令和3年5月1日付けで、宮崎大学医学部内科学講座循環器・腎臓内科学分野教授を拝命致しました海北幸一と申します。前職であります熊本大学循環器内科在職中、および今回の赴任に際しまして、多くの先生方に大変お世話になりました。この場をお借りしまして改めて御礼申し上げます。
宮崎大学医学部は、昭和49年に設立された宮崎医科大学が前身であり、平成13年に看護学科が併設され、平成15年10月に旧宮崎大学と統合して宮崎大学医学部医学科および看護学科となりました。統合後の新生宮崎大学のスローガンである「世界を視野に地域から始めよう」のもと、教育体制の充実、及び地域医療に貢献できる人材の育成、そして広く世界に通用する医療人、医学研究者の育成を目指しています。
宮崎大学内科学講座は、今回講座改変に伴い、4つの講座に分かれることになりました。以前の旧第一内科は、循環器内科・腎臓内科・消化器内科から構成されておりましたが、今回の改変に伴い消化器内科が独立し、循環器・腎臓内科学分野になりました。私の専門外の腎臓内科分野には、別に診療科長が置かれることになります。旧第一内科は、初代田仲謙次郎教授、二代目江藤胤尚教授、そして三代目北村和雄教授へと引き継がれました。北村和雄教授は、内分泌ホルモン研究の世界的な権威であり、ヒト褐色細胞腫から新しい降圧ペプチド“アドレノメデュリン”を発見されました。御退官後も宮崎大学医学部に残られ、フロンティア科学総合研究センタープロジェクト研究部門で研究を継続しておられ、講座を引き継ぐ私としましても、大変心強く感じております。
当循環器・腎臓内科学分野の医局員の臨床能力のポテンシャルは高く、今後、当科の実績を延ばすことが十分可能と実感しておりますが、他大学と比べますとマンパワーが不足しています。まずは、学内の医学部生が宮崎にとどまれるような教室内の環境を構築すべく、人員確保に注力していきたいと思います。また、高度な医学知識・技量と暖かな心を持った臨床医、そして医療と医学の進歩に貢献できる優秀な研究者を育成することで、医学の発展と地域医療の充実に貢献したいと考えます。我々と一緒に循環器、腎臓内科学の道を進んでいってくださる先生方を歓迎します。また、より良い教室内の「人材」作りのため、若手スタッフの国内、海外留学も推進し、常に新しい風が教室内に吹くような活発な講座作りに取り組んでいきたいと思います。
臨床面では、自分の専門領域の枠にとらわれず、全ての循環器および腎臓内科領域に全力を尽くし、宮崎大学循環器内科が宮崎地区における多くの治療困難な患者様の最後の砦として機能出来るよう尽力致します。さらに、周辺の基幹病院や開業医の先生方との交流を通して、地域医療に貢献することも重要と考えます。関連病院の先生方からの患者紹介を積極的に受け入れ、救急患者の受入数を増やし、適切な診断、治療の後に紹介元にお返しできる高度な診療体制と医療連携を確立し、教室の活性化と発展を図りたいと考えております。
最後になりましたが、宮崎大学循環器・腎臓内科学分野が、当該領域における宮崎の中心的役割を果たせるよう尽力して参りたいと思いますので、今後とも御指導の程宜しくお願い申し上げます。
■海北 幸一 プロフィール
宮崎大学医学部内科学講座 循環器・腎臓内科学分野教授
1991年 | 熊本大学医学部卒業 |
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1991年 | 熊本大学医学部附属病院循環器内科研修医 |
1992年 | 熊本市民病院内科 |
1992年 | 熊本赤十字病院内科 |
1993年 | 新別府病院循環器科 |
1994年 | 熊本大学大学院医学研究科入学 |
1998年 | 医学博士の学位取得(熊本大学) |
1998年 | 熊本市民病院循環器科 |
1999年 | 米国Vanderbilt大学メディカルセンター心血管部門 Research Fellow(Douglas E. Vaughan教授) |
2002年 | 熊本大学医学部病理学第二講座(現細胞病理学分野)助手 |
2004年 | 熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学助手 |
2006年 | 熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学講師 |
2007年 | 熊本大学医学部附属病院循環器内科講師 |
2008年 | 熊本大学医学部附属病院循環器内科医局長 |
2012年 | 熊本大学医学部附属病院循環器内科講師 |
2015年 | 熊本大学医学部附属病院循環器内科副科長 |
2017年 | 熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学准教授 |
2021年5月 | 宮崎大学医学部内科学講座循環器・腎臓内科学分野教授 |
2021年10月 | 宮崎大学医学部附属病院副病院長 |