教授挨拶
Top Message
宮崎大学医学部内科学講座
循環器・腎臓内科学分野
教授
海北 幸一
Kaikita Koichi
循環器および腎臓内科領域に全力を尽くす
宮崎大学医学部内科学講座循環器腎臓内科学分野のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。当分野は、2021年度、循環器・腎臓・消化器の三領域を擁した旧第一内科から消化器内科が独立し、新たに「循環器・腎臓内科学分野」として再編されました。教室運営においては、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」という武田信玄の言葉を肝に銘じ、何よりも「人」という財産を育むことに心血を注いでおり、近年、多くの新入医局員を迎えるに至っております。私は、2021年5月より、現職を拝命しておりますが、附属病院の副病院長(教育研究担当)および臨床研究支援センター長を歴任し、現在は副病院長(医療安全管理担当)として病院全体の機能強化と持続可能な運営にも尽力しています。
循環器内科領域の診療面においては、宮崎県における循環器医療の「最後の砦」として、最先端の低侵襲治療と強固な救急体制の確立を両立しております。虚血性心疾患に対する冠動脈インターベンション(PCI)では、冠動脈高度石灰化病変、慢性完全閉塞病変への高難度な手技を遂行しております。不整脈治療では、心房細動に対する、最新のパルスフィールドアブレーションの導入により、さらなる安全性と治療効率の向上を実現しております。構造的心疾患領域では、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)、経皮的僧帽弁接合不全修復術(M-TEER)、心房中隔欠損/卵円孔閉鎖術、および左心耳閉鎖術等、様々な低侵襲治療を整備しました。さらには、ペースメーカデバイスを用いた徐脈性不整脈および重症心不全治療に加え、年間8000例以上の心臓超音波検査も実施しており、全国レベルの診療体制となりました。消防署との心電図伝送システム(SCUNA)や当科専用の急患連絡体制「ハートコール」の運用も開始し、急患受け入れを充実させ、地域救急医療へ貢献しております。また、令和6年度より、脳卒中・心臓病等総合支援センターを設立しており、宮崎県全体の脳卒中・心臓病の予防、治療、管理に関する情報提供、普及啓発を促進し、宮崎県民を脳卒中・心臓病から守るべく尽力しております。腎臓内科の診療においては、急性腎障害(AKI)から慢性腎臓病(CKD)、末期腎不全に至るまで、シームレスかつ高度な医療を提供しております。各診療科からのコンサルトに即応するため、「AKI外来」を開設し、早期介入による腎予後改善に寄与しています。血液浄化療法においては、血液浄化療法部を中心に年間2000回を超える透析管理を行い、難治性血管炎や自己免疫疾患、視神経脊髄炎スペクトラム障害に対する血漿交換などのアフェレシス治療では、病院内全診療科からの厚い信頼を得ております。また、IgA腎症においては、国内で限定された施設のみが実施可能な治験を含む5件の臨床試験を同時並行で進めるなど、最先端の治療選択肢を患者様へ提示しております。さらに、「Shared Decision Making」の理念に基づき、腎代替療法選択外来を設置し、患者様とそのご家族が納得して治療を選択できる全人的な支援体制を確立いたしました。
教育面においては、「科学的探究心を持って日常診療に取り組む臨床医」の養成を至上命題として、医学生に対しては、診療参加型臨床実習を通じて、早い段階からリサーチマインドに触れる機会を提供しております。若手医師の育成では「屋根瓦方式」の複数主治医制を導入し、手厚いフィードバック体制の中で臨床技能と学術的視点を養う環境を整え、国内・海外留学も推進しており、多様な価値観と高度な専門性を備えた次世代のリーダー育成に励んでおります。
