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膝のスポーツ外傷

スポーツ傷害Q&A

外傷(がいしょう)ってなに?

同じ動作の繰り返しによって起こるものを障害(いわゆる「故障」)というのに対し、外傷は一度の受傷によって起こるもの(いわゆる「ケガ」)のことです。

膝にはどんな場所があるの?

大腿骨と脛骨(腓骨)は大きく分けて4種類の靭帯で固定されていて、間には半月が内・外側に1つずつあります。半月には膝をスムーズに動かしたり、安定させたり、衝撃を吸収したりする役目があります。

膝の外傷にはどのような種類があるの?

大きく分けて1)骨折 2)靭帯損傷 3)半月損傷 4)軟骨損傷 があります。
この中でもスポーツで多くみられるのが、靭帯損傷と半月損傷です。
膝のスポーツ外傷で代表的な前十時靭帯損傷と半月損傷について説明していきます。

前十字靭帯や半月損傷の原因は?

膝の靭帯損傷は、膝に大きな力が加わった時にその力の向きによって損傷する靭帯が違ってきます。前十字靭帯は、ジャンプの着地や急な方向転換などによる他の選手と接触しない減速動作により損傷することが多いです。
半月は、膝に体重がかかった状態でひねったり衝撃が加わったりして半月だけを損傷する場合と、靭帯損傷に合併する場合があります。

どんな症状があるの?

前十字靭帯は、損傷直後は膝の腫れ(膝の中に血がたまる事があります)・痛み・可動域制限などがみられます。2~3週間ほど経つとこの様な症状は改善してきますが、膝の不安定感(膝くずれ)が出てくることがあります。
半月は、膝を曲げ伸ばしした時の痛みや引っかかり感や、膝に水がたまったり、損傷した半月が膝の中で挟まって膝が伸びなくなることがあります(ロッキング)。

治療をしないとどうなるの?

前十字靱帯の場合は、膝の不安定性が残っているのをそのままにしておくと、半月や軟骨が傷んできます。さらにそのままにしておくと、変形性の膝関節症になることがあります。
半月の場合は、損傷範囲が広がったり、軟骨が傷んできたりして変形性の膝関節症になることがあります。

治療法は?

前十字靭帯以外の靭帯の単独損傷の場合、装具やリハビリによる保存療法を行うことが多いです。前十字靭帯の場合は保存療法を行っても膝の不安定性が残る場合、年齢・スポーツレベル・合併損傷等を考慮したうえで必要な場合は手術を行います。また、その他の靭帯も前十字靭帯と同時に損傷している場合は手術を行うことがあります。前十字靭帯の手術法としては関節鏡を用いた再建術が一般的で、再建靭帯にはハムストリング腱や膝蓋腱が用いられることが多いです。最近では、再建靭帯(ハムストリング腱)を2本使う二重束再建術も行われています。スポーツ復帰には8~10ヶ月程かかります。

半月は、装具やリハビリなどの保存療法でも痛みが続く場合やひっかかりやロッキングなどの症状がある場合手術を行います。手術方法には縫合術と切除術があります。半月には大事な役割(前述)がありますのでなるべく残すようにしますが、縫合術が不可能な場合は切除術となります。