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医薬品情報室

 

薬品情報室では、薬についての様々な情報を収集・評価し、医師や看護師、その他の医療従事者、そして患者さんへその情報の提供を行っています。高度情報化時代と言われ、薬についても情報が氾濫している今、有効にそして安全に薬を使用するために、この薬品情報室での仕事は今後ますます重要になっていくと考えられます。

具体的な業務内容

  1. 医師をはじめとする医療従事者からの医薬品に関する質疑に対する回答
  2. Pharmacy periodical等による院内への定期的な医薬品情報提供
  3. 電子カルテオーダリングシステム、及び支援システムにおける医薬品情報の提供、メンテナンス(医薬品添付文書情報、相互作用チェック等)
  4. 上記に対し、迅速かつ正確に対応できるよう、情報の収集・整理・評価

調剤室・薬品管理室

 

調剤室・薬品管理室は、主に入院・外来患者さんの内服薬、外用薬、注射薬の院内処方の調剤と約1700品目の医薬品(抗がん剤、毒薬、麻薬、生物学的由来製品等を含む)の管理(院内の配置薬も含む)、製剤請求(処置等で使用する医薬品の払い出し)の3つの業務を行っています。 調剤業務では、医薬品の用法、用量、適応、相互作用、薬効薬理、安定性等の確認を基本として薬学的観点から調剤を行います。その際は、電子カルテから、患者さんの病歴、アレルギー歴、検査値(生化、血算、細菌培養等)、バイタル、他職種の記録(文書や画像)、TDM等の情報収集をリアルタイムで行い、処方箋を多角的に解析しながら安全な医薬品の交付に努めています。処方内容に疑問点や問題点がある場合は、直接医師に確認を行います。また、平成24年10月より開始しました病棟薬剤業務、それと同時期に導入しました持参薬管理システムを活用し、医薬品調剤管理室と病棟薬剤師との連携、患者さんの入院前の処方内容の把握を強化し、患者さんを中心としたチーム医療の促進と安全で良質な医療の実践に取り組んでいます。 医薬品の管理、製剤請求業務においては、医薬品SPDの導入を検討中であり、物流と情報の一元管理を目指しながら、より良質な医薬品の管理と交付を目標に取り組んでいます。

業務支援システム

電子カルテ、処方オーダリングシステム、散剤監査システム、水剤監査システム、物流管理システム

調剤支援機器

全自動錠剤分包器、全自動分割分包機、注射薬自動払出装置、麻薬管理システム(電子帳簿)、なんこう練太郎NRJ-250

医薬品管理支援

医薬品SPD

製剤室

製剤室では主に「1.院内製剤の調整」、「2.注射薬(剤)の混合」、「3.外来化学療法室での業務」を行っています。

1.院内製剤の調製

院内製剤とは、疾患の特殊(稀少)性とその程度、臨床研究、包装単位等の理由により市販されていないか、あるいは市販品によって十分にその目的を達成できない場合に限り、院内で調製する製剤です。院内製剤はその性格から一般製剤特殊製剤に分けられます。


一般製剤

製剤の構成成分が製造承認を得て市販品として国内で供給しているものを、濃度、含有量など汎用性に即した製剤として、予め準備しておく製剤です。必要に応じて供給を行っています。 


特殊製剤

国内で製造販売が認可されていない海外承認医薬品および基礎研究や臨床研究においてその有効性、安全性が検討された薬品等で、特殊性のあるものに関し、原則的に1患者1調製として調製する製剤です。


新規に製剤化を依頼する医師は、他に取り得る治療法の検索の結果、臨床において最大の治療効果を期待できる療法であるとするエビデンスを基に必要性を示し、依頼を受けた薬剤師は、臨床使用における薬理作用、副作用、毒性、倫理性(依頼内容によっては倫理委員会での審議も必要)の観点からその妥当性を検討した後、製剤を調製します。また、医師は患者様に対し治療への製剤使用についての承諾を得るため、インフォームドコンセントをとる必要があります。

2.注射薬(剤)の混合調製

一部病棟における高カロリー輸液製剤(TPN)と病棟および外来における抗悪性腫瘍剤の混合調製を行っています。


高カロリー輸液製剤(TPN)

二種類以上の注射薬を混合する事により生ずる配合変化や力価低下などを薬学的に解析し、安全性および有効性を確保しています。また、輸液への微生物汚染を防止するために、無菌室内のクリーンベンチで調製しています。


抗悪性腫瘍剤

適正使用および医療事故防止のため、事前に依頼診療科からのプロトコール申請書および患者ごとのプロトコールシートの提出が必要です。薬剤師は提出書類を基に、処方内容を解析し、配合変化や力価低下はもとより薬剤の投与量、投与経路、投与速度、休薬期間が適正かどうかを確認し、化学療法がより安全に行われよう支援しています。また、抗悪性腫瘍剤による汚染防止のため、特設ブース内のバイオハザード対応クリーンベンチで調製しています。

3.外来化学療法室での業務

現在、専任の薬剤師が外来化学療法室に常駐し外来化学療法室で治療を受けられる患者さんに対して薬剤の投与スケジュールや注意事項の説明、有害事象の観察、薬物相互作用の確認を通して処方提案を行なう等、円滑な外来治療の継続に貢献しています。 また、当院で使用する化学療法のレジメン(治療計画)の作成にも主体的に関与し、安全な治療を行う役割を担っています。 現在、新しい薬剤が次々に登場し、その有害事象も多様化する中で薬剤師の役割も大きく変化しています。医師や看護師といった他職種との連携を図り、患者さんのQOLの向上を目指すと共に、安全に治療が受けられるよう日々業務に取り組んでいます。

