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過去の取り組み~運動器検診~

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これまでの取り組み~運動器検診~

どうして運動器検診が始まったの?

現代のこどもの体の特徴として、①肥満傾向のこどもの増加(身長は横ばいなのに対して体重は増加傾向)、②体力・運動能力の低下(1985年頃をピークに低下傾向、最近は横ばいかやや上昇傾向)が挙げられています。一方で、運動のしすぎによるスポーツ障害も問題になっていますが、「運動器」に関する学校検診は脊柱側弯症だけです。
そこで、「こどもの運動器疾患・傷害の予防」を目的に、学校における運動器検診体制の整備・充実モデル事業が始まりました。2005年度に北海道・京都府・島根県・徳島県で開始され、宮崎県は2007年度から参加しています。

運動器検診ってどんなことをするの?

運動器検診の全体的な流れは、
①問診票の記入(前準備) → ②一次検診 → ③二次検診(医療機関の受診)となります。
一次検診では以下の7項目をチェックします。

  1. 歩容(歩き方)状態
  2. 下肢変形
  3. しゃがみ込み動作
  4. 脊柱変形
  5. 肩関節挙上
  6. 肘関節・上肢変形
  7. 肘関節屈伸動作

一次検診では上記の項目の評価に問診票の内容を含めて、「要治療」「治療中」「要注意」「問題なし」の4段階で判定を行います。「要治療」「治療中」の判定の場合は二次検診を勧め、専門の医療機関での診察・治療を行います。

運動器検診はしたほうがいいの? 運動をしている人だけじゃダメなの?

宮崎県の調査では、運動器の推定罹患率は8.2%(2008年度)、9.1%(2009年度)という結果でした。これは、う歯(虫歯):65.47~58.06% 、裸眼視力(0.3以下):6.49~20.34%、耳疾患:5.13~3.74%、眼の疾病や異常:4.76~4.23%、喘息:3.91~3.08%、心臓の疾病や異常:0.70~0.98%、アトピー性皮膚炎:3.64~2.79%など、学校検診が実施されている他の疾患と比較しても低い割合ではありません。

また、運動部に所属しているグループと、所属していないグループとでの二次検診要受診者(治療中も含める)の割合は、それぞれ14%と11%(2008年度)で、両グループ間に差はないと考えられます。従って、運動器検診は運動部所属の有無に関わらず全てのこどもに行うことが必要だと思われます。運動器検診を通して、運動器の形態異常・機能不全の早期発見、運動不足解消への啓発を行うことで、健全な運動器の発育や発達につなげたいと考えます。

運動器検診 過去の実施状況

運動器検診実施数(2007~2015年) 合計52,588名

2007年度:清武町の小・中学校5校1,564名に実施
2008年度:宮崎市・清武町の小・中学校16校2,166名に実施
2009年度:宮崎市・清武町の小・中学校26校3,727名に実施
2010年度:宮崎市(清武町含む)の小・中学校35校4,223名に実施
2011年度:宮崎市・小林市・西都市・三股町の小・中学校67校6,472名に実施
2012年度:宮崎市・小林市・西都市・三股町の小・中学校87校8,738名に実施
2013年度:宮崎市・小林市・西都市・三股町の小・中学校86校8,364名に実施
2014年度:宮崎市・小林市・西都市・三股町の小・中学校90校8,756名に実施
2015年度:宮崎市・小林市・三股町・綾町の小・中学校88校8,578名に実施
2016年度~:学校健診のひとつとして、各学校で実施されることとなった。