタイ国のプリンス・オブ・ソンクラ(PSU)大学附属病院および周産期関連施設で実習を行います。また、学際的思考と国際的視野から研究成果を世界に向けて発信する、という本学の教育理念を踏まえて、学生の助産学研究についてPSUの教員らとディスカッションを行い、研究の課題を明確にする機会としています。