2025年11月15日 宮崎大学医学部学園祭にてすずかけ太鼓部が演奏を披露しました。私はその顧問を務めています。
すずかけ太鼓部の活躍をご披露します。まずは今年すずかけ太鼓部を卒業する方々への花束贈呈後の写真です。今年の卒業生には大変助けられました。4年間すずかけ太鼓に青春をかけて、たたき続けてこられた卒業生本当にお疲れ様でした!

本日の演奏が力強く叩けたのも4年生のお陰です!これまでありがとうございました!また、音楽祭や、学際見に来て下さいね!社会に出ても頑張って下さい!

今まで先輩方どうもありがとうござました。今度は私たちが伝統を引き継いで、頑張っていきますね!任せてください!


大地メンバーのリーダ―は前から2列目中央の看護学科4年大吉真穂さんです。真穂さんはうちの子供と同じ名前(桂木真歩 高2)ですぐに名前を覚えた学生の一人です。本当に大地を良くまとめてくれました。4年間お疲れ様でした。今後は良き看護師として頑張って下さいね。



ウブスナのリーダーは医学科5年生永原智実さんです。前列真ん中。永原さんは2021年2月に私が宮崎大学産婦人科教授として赴任してきた年の4月に宮崎大学医学部に入学され、以後すずかけ太鼓を引っ張ってきたリーダーの一人です。すずかけ太鼓の元気印の一人です。



顧問からのメッセージ
すずかけ太鼓部顧問挨拶 宮崎大学医学部附属病院産婦人科 桂木真司
すずかけ太鼓の皆さんのチームワークは、いつも本当に素晴らしいと感じています。
一つの音楽を作り上げる中で、皆さんの結束力や若い力が力強く伝わってきます。
では、“宮崎大学らしい結束力”とは何でしょうか。日頃、私が感じていることを少し書いてみたいと思います。
■ 曲づくりとチームワーク
太鼓の曲を仕上げるためには、まず個々の練習が欠かせません。多くの部員は初心者からのスタートだと思いますが、自分のパートを最初から最後まで通して叩けるように、強弱やリズムを意識しながら基礎を積み上げていることでしょう。
次に、同じパートの仲間との調和を図り、ズレなく息を合わせることが次の大きな目標になります。そして最終的には、曲全体の中で自分のパートがどのような役割を担っているのか考え、その曲が持つメッセージを観客にしっかり届けることを意識しているのではないでしょうか。
こうした積み重ねこそ、皆さんが将来、医療者や社会人になったときに必ず役に立つ力だと思います。
■ 私の仕事と“チームでつくる力”
私は産婦人科医、特に周産期医療を専門としています。分娩や帝王切開、複雑な合併症を持つ妊婦さんの管理まで、チームで議論しながら最適な医療を提供することが役割です。診療科長として全体の責任を担い、患者さんがより良い結末を迎えられるように、医局員や学生を指導し、研究もリードしています。
すずかけ太鼓の皆さんも、こうした「自分の役割を意識してチームに貢献する姿勢」を日々の練習の中で自然に身につけているのだと思います。年度が変わるとメンバーが入れ替わり、曲の雰囲気や完成度も少しずつ変化するでしょう。その中で、限られた環境や配置の中でベストを尽くし、意見を出し合い、互いを高め合っている姿勢は、まさに“プロのチーム”の姿そのものです。
■ コロナ禍で再認識した「医療の原点」
私が産婦人科教授として宮崎大学に赴任したのは2021年2月、コロナ禍の真っ只中でした。その年、現在5年生の宮本康靖君たちがすずかけ太鼓に入部したのも同じ時期です。
当時は医療予算も厳しい状況でしたが、私は「患者さんとの一期一会を大切にしたい」という思いから、産婦人科外来のリニューアルを目指し、クラウドファンディングを立ち上げました。
外来を訪れる妊婦さんが、少しでもリラックスし、自宅のようにくつろげる空間をつくりたい——その思いに、多くの患者さんが賛同してくださり、
- 前回のお産でお世話になった
- NICUで子どもを助けていただいた
- 婦人科手術の際に支えてもらった
- 中絶となったが、今後も良い医療を提供してほしい
など、心のこもった応援のメッセージを多数いただきました。
最終的に721万円ものご寄付をいただき、外来の椅子、授乳室、そして経腹・経腟エコー用のモニター7台を整備することができました。
さらに2025年11月には新生児室の改修も完成し、より良い環境で患者さんを迎えられる体制が整いました。
医療者として「求められる医療とは何か」を、患者さんから改めて教えていただいた出来事でした。
■ “自分たちのため”ではなく“誰かの心に届く演奏”を
すずかけ太鼓の皆さんも、きっと「自分たちのために叩く太鼓」ではなく、“聴く人の心を打つ演奏”をめざしていることでしょう。その姿勢こそ、冒頭に述べたようなチーム力の源だと感じています。
入部のきっかけはそれぞれ違うと思いますが、仲間と共に一つの曲を作り上げる経験は、人生の宝物になるはずです。青春のこの時期に、同世代と協力しながら理想を追いかける日々は、何よりの成長の場です。
どうかこれからも、仲間と共に音を重ね、すばらしい演奏を届けてください。



