宮崎大学フロンティア科学総合研究センターおよび医学部看護学科生活・基盤看護科学講座助教の山口史剛先生らと、当講座中村先生らが共同研究した研究成果が発表されました。
本研究では、軟らかく吸収しやすい食餌(軟質食)がインスリン抵抗性や肝臓の糖・脂質代謝に及ぼす影響を調査しました。
主な結果
● 軟質食を9週間摂取したラットでは、インスリン抵抗性の上昇を確認
● 22週間の継続摂取により、血糖値の上昇、肝臓の糖代謝異常、脂質合成の増加が顕著に
● 一方で、軟質食から標準食に戻した群では、代謝異常が回復
研究の意義
本研究により、食事の物理的性質がインスリン抵抗性や糖尿病リスクに影響を与える可能性があることが示唆されました。また、適切な食事選択による代謝異常の改善の可能性が明らかとなり、糖尿病の病態や、予防・治療の側面からも重要な知見と考えられます。
Fumitake Yamaguchi, Sayaka Akieda-Asai, Eriko Nakamura, Hinano Uchida, Atsushi Yamashita, Yukari Date. Continuous exposure of non-obese adult male rats to a soft-textured, readily absorbable diet induces insulin resistance and derangements in hepatic glucose and lipid metabolism.
The Journal of Nutrition, in press.
https://doi.org/10.1016/j.tjnut.2025.03.009.
(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022316625001609)