研究面では、基礎研究の成果を臨床に還元するトランスレーショナルリサーチを精力的に展開しております。独自の研究として、総合的血栓形成能評価システム(T-TAS)を用いた個別最適化医療の構築や、非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)の病態解明を推進し、国際的な学術誌へ多数の成果を発表しております。特に工学部との医工連携による「AIを用いたラジオミクス解析」では、冠動脈CT画像からPCI後のリスクを高精度に予測するモデルを開発し、プレスリリースを通じて社会へも広く発信いたしました。外部資金の獲得においても、文部科学省の「令和6年度高度医療人材養成拠点形成事業」に私が主導するプロジェクトが採択され、6年間で約2億4000万円の運営資金を確保したほか、令和8年度の文部科学省補正予算として、ハイブリッド手術室の整備を含む「大学病院機能強化推進事業」では4億5000万円の配分を受け、診療・教育・研究が一体となった高度な医療基盤を完成させつつあります。当科医局員による科学研究費獲得も合わせて、研究費用の面でも充実してきました。腎臓内科領域も、腎疾患の病態解明に向けた緻密な基礎・臨床研究を継続しております。特に、ポドサイトに着目した尿中遺伝子解析や病理組織の定量的評価に関する研究は、欧州腎臓学会や米国腎臓学会で高く評価され、一流の国際学術誌に掲載されております。また、糖尿病モデルラットを用いた腎保護作用の解明や、AIアプリケーションを搭載した新型電子聴診器によるシャント音管理の有用性評価など、独創的な視点からの研究も進行しております。特定健診データを用いた「J-SHC study」や「腎臓病総合レジストリー(J-KDR/J-RBR)」の解析を通じ、エビデンスの創出にも力を注いでおります。
最後に、当分野では育休後の復帰支援や、女性医師がライフイベントを経ながら学位を取得できる環境整備など、多様な働き方を許容する柔軟で温かな教室文化が醸成されています。宮崎大学循環器・腎臓内科学分野は、これからも地域医療の中心的役割を果たしながら、科学の進歩を患者の幸福へと繋げるべく、教室員一丸となって邁進してまいります。今後とも御指導の程宜しくお願い申し上げます。
■海北 幸一 プロフィール
宮崎大学医学部内科学講座 循環器・腎臓内科学分野教授
<略歴>
| 1991年 |
熊本大学医学部卒業 |
| 1991年 |
熊本大学医学部附属病院循環器内科研修医 |
| 1992年 |
熊本市民病院内科 |
| 1992年 |
熊本赤十字病院内科 |
| 1993年 |
新別府病院循環器科 |
| 1994年 |
熊本大学大学院医学研究科入学 |
| 1998年 |
医学博士の学位取得(熊本大学) |
| 1998年 |
熊本市民病院循環器科 |
| 1999年 |
米国Vanderbilt大学メディカルセンター心血管部門
Research Fellow(Douglas E. Vaughan教授) |
| 2002年 |
熊本大学医学部病理学第二講座(現細胞病理学分野)助手 |
| 2004年 |
熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学助手 |
| 2006年 |
熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学講師 |
| 2007年 |
熊本大学医学部附属病院循環器内科講師 |
| 2008年 |
熊本大学医学部附属病院循環器内科医局長 |
| 2012年 |
熊本大学医学部附属病院循環器内科講師 |
| 2015年 |
熊本大学医学部附属病院循環器内科副科長 |
| 2017年 |
熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学准教授 |
| 2021年5月 |
宮崎大学医学部内科学講座循環器・腎臓内科学分野教授 |
| 2021年10月 |
宮崎大学医学部附属病院副病院長 |
|
宮崎大学医学部附属病院臨床研究支援センター長 |
<資格>
- 日本内科学会認定内科医
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会内科指導医
- 日本循環器学会循環器専門医
- 植え込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療施設認定医
- 身体障害者福祉法第15条指定医
- 難病指定医
- 日本心血管インターベンション治療学会認定医
- 日本経カテーテル心臓弁治療学会TAVR実施医
- 日本血栓止血学会認定医
<所属学会>
- 日本内科学会
- 日本循環器学会(FJCS,社員)
- 日本心臓病学会(FICC,社員)
- 日本心血管インターベンション治療学会
- 日本不整脈心電学会
- 日本血栓止血学会
- 日本循環器学会九州地方会(幹事・評議員)
- 日本動脈硬化学会
- 米国心臓協会
- 欧州心臓病学会(FESC)
- 日本経カテーテル心臓弁治療学会
- 日本心血管インターベンション治療学会九州・沖縄支部運営委員
- 日本心血管画像動態学会(評議員)
- 認定NPO法人日本心血管協会(評議員)
- 日本成人先天性心疾患学会