宮崎大学医学部附属病院呼吸器内科では、下記の臨床研究を実施しています。皆様には本研究の趣旨をご理解頂き、ご協力を承りますようお願い申し上げます。
研究課題名：原発性肺癌におけるEGFR-TKI耐性化の予後予測因子の検討
1．研究の概要
日本では肺癌により年間7万人を超える方々が亡くなられています。肺癌は顕微鏡で見た際の形や遺伝子変異などでいくつかのタイプに分けられており、その中でも上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor, EGFR)遺伝子変異がある進行非小細胞肺癌では、この遺伝子変異を狙った薬剤(EGFRチロシンキナーゼ阻害薬)による治療が癌の進行を抑える高い効果を示すことが分かっています。しかし、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬は使い始めてから1年ほどで癌の進行を抑える効果がなくなってしまうことが多く、その原因の約半分はT790M変異という新たなEGFR遺伝子変異が現れてくることです。2016年5月以降、T790M変異を狙った新たな薬剤であるオシメルチニブが肺癌治療に用いられるようになりました。そこで、本研究ではこれまでにEGFR-TKIの治療効果がなくなった患者さんの喫煙歴や基礎疾患、T790M変異の有無などの情報を収集し、その後の治療内容(オシメルチニブ、オシメルチニブ以外のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬、抗癌剤、免疫チェックポイント阻害薬)毎の効果を検証します。
2．目的
既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の効果がなくなった患者さんのEGFR遺伝子変異の特徴や治療内容、効果などを調べ、EGFR遺伝子変異がある肺癌治療に関連する新しい知識を得ることを目的とする学術研究活動として実施されます。
3. 研究実施予定期間
この研究は、倫理委員会承認後から平成31年3月まで行われます。
4．対象者
平成28年5月から平成29年6月に本院呼吸器内科に入院され、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬の治療を受けられた方が対象です。
5．方法
対象となる方のカルテ情報から、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬の治療効果がなくなった時点での年齢、性別、喫煙歴、肺癌の組織のタイプ、T790M変異の内容、画像検査の結果、血液検査の結果、治療の副作用、治療効果が持続した期間などの内容を利用させて頂き、これらの情報をもとにT790M変異の有無と治療効果の関連を検討します。
6．費用負担
この研究を行うにあたり、対象となる方が新たに費用を負担することは一切ありません。
7．利益および不利益
この研究にご参加いただいた場合の利益・不利益はありません。参加を拒否された場合でも同様です。
8．個人情報の保護
研究にあたっては、対象となる方の個人情報を容易に同定できないように、数字や記号などに置き換え、「匿名化された試料・情報（どの研究対象者の試料・情報であるかが直ちに判別できないよう、加工又は管理されたものに限る）」として使用いたします。
9．研究に関する情報開示について
ご希望があれば、研究計画および研究方法についての資料を閲覧することができます。ご希望がある場合は、下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。ただし、研究の独創性確保に支障のない範囲内で情報開示を行います。
10．研究資金および利益相反について
この研究に関する経費は、実施責任者が所属する診療科の研究費で賄われます。
なお、本研究の実施責任者と分担研究者は本研究に関わる企業および団体等からの経済的な利益の提供は受けていないため、利益相反注1）はありません。
注１）臨床研究における利益相反とは、研究者が当該臨床研究に関わる企業および団体等から経済的な利益（謝金、研究費、株式等）の提供を受け、その利益の存在により臨床研究の結果に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。
11．研究成果の公表
この研究で得られた研究成果を学会や医学雑誌等において発表します。この場合でも個人を特定できる情報は一切利用しません。
12．参加拒否したい場合の連絡先
この研究に参加したくない（自分のデータを使ってほしくない）方は下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。しかしながら、データ解析後、もしくは学会等で発表後は途中辞退することができない場合もあります。
13．疑問、質問あるいは苦情があった場合の連絡先
この研究に関して疑問、質問あるいは苦情があった場合は下記連絡先へ連絡をお願い致します。
宮崎大学医学部附属病院呼吸器内科
職名 医員 氏名 松尾 彩子
電話：0985-85-2965
FAX：0985-85-1869
