上別府 司先生、根井 陽菜子先生が第56回日本腎臓学会西部学術大会で症例報告を行いました

2026.09.30

2026年9月26日~27日にかけて開催された第56回日本腎臓学会西部学術大会において、当院腎臓内科の専攻医2人が症例発表を行いました。

上別府 司 先生は「急性尿細管間質性腎炎(ATIN)に対するステロイド治療中に遅れてぶどう膜炎を発症し、診断に至った TIN with Uveitis(TINU)症候群の1例」について発表しました。TINU症候群は、腎臓の尿細管・間質に炎症を起こす「尿細管間質性腎炎」と、眼に炎症を起こす「ぶどう膜炎」を合併する比較的まれな疾患です。本症例では、腎炎に対する治療によって腎機能が改善した後、約8か月を経てぶどう膜炎を発症し、TINU症候群の診断に至りました。腎炎の治療中であっても、遅れて眼症状が出現する可能性があり、長期的な経過観察の重要性を示す症例でした。

また、根井 陽菜子 医師は「繰り返し急速進行性腎炎症候群で再発し、その際のみ C-ANCA が陽性化した IgA腎症の一例」について発表しました。IgA腎症は、腎臓の糸球体にIgAという免疫物質が沈着することで起こる腎疾患です。本症例では、IgA腎症として治療を行う中で、腎炎が再燃した時期にのみC-ANCAという自己抗体が陽性となる特徴的な経過を認めました。治療後にはC-ANCAが再び陰性化しており、IgA腎症の再燃・増悪とANCAとの関連を考えるうえで示唆に富む症例でした。

当科では、経験ある医師指導の下、専攻医の先生が日々の診療で得られた経験を学会発表や研究活動につなげ、腎疾患のより良い診断・治療に還元できるよう取り組んでいます。