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陥入爪の原因と予防について

スポーツ傷害Q&A

陥入爪とは

主に足の親指(拇趾)の爪に発症し、爪の角や側面が皮膚に食い込むような爪のことを言います。食い込んでも痛み、腫れなどの症状がない状態では心配する必要はありませんが、陥入爪に伴い、爪周囲の炎症を発症し痛み、腫れ、膿が出るなどといった症状がある時(爪周囲炎)には治療が必要となります。

爪周囲炎とは

陥入爪や深爪や足の指先の外傷、合わない靴の装着による圧迫などの原因で爪の脇の部分に炎症を生じ腫れてきて、さらに爪の角の圧迫がひどくなる悪循環によるものです。

爪周囲炎の症状とは

爪の角に当たるところが痛い、爪の角が皮膚に食い込んでいる、爪の角を押すと痛い、爪の角の辺りが腫れて赤くなっている、爪の角の辺りを押すと膿が出る、これらの1つでも症状があれば陥入爪の可能性が高いです。炎症が長期間持続すると爪縁に肉芽(痛みと浸出液を伴ったピンク色の柔らかく、出血しやすい組織)が形成される。この時点では専門医の受診と治療が必要となります。

陥入爪の原因は

深爪をすることにより、爪の側方先端に強い力が加わることで皮膚を損傷し炎症を生じるのです。特に爪の角を斜めに切り込むことが問題です(写真2)。切った爪をむしったりすると細菌感染の原因となります。また、きつい靴を履いて爪が皮膚に食い込む、大きすぎる靴を履いて靴の中で爪が前方側方の靴内部にぶつかって傷ができることも原因となります。

予防法とは

足の爪を両端の角が見えるほど十分長く伸ばし先端を直線的に切ることが大切です(写真3)。手指の爪は圧力がかからないので指先の形に合わせて丸く切っても炎症はおきません。ハイヒールやきつい靴、ゆるすぎる靴は厳禁です。足の指の間、特に爪の周囲をよく洗って日ごろから清潔、乾燥に保つことが大切です。

予防法のアンカーテーピングとは

もし足の指の爪を深く切ったり、爪の角を切ってしまって爪の側方先端部に痛みを感じたときは爪が長くなるまで皮膚への圧迫を軽減することで炎症を予防する必要があります。その1つの方法がこれです。(写真4)弾性絆創膏を爪の角の辺縁の皮膚に固定しもう一方をらせん状に引っ張るように貼り、皮膚に固定します。こうすることで爪の角の皮膚への圧迫を軽減します。テープの幅、長さ、方向、など工夫して爪の角の皮膚の圧迫の軽減に努めます。

参考文献

新井裕子ほか:陥入爪の保存的治療法-アクリル固定ガター法とアンカーテーピング法-.クリニシアン,vol.55no.570:18-20,2008.