薬物動態解析室

薬物動態解析室では、それぞれの患者さんに応じた安全かつ有効な薬物治療を行うために、血液中の薬物濃度を測定し、投与設計を行っています。 一般的に薬の効果・副作用には個人差があることが知られています。その判断の指標として、薬物血中濃度が使用されることがあります。薬物血中濃度の測定はすべての薬物に行うものではなく、治療域の狭い薬物や血中濃度に相関して重篤な副作用を引き起こす薬物が対象です。このような薬物では血中濃度を参考に、それぞれの患者さんに適した投与量や投与スケジュールを決めなければなりません。薬物間相互作用や薬物動態などを考慮し、安全かつ有効な薬物治療が行えるように担当医師や看護師へ情報提供を行っています。このような業務は治療薬物モニタリング(TDM;Therapeutic Drug Monitoring)と呼ばれており、薬物治療をサポートする上で非常に重要です。 その他、抗MRSA薬に関して感染制御部や病棟薬剤師と連携し、初期投与設計の段階からTDMを行うことも業務の1つです。抗菌薬の適正使用および院内感染対策に貢献することで、患者さんのQOLの向上に努めています。

血中濃度院内測定の対象薬剤

  • 抗てんかん薬:フェノバルビタール、フェニトイン、バルプロ酸、カルバマゼピン
  • 免疫抑制剤:シクロスポリン、タクロリムス
  • 抗MRSA薬:バンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシン
  • アミノグリコシド系抗生物質:ゲンタマイシン
  • 葉酸代謝拮抗剤:メトトレキサート
  • 強心配糖体:ジゴキシン
  • キサンチン系気管支拡張剤:テオフィリン

測定機器

  • ARCHITECT® アナライザー i1000SR(Abbott Japan)
  • TDx FLx(Abbott Japan)
  • Viva-Eシステム(SIEMENS)

薬剤管理指導・病棟薬剤業務

当院では、各病棟に設置された病棟薬剤師室に専任の薬剤師が常駐し、以下の業務を行なっています。

  • 持参薬の確認とその評価に基づく処方設計と提案
  • 患者状況の把握(相互作用の有無の確認、副作用モニタリングなど)
  • 医薬品の情報収集と医師への情報提供等
  • 多職種、他院との連携(カンファレンスの参加、退院指導など)
  • 当該病棟における医薬品の適正な保管・管理

薬学の専門性を活かし、他職種と連携しながら患者さんへ良質な薬物療法が提供できるよう努めています。

薬剤師は病棟業務を通じて効率的かつ安全な薬物療法が行われるよう努めています。 飲み薬や注射薬、目薬、塗り薬など入院患者さんに処方されている全ての薬について、薬剤師がチェックします。薬が効いているのか、使い方は適切か、血液検査などのデータをもとに副作用が出ていないかなど、あらゆる角度から患者さんに接しています。そして、実際に患者さんのベッドサイドに伺い、患者さんの薬に対する不安や疑問をなくし、安心して服薬して頂けるよう、薬の効果・飲み方・副作用・相互作用・注意事項などについてお話します。

薬務室

薬務室では、医薬品の採用・運用・使用に関わる庶務的業務を通して、院内における医薬品の適正使用、適正管理に努めています。院内の採用薬は、薬剤部長を委員長とした薬事委員会により採択されます。薬務室ではこの薬事委員会の企画・運営を行っています。また、多数の医薬品が存在し、医療も多様化していく中、多方面からの情報を収集・整理し薬剤業務へ反映させていくことが必要不可欠であり、医薬品情報室と連携した院内での運用周知を行っています。 その他、各種統計・調査の回答や、薬学部学生の実習計画及びマネージメント、薬剤部と院内各部署との連絡調整なども行い、適切で迅速な情報管理・発信に努めています。

臨床研究支援センター 治験部門

治験部門では患者さんが治験に参加するための様々なサポートを行っています。 治験とは、医薬品や医療機器の製造・販売承認を得るために一般の方にご協力をいただいて実施する臨床試験のことです。治験部門は多職種のスタッフで構成されており、それぞれの専門性を活かし日々の業務に取り組んでいます。当院では薬剤師と看護師が治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)として業務を行っています。 CRCは患者さんが安心して治験に参加いただけるように多方面からサポートをしています。また治験依頼者(製薬会社)、医師・看護師・検査技師などの医療者、契約や会計担当の事務などとの協力が必須であり、安全かつ円滑に治験を遂行できるよう連携を取っています。他職種との打ち合わせや、患者さんへの問診の実施、また診察への立会いなど通常の薬剤師業務とは異なることを行う事も多い部署です。薬剤師のみが行う業務としては、治験薬管理・治験薬調剤・併用薬確認・相互作用確認などがあります。


詳細については、臨床研究支援センター治験部門のホームページをご覧ください。

宮崎大学医学部附属病院 臨床研究支援センター 治験部門

宮崎市立田野病院

 

 

当病院は昭和23年に田野村直営診療所として開設。その後、昭和28年田野町立国民健康保険病院、平成18年宮崎市立田野病院として、田野地域を中心に医療及び健康増進、介護事業を提供してきました。

平成27年4月より指定管理者として国立大学法人宮崎大学が宮崎市立田野病院の運営を開始し、現在に至っております。

当院の特色としましては、同じ敷地内に介護療養型老人保健施設が併設されており、退院後も生活機能の維持・向上を目指して総合的に支援できることと考えています。高齢者の多い地区において、家族や地域の人々と協力し医療・介護の連携を視野に入れ、適切な薬物療法を提供することでこれからの高齢者医療を支援し、地域医療の拠点となるよう努めたいと思います。

〒889-1692
宮崎県宮崎市清武町木原5200番地
TEL:0985-85-1512
FAX:0985-84-3361

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