教授挨拶
MESSAGE FROM THE PROFESSOR
地域に根ざし、
世界に通用する小児医学の提供を目指して
平成29年(2017年)7月より母校の第4代教授を拝命しました。宮崎大学医学部小児科学教室は、昭和48年(1973年)に初代早川國男教授が興され、今年で44年の歴史があります。第2代杉本徹教授、第3代布井博幸教授をはじめとして、これまでに多くの先人が宮崎の小児医療をよりよくするため尽力されました。
「なぜ小児科を選んだのですか?」とよく質問を受けます。私の場合、“小児医療は「曙の医学」である”と学生実習中に先輩小児科医師がおっしゃった素敵なフレーズが胸に突き刺さり、小児科医になることを決めました。小児医療は根治を目指し全力投球でき、その結果、病気を克服した子ども達が成人となり、少子化で苦しむ日本の救世主として社会へ羽ばたく姿をみられる喜びは小児科医冥利に尽きると言え、日々実感しております。さらに細分化された現代医療の中で「全身を診る」という学問的にも非常に満足度が高い分野と考えます。
宮崎大学医学部附属病院の小児医療について
本院は宮崎県内唯一の大学病院です。宮崎県内小児医療圏をカバーするために血液、腫瘍、腎臓、神経、循環器、内分泌、代謝、免疫、感染、膠原病、アレルギー、新生児など各領域の専門家を科内にそろえております。専門性の高い医療のみならず、救急医療、プライマリケア、小児保健活動まで幅広い診療を行っています。また、宮崎県内の地域医療を担うために、県立宮崎病院、都城市郡医師会病院、国立病院機構都城医療センター、県立日南病院、県立延岡病院、済生会日向病院、都農町国民健康保険病院、国立病院機構宮崎病院、国立病院機構宮崎東病院、宮崎市総合発達支援センター、宮崎県立こども療育センター、愛泉会日南病院という中核病院を関連病院として医局員を派遣しております。
今後も、本院は最適な先端医療を提供し続ける専門施設として更に発展していくと同時に、宮崎県内の小児施設との連携を深め、子どもたちが安心して医療を受けられる体制を構築していきたいと考えております。また、お子さんが病気となり治療が必要となった際、ご家族は大変な精神的負担を強いられます。私達はそうしたご家族に寄り添える医療者でありたいと思っています。少しでも不安なく治療が受けることができる様、当科には病棟保育士、臨床心理士も常在しており、長期入院をサポートする体制を整えております。遠方からの患者さんご家族においては「宮崎ファミリーハウス」という宿泊施設の利用も可能となっております。
小児科医を目指す医学生や若い先生へ
当小児科入局後は、関連病院で一般小児科を広く学び、大学病院で専門性高く深く勉強し、小児科専門医を取得することができます。また、1症例を大切に診療し、患者さんが教えてくれた知見を論文として発表することを強く推奨しています。
研究は各グループがそれぞれテーマをもち2週間ごとに開催しているリサーチカンファランスで進捗状況を把握し意見を交換しながら教室全体で、宮崎大学のスローガンである「世界を視野に地域からはじめよう」のもと、大きな夢を抱いて精力的に取り組んでいます。研究費も文部科学省科学研究費、日本医療研究開発機構研究費を中心に潤沢に獲得できています。
小児科学は子どもの成長、発達を知ることが大きな強みになります。その観点からも女性医師が活躍できる分野でもあると考えます。現在も子育て中の女性医師が多く活躍しておりますが、更に女性医師が生涯を通じて自信を持って元気に働くことのできる環境を整備すべく努力していきます。
本教室に興味のある方はいつでも気軽にご連絡下さい。志の高い若い小児科医と共に宮崎の小児医療を担っていきたいと思います。