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緊急性のあるボールによる外傷《眼球打撲、心臓振盪など》

スポーツ傷害Q&A

ボールなどが体の一部に当たった時にほっておくとよくないものは?

目に当たって視力が落ちたり、かすんだりした場合(眼球打撲)
胸に当たって意識がなくなった場合(心臓振盪)
頭に当たって意識がなくなったり、嘔吐した場合(脳振盪、硬膜外血腫)

眼球打撲とは?

ボールやシャトルなどによる鈍的眼外傷で前房出血や硝子体出血、網膜裂孔や網膜剥離などが生じる事があります。

治療が必要?

視力障害があれば、眼科専門医を受診しましょう。
網膜裂孔や網膜剥離は早急な治療(レーザーによる光凝固など)が必要になります。

心臓振盪(しんとう)とは?

心臓の動きの中のあるタイミングでボールなどが胸に当たると、稀にその衝撃で不整脈が生じ、血液を送り出すことができなくなります。

治療は?

AED(自動体外除細動器)を使った除細動と心臓マッサージや人工呼吸といった救命処置を行います。(図.AED写真)

脳振盪(しんとう)で注意することは?

脳振盪は、頭部を打撲した後におこる一過性の意識障害であり、程度により対応が異なります。意識消失がない場合でも脳振盪の症状が15分以上続くときは、プレーの中止が勧められます。(表.スポーツ関連の脳振盪のガイドライン;the Colorado Medical Society,1991)

※セカンド インパクト シンドローム

脳振盪の程度にかかわらず、短期間に2度の脳振盪を起こした場合に重大な脳機能   障害を生じる確立が高いといわれています。

急性硬膜外血腫とは?

側頭部に強い衝撃を受けた場合におこりやすく、たんこぶ(皮下血腫、腱膜下血腫)・骨折の有無は関係しません。一時的に意識が回復(意識清明期)する場合があり、注意が必要です。

参考文献

『最新メルクマニュアル医学百科』
『心臓震盪から子供を救う会HP』
『コーチングクリニックベースボール・マガジン社』