「学生時代に、部活(サッカー)や飲み会、バイトなどが生活の中心だった私は、大学の講義には必要最小限しか出席していませんでした。特に、代返が容易だった眼科の講義に出席した記憶が全くありません。では、なぜ眼科医になったか? いろいろ理由はありましたが、ライバルが少なそうだったから、がその一つでした。「教科書に載るような仕事がしたい」という漠然とした思いがあり、大学で研究や発明に携わりたいと思っていました。そのため、以下に列挙する「眼科の面白さ」は眼科医になってはじめて認識しました。」
■ 眼科の面白さ
・外部情報の80%は視覚を通して取得している(感覚器としての重要性)
・眼底が美しい
・目のことは眼科医にしか分からない(高い専門性)
・診断から治療までを自科で完結できる(高い独立性)
・眼を観察することで全身疾患の診断や加療の判断ができる(「眼は身体の窓」)
・眼球そのものに生じる疾患以外にも、眼瞼、眼窩、涙道などの疾患など幅が広く、奥が深い
・高齢者(大人)から乳幼児(子供)までが対象
・専門領域が幅広い
・外科的な部分と内科的な部分があり、診療にメリハリがある
・テクノロジーの進歩とともに、検査機器、手術機器が進歩している
・低侵襲で確実な診断・治療が可能となる疾患が近年急速に増えている
・手術が洗練されている(局麻、短時間、安全確実、低侵襲)
・研修医でも術者になれる
・治療が「見える」(患者さんの喜び)に直結する
・最先端の治療が臨床応用されている(iPS細胞を用いた再生医療、遺伝子治療)
・未知の疾患、治療法の確立されていない疾患が多い(研究対象が豊富)
・教科書に載る研究成果が出せる可能性
「眼科の面白さ」を医学部の学生講義やベットサイド(クリクラI)だけですべて伝えることは、時間の問題等で残念ながら難しいです。少しでも興味のある方は、クリクラII、もしくは初期研修でじっくり眼科を回ってもらえるとしっかりとお伝えできると思います。
また、眼科医の特徴として、
・通院の患者が圧倒的に多いため、基本的に診療は日中に限られる
・入院となる患者が少ないので、当直がない施設が多く土日に拘束される施設も少ない(大学病院を除きます)
・アルバイトの歩合がいいらしい(特に宮崎県は他県と比較しても割がいいようです)
など、があります。