腱板損傷とは
スポーツ傷害Q&A
肩のどこが切れるの?
骨の繋ぎ目となる肩の筋肉は腱組織でできており断裂しやすい部位です。
どんな症状があるの?
- 肩の運動障害、痛み、夜間痛が主な症状です。
- 夜間痛で睡眠がとれないことがよくあります。
- 挙上するときに力がはいらない、肩で軋轢音がすることがあります。
- 運動痛はありますが多くは挙上は可能です。
原因は?
- 腱板は肩峰と上腕骨頭にはさまれやすい構造をしています。
- 中年以降は腱板が老化して弱くなります。
- 利き手に多く肩の使いすぎが影響します。
(投球肩でも腱板を損傷することがたびたびあります。)
腱が切れたままだとどうなるの?
腱板が断裂した状態では上腕骨頭と肩峰が接触しやすくなります。
症状がすすむと骨が変形してきます。
進行すると・・・
X線所見では肩峰と骨頭の間が狭くなります
どんな検査をするの?
診察では肩が挙上できるかどうか、関節の可動範囲や筋力、挙上時の軋轢音などをしらべます。
また肩甲骨周囲筋の萎縮や可動状態を調べます。
MRIでは腱板断裂部に白く映る高信号領域がみられます。
治療は?
断裂部が治癒することはありませんが70%は症状が軽快します。
保存的治療
- 理学療法
温熱、低周波、超音波 - 運動療法
ストレッチング、等尺性運動
筋力訓練(インナーマッスル) - 関節内注射
ステロイド、ヒアルロン酸
どんな手術をするの?
肩関節鏡手術をご存知ですか?
肩関節手術は肩に約1cmの穴をあけ、そこからカメラを挿入して、肩の内部をのぞきながら手術する「内視鏡手術」のことを言います。
鏡視下手術の方法
鏡視下手術の特長
利点
- 詳細に関節内の様子がわかる
- 手術創が小さい
- 三角筋等の余計な組織を大きく切らずにすむ
- 早期リハビリ、早期社会復帰
- 入院期間の短縮
欠点
- 手技が煩雑
手術傷の比較
通常の手術の傷跡
5~7cm程度の切開が必要です。
肩関節鏡手術の傷跡
1cm程度のカメラや手術用器具を挿入する入り口を2、3箇所作成するだけですので、大きな傷跡が残りません。
リハビリは?
手術後は1ヶ月程度の固定と2~3ヶ月の機能訓練が必要です。