ごあいさつ
greeting
宮崎大学医学部附属病院
高度救命救急センター センター長
落合秀信
宮崎大学医学部附属病院高度救命救急センターは、「いつでもどこでも地域に根差し高度な救急医療の提供」、「地域と連携し地域で最強の救急医を育成」、そして「世界を視野にいれた情報発信」をスローガンに掲げ、開所から15年目を迎えました。 この間徐々にスタッフや体制も充実し、厚生労働省全国救命救急センター充実段階評価では、新評価基準となって以降7年連続で 「S」 評価をいただくことができました。また、県内の救急科専門医数も、当センター開所当初は19名だったのが、今年は54名となりました。さらに昨年7月には高度救命救急センターにも指定していただきました。これもひとえに連携・ご支援いただいている皆様方のおかげと深く感謝しております。現在スタッフは、大学勤務が18名、寄付講座 2名、関連施設出向 18名で、各診療科・各部署のご協力のもと、ER診療、病院前救急診療、重症外傷・内因性疾患等の集中治療、災害医療など幅広く展開しております。
診療面では、県全域を俯瞰して県北、県央、そして県西の救急医療における拠点施設の充実を図りつつ、当センターがハブとしてバックアップする体制を構築しています。 その結果、当センター入院患者の重症率は常時70%を越えております。
一方、「病院まで持たない命を救う」をコンセプトに開始したドクターヘリも、これまで6753件の要請をいただいています。ドクターヘリ運航開始当初は、現場出動した患者の約8割は大学へ搬送 (Uターン) していました。しかし、救急医の育成と地域への派遣による連携を進めることで、地域でのドクターヘリ現場出動症例の受け入れ (J ターン) も徐々に進み、現在は現場出動症例の約7割は地域の医療施設で受け入れていただいております。ドクターヘリを活用した地域救急医療の活性化に少しでも貢献できたのではと思っています。
一方、ドクターカーもドクターヘリの補完として県全域を対象に運用しています。さらに山中など陸路到達が困難な地域の救急事案にも、県との協定のもと防災ヘリコプターによる医師の現場投入を行い、全国でもトップレベルの病院前救急診療を展開しています。
教育面では、「地域で最強の救急総合医を育成」を合言葉に「For MIYAZAKI救急科専門研修プログラム」を立ち上げ、専門研修1年目の医師を診療チームのリーダーとする独自の教育方法を行ってきました。 現在8名がこのプログラムにのって救急科専門医を目指しています。専門研修修了者にアンケートを行ったところ、「つらい面もあったが、指導医の掌の中で多くの症例を経験でき早く実力をつけることができた」という肯定的な意見を数多くいただきました。今後も専攻医からの意見を尊重しつつ、専攻医が“生き生きと輝いて後輩の憧れの的”となるような教育システムにできるようブラッシュアップしていく所存であります。
今後は、昨今の救急医療の課題の1つである高齢者救急にも貢献していきたいと思っています。すでに救急患者連携搬送料加算の施設基準は取得しましたので、今後は地域との連携をさらに強化しこの課題に取り組んでいきたいと思っています。先日隣接医療圏を含めた救急告示医療機関に後方連携についてのアンケートを行ったところ、50を超える施設より協力していただけるという、とても心強い回答をいただきました。本取り組みの充実に向けて調整を進めていきたいと思っております。
最後に、まだまだ若い高度救命救急センターではありますが、皆様方のおかげで少しずつではありますが前進することができました。今後も教室員一同、微力ではありますが求められるニーズに柔軟に対応しつつ本県の救急に最大限に貢献できるよう精進していく所存ですので、変わらぬご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
宮崎大学医学部附属病院
高度救命救急センター 看護師長
楠見 和子
宮崎大学医学部附属病院高度救命救急センターは、2026年で15年目を迎えました。3次医療機関としてあらゆる救急患者を受け入れ、「命をつなぐ」“For MIYAZAKI”の精神で高度救命救急センターの医師や各診療科の先生方と連携しながら、看護師も積極的に救急医療に対応しています。
当院の高度救命救急センターは、専用病床20床を備え、院内でのベッドコントロールはもちろんのこと、患者支援センターの協力を得ながら県内の多くの医療施設に患者様を広く受け入れていただいております。
高度救命救急センター開所と同時に運航が開始された宮崎県ドクターヘリ、2014年にドクターヘリの補完として導入されたドクターカー、救急現場に医師や看護師を投入することで、病院前から診断・治療を行うことが可能となり、患者様の致命率の向上に貢献しています。
2026年4月現在、看護スタッフは、看護師長1名、副看護師長3名、看護師40名の44名(うち急性・重症患者看護専門看護師1名、救急看護認定看護師1名、クリティカルケア認定看護師1名、特定行為看護師2名)が活動しています。
看護部の教育理念である「愛と和」は、看護職が人を大切にした倫理性のある行動ができること、看護職間のチームワークや他職種とのチーム医療など、より良い看護を提供するうえでの連携や協働することを示しています。看護の専門性を発揮し、常に患者さんとそのご家族に寄り添い、信頼される看護が提供できるように努力しています。
患者さんの生命の危機に直面する現場は、常に緊張感に満ちています。しかし、そのような状況だからこそ、医師をはじめとする多職種と緊密に連携し、それぞれの専門性を活かしながら、チーム一丸となって患者さんのために全力を尽くしています。患者さん本人やご家族にとっては、予期せぬ事態に戸惑いや不安を感じられることと思います。私たちは、そのような皆様の気持ちに寄り添い、丁寧な説明と心のこもったケアを提供することで少しでも安心して治療に専念していただけるよう努めてまいります。
また、救命救急医療は、常に進歩し続けています。私たちは、最新の知識・技術を習得するための研鑚を怠らず、より質の高い看護を提供できるよう、日々努力を重ねてまいります。このHPを通じて、高度救命救急センターの活動や、私たちの想いを少しでも皆様にお伝えできれば幸いです。
最後に、私たち看護師の大先輩でもあるフローレンス・ナイチンゲールが「看護婦が観察もできなければ、いったい何のために看護婦は存在しているのであろうか?」と看護師の観察の重要性について述べているように、高度救命救急センターの看護師は、五感を駆使して、患者の状態を把握し、迅速に対応しています。そして、患者さんの生命力の消耗を最小限に整えられるよう看護しています。救命救急の現場は、緊張の連続ですが、お互いがコミュニケーションを積極的にとり、信頼関係を築きながら、切磋琢磨しています。
今や、“For MIYAZAKI”の精神は、高度救命救急センターに関わるすべてのスタッフにも浸透しています。一秒でも早く患者さんの元へ最適な医療を届けられるよう、一人ひとりが成長していける環境をスタッフ全員で築いていきたいと思っております。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。