2014年度の研究テーマ一覧
薬物の作用に与える膜輸送蛋白質の生理的および病態生理的影響に関する研究
薬物の作用および副作用は、その作用部位における薬物濃度によって左右される。この作用部位における薬物濃度の違いに関与する重要な要因に薬物の吸収および代謝過程がある。薬物は消化管から吸収され、肝臓によって代謝されるが、この過程で重要な役割を担っている蛋白質の一つに膜輸送蛋白質が存在する。この膜輸送蛋白質は、取り込み系および排出系に大別され、その量的あるいは質的変化によって薬物の吸収および代謝に影響を与え、結果的に薬物の作用および副作用を左右する蛋白質である。
本研究は、この薬物の作用発現において大変重要な膜輸送蛋白質発現の生理的および病態生理的な変化のメカニズムとそのメカニズムに関与する生体内因性物質を明らかにし、分子生物学的手法による疾患の治療法の開発と、それらのメカニズムおよび生体内因性物質を制御することにより、薬物の作用をより少量で発現させ、副作用を最小限に抑える方法を確立することを目的とするものである。
主な研究者: 奥村 学、岩切 智美