宮崎大学医学部附属病院 検査部

ISO15189認定施設
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血液検査室

血液検査室

概要
私たちの生命を維持する上で、必要不可欠で身体の隅々を駆け巡っている『血液』。
今回、宮崎大学医学部附属病院が行っている血液検査項目について紹介します。

血算
(CBC)
赤血球数(RBC) 貧血・多血などの評価をする
白血球数(WBC) 細菌・ウイルスの感染や炎症、アレルギーなどの評価をする
血小板数(PLT) 止血の役割の一部を担う
ヘモグロビン(HGB) 赤血球に含まれる血色素
ヘマトクリット(HCT) 総血液量に対する赤血球の割合
MCV、MCH、MCHC 赤血球の容積や赤血球内に含まれるHGBの量や濃度の情報
綱赤血球(RET) 成熟赤血球の一歩手前の分化段階にある未熟な赤血球
白血球分類(末梢血液像) 末梢血液中に存在する5種類の白血球の割合
凝固・線溶検査 血管内に存在する因子によっておこる凝固・線溶系の評価をする
感染症検査 抗原、抗体反応を用いてウイルス等の感染の程度を評価する
フローサイトメトリー 細胞表面及び細胞内の抗原を解析することで、血液疾患の病型分類や感染症における感染の程度を評価する
骨髄検査 骨髄穿刺で採取した骨髄液を用いて細胞数や分類を行い、血液疾患の診断・治療経過や癌の骨への浸潤を評価する
各検査概要
血算
血液検査部門では、XN3000という血算の機器を用いて、赤血球、白血球、血小板の測定をしています。赤血球(RBC)は細胞内のヘモグロビンを用いて酸素を肺から全身へ、二酸化炭素を全身から肺へ運びます。赤血球の減少は貧血と呼ばれ、ヘモグロビンが低下し、全身は酸素不足となり、めまい、動悸、息切れ、顔面蒼白などの症状を呈します。一方、赤血球の増加は赤血球増加症と呼ばれ、血液の粘稠性が増加し、顔面の紅潮や血栓症などの症状がでることがあります。
白血球(WBC)は5種類の細胞からなり、生体内に侵入した病原微生物に対する防御を行う細胞群です。病原微生物の侵入により、白血球数は増加したり減少したりします。白血球増加が腫瘍性に起きた場合を白血病と呼んでいます。
血小板(PLT)は赤血球が血管外に漏れ出ることを防ぐ細胞です。血管が破綻した時に迅速に止血を行います。血小板数の減少は出血を起こします。逆に、血小板の増加は血栓症の症状がでることがあります。
血球計数検査(血算)LH750
凝固検査
出血が起きた場合に、血を止める働きをするのが血液中の血小板と凝固線溶系です。
凝固線溶検査はCoapresta3000を用いて検査しています。生活環境や食生活の変化に伴い、増加の一途をたどっている生活習慣病。なかでも心筋梗塞や脳梗塞に代表される血栓症などは、凝固線溶のバランスを崩す事により増悪する疾患です。このような疾患に対して凝固線溶検査を行っています。また、抗凝固療法にも用いられる重要な検査です。
感染検査
感染検査は、術前・術後の感染、輸血後感染など、主に血液中に存在する抗原、抗体の有無を確認する検査です。当院では、ルミパルスG1200を用いて、検査を行っています。検査項目は主に、梅毒、HBV、HCV、HTLV-1、HIVなどの抗原、抗体の検出を行っています。
フローサイトメトリー
骨髄穿刺により採取された骨髄細胞や末梢血液中などに含まれる細胞の機能評価に必要な検査です。
白血病、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の診断や治療計画、感染症におけるリンパ球サブセット検査(ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞の比率など)のためフローサイトメーター検査を行っています。