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桂木教授の部屋

圓﨑夏美先生、佐藤謙成先生、国際生殖学会で堂々と発表

2025年4月26⁻28日、国際生殖学会が東京国際フォーラムで行われました。宮崎大学産婦人科からは圓﨑夏美先生、佐藤謙成先生が発表を行いました。圓﨑夏美先生はIntroduction of Fertility Preservation Therapy in a Regional Prefecture in Japanという内容で、宮崎県の妊孕性温存療法の現状を報告されました。スライドの一部を紹介します。

2021年から2024年の4年間で女性32名、男性6名の方が宮崎大学の妊孕性温存療法に関わるカウンセリング外来を受診しました。女性で結婚していたのは13名、未婚19名、男性で既婚者1名、未婚5名でした。乳がんや白血病、軟部腫瘍、消化器がん、など原疾患は様々でした。

妊孕性温存療法について説明します。抗がん剤(特にアルキル化剤)や放射線療法により卵巣機能、精巣機能が低下する事が知られています。妊孕性温存療法とはこれらの原疾患の治療前に女性の未婚者では卵巣、卵子、受精卵を男性では精子を保存するものです。国から一定額の補助金が排卵誘発剤の注射、採卵費用に対して支給されます。精子保存の場合も治療費に対して一定額の補助金が支給されます。悪性腫瘍と診断された時に、妊孕性の事を説明するのはなかなか患者さんの心の準備ができていなかったり、まだ結婚も現実的に考えていない状況である場合も多くカウンセリングが必要です。

生殖補助医療の事をART:Assisted Reproductive Technologyと呼びます。日本では約10%の方が体外受精などのARTで出生しています。『妊娠年齢の高齢化』、『不妊治療が公的医療保険の対象へ』、そして圓﨑先生の発表された、『妊孕性温存療法』などが生殖医療を取り巻く近年の話題です。圓崎夏美先生は生殖医療専門医取得を目指して目下修行中です。頑張ってくださいね!!

IFFS World Congress 2025

2025/4/26-29

東京国際フォーラム

宮崎大学医学部附属病院 産婦人科 佐藤謙成

 4月26〜29日、東京国際フォーラムで行われたIFFS(InternationalFederation of Fertility Societies) World Congress 2025に参加しました。私は診療科内からの協力をいただき、全日程での参加となりました。

 同学会は産婦人科の中でも、生殖医療という主に不妊治療に関する国際学会です。今年は日本で行われ、私はポスター発表の準備も行ない臨みました。大学院の研究テーマである、妊娠中に発症した悪性腫瘍が妊娠・出産へどう影響するのかということに関する発表を行ないました。

4日間の学会期間中は生殖医療に関して、多くの学びがありました。また、多くの出会いもありました。桂木教授にご紹介いただき、IVF JAPANの森本先生にもご挨拶させていただきました。今年から生殖医療専門医の修練を開始し、来年度を目安に関連施設で不妊治療の勉強をしたいという話までさせていただき、見学のお誘いをいただきました。診療科内でも同施設での研修を勧めていただき、本当にありがたく感じています。

宮崎大学病院内では体外受精を始めとした生殖医療ができていない現状があります。今後の生殖センターの立ち上げに向けて尽力したいと考えています。