古川貢之教授 挨拶

宮崎大学外科学講座のホームページを閲覧頂きましてありがとうございます。宮崎大学外科学講座は旧宮崎医科大学第一外科と第二外科をルーツとし、2015年より消化器・内分泌・小児外科、肝胆膵外科、心臓血管外科、呼吸器・乳腺外科と形成外科からなる大講座制を敷いています。各分野にスペシャリストを配置し、安全で質の高い外科診療を心がけています。昨今、手術の小切開、低侵襲化が急速に進んでおりますが、当講座におきましても呼吸器外科と消化器外科分野でダヴィンチシステムを用いたロボット支援下手術を導入し、食道外科や心臓血管外科分野においても胸腔鏡下食道切除や経カテーテル的弁膜症・大動脈手術などの低侵襲手術を積極的に行っています。一方、専門領域のまたがる疾患に対しては大講座制のメリットを生かし各分野が横断的に協力して診療にあたっています。また胸部、腹部や四肢の重症外傷に対しても救急部や整形外科とタイアップして診療にあたっており、県民の方々が安心して暮らし、万が一の場合は県内で治療が完結出来るよう宮崎県外科医療の最後の砦としての責務を果たせるように努めています。
私が担当しています心臓血管外科分野は、県内で心臓血管外科治療が可能な県立宮崎病院、延岡病院と宮崎市郡医師会病院で修練(連携)施設群を形成し700~800件/年の手術を実施しています。大学病院では県内の多くの医療機関からご紹介を頂き、小切開弁膜症手術、人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術(オフポンプCABG)、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI手術)や大動脈ステントグラフト留置術などの低侵襲手術を積極的に行っています。特に循環器内科とのハートチームで実施している大動脈弁狭窄症に対するTAVI手術は令和6年1月に200例に達し、きわめて良好な結果を収めています。また他の医療機関では対応困難な重症弁膜症手術、低心機能症例に対する冠動脈バイパス手術やリスクの高い大血管手術等にも積極的に対応し、急性大動脈解離や大動脈破裂などの大動脈緊急症に対しては施設群で連携し断らない医療を心がけています。そのほか、乳幼児の心房中隔欠損症、心室中隔欠損症や動脈管間損症などの先天性心疾患手術も小児科、周産センターと密な連携のもと安全な手術が実施出来ており、お喜びの声を頂戴しています。今後も増加する心臓血管疾患に対して、常に患者さんの声と思いに真摯に耳を傾け、進歩する医療に遅滞無きよう知識の獲得と技術の向上に励み、満足して頂ける結果が提供できるよう励んでまいります。
 最後に、私を含めまして宮崎大学外科学講座一同が協力して当大学の合言葉である【世界を視野に地域からはじめよう】を実践できるよう臨床、研究、教育活動に積極的に取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎大学外科学講座心臓血管外科学分野
教授 古川 貢之