2024年11月16日から11月18日にかけて、米国 イリノイ州シカゴで開催されたAHA(American Heart Association) Scientific Session2024において、当科所属医師(田中先生、森林先生)が、演題発表を行いました。
AHAに参加して (田中浩喜先生)
この度、AHA(American Heart Association) Scientific Session2024に参加させて頂きましたのでご報告致します。
現在私は夜間大学院の3年生として臨床研究に取り組んでおります。脂質関連の前向き観察研究をテーマとしておりますが、1年目から地道に蓄えてきた臨床データが徐々に形を成し、予後データで少し興味深い結果が出てきたところでしたので、AHAをお披露目の場として応募し、無事採択頂きました。とはいいましても最初から入念に計画していた訳ではなく、締め切りの3週間ほど前から突貫工事で仕上げた抄録を、AHAのホームページの英語と戦いながら、締め切り時間ぎりぎりに応募し、何とか採択頂いたというのが実情でした。
今年のAHAは2024年11月16日から18日の3日間、アメリカのイリノイ州シカゴで開催されました。初めてのシカゴということで、ポスターの作成と並行して、英会話レッスン、パスポートの申請や旅の支度と慌ただしく準備し、大統領選挙直後のドル高のアメリカに行って無事に帰ってこれるのだろうかと、半ば本気で心配しながら宮崎空港を発ちました。
今回のAHAは100周年の節目となる会であり、会場に入ると多くのcardiologistによる熱気を感じましたが、postコロナや社会情勢の影響なのか、以前からすると規模は縮小しているとのことでした。それでもmoderated poster sessionでは、世界中の自分よりも若い先生方が自信にあふれた姿でpresentationやdiscussionをしている姿を見ることができ、大変な刺激を頂きました。自分のポスター発表は、思っていた以上にフランクなやり取りで少し肩透かしでしたが、周りの様子を見ていると、発表の形式を重視するというよりは内容がいかに興味深く意義のあるものであるかを、世界中の研究者達がアンテナを張って回遊しているような感じでした。自分の研究の意義を考え直すよい機会となりました。
AHAには、同じく大学院生で同僚の森林先生と参加致しましたが、余白の時間には、シカゴCity passを購入し、シカゴ美術館や博物館、360シカゴ展望デッキを見てまわり、おじさん二人組ではありましたが、なかなかにエモーショナルな時間を楽しむことができました。病院にいるときとは全く別の同僚の一面を垣間見ることができるのも、海外学会ならではなのかもしれません。とても良い思い出です。
AHAの参加には、抄録作成・学会へのエントリーに始まり、語学学習に旅行の準備などそれなりの苦労がありましたが、そんなことなど些末に思えるほどの多くの学びと体験がありました。私自身もまたチャレンジしていきたいと思いますが、こんな私の姿を見て、多くの後輩達が自分でもやれそうだと思い、ぞくぞくと世界に羽ばたき、有意義な体験をしてきてくれることを切に願います。