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骨粗鬆症について

スポーツ傷害Q&A

骨粗鬆症ってなに?

骨粗鬆症とは骨強度の低下により骨折の危険性が高い状態ですが、平たく言うと骨がスカスカになってちょっとしたことで骨折してしまう状態のことです。
日本での定義としては

  1. もうすでに骨粗鬆症による骨折がある人はそれだけで診断されます。
  2. 骨折がなくても骨の量(BMD)が若い人の骨の量の平均(YAM)の70%未満の時には骨粗鬆症ということです。

厳密には脊椎や大腿骨のXPで骨粗鬆症があると医者が診断すればOKというのもアリですが最近では、(2)の定義が主に使われているようです。(2)の診断には骨塩定量が必要ですが、最近では割と普及しています。各医療機関にお問い合わせください。
特に女性の方は要注意で、閉経後にホルモンバランスが壊れ急激に骨粗鬆症が進行しますので思い当たる方は是非とも骨塩定量をしましょう。

骨粗鬆症になるとどうなるの?

ずばり骨折しやすくなります。骨が弱くなるのですから当然ですが、これが厄介です。
まず、骨粗鬆症による骨折は寝たきりになる原因の第4位であるということです。特に大腿骨近位部骨折(お股のところ)と脊椎(背骨)の圧迫骨折は要注意です。なんと脊椎の骨折は起こしている最中に痛みを伴わないことがあり段々と背中が丸くなって地面しか見られない状態ということもあり得ます。も一つ厄介なのは一個起こすと連鎖的に起こることがあるので日常生活動作があれよあれよと低下していきます。気が付いたら寝たきりということもあります。
このほかにも橈骨遠位端骨折(手首の骨折)や上腕骨近位端骨折(肩の骨折)が起こりやすい部位です。

骨粗鬆症にならないためにはどうすればいいの?

骨粗鬆症にならないためには

  1. 最大骨量を増加させておくこと
    若い時(20代後半から30代前半)に骨の量を可能な限りあげておくことです。骨粗鬆症を気にされる方はほとんどこの時期を過ぎているでしょうが・・・。
  2. 適度な運動が必要です。過度な運動はホルモンのアンバランスを来たしますし、無理なダイエットもよくありません。
  3. 適度に日光浴をすることも大事です。
  4. 食事としてはやカルシウム、ビタミンDの摂取、バランスの良い食事が大切です。1日800mg以上のカルシウム摂取(乳製品や豆腐、小松菜、シシャモなど)とビタミンDの豊富なレバーや干し椎茸、青魚や鶏卵などもいいでしょう。
    また、最近では骨粗鬆症になりやすい人というのがわかってきてます。まず女性であること、家族に骨粗鬆症による骨折の既往のある人がいる人、喫煙、やせ型、早い閉経、ステロイド剤を服用している人またはしてた人などです。こういう方は要注意ですよ。

骨粗鬆症の治療は?

骨粗鬆症と診断されたら治療が必要になります。ほとんどが薬物治療ですが、最近では治療効果な明らかな証拠がある薬があります。ビスフォスフォネートやSERMと呼ばれている薬です。この二剤は骨折の危険性を低下させる証拠があり全世界的に推薦されている薬剤です。このほかにも前述しているビタミンDや注射で使うカルシトニン、ビタミンKやカルシウム剤などがあります。実際には組み合わせて使ったり副作用を見ながら調整していきます。

骨粗鬆症になってしまったらどうすればいいの?

メインは骨折の予防です。骨折の原因は転倒または尻もちです。骨を強くすることはもちろんですがバランスをとることや筋力をつけることで転倒を防止します。また、足に合った靴を使用したり手すりを取り付けるなど日常生活での注意も必要でしょう。

 参考文献

「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン」、ライフサイエンス出版、2006