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筋肉痛とは?

スポーツ傷害Q&A

筋肉痛って?

一般的には運動後に筋肉に疼痛が生じることを総称しています。医学的には遅発性筋痛症と呼ばれています。広い意味では肉離れなども含むこともありますが、肉離れに関しては別項をご参照下さい。

遅発性筋痛症の特徴とは?

不慣れな運動を行った後や、慣れている運動でも久しぶりに行った後に、数時間から数日経過してから出現する筋肉痛で5日~7日程度で消失するといわれています。

どんな運動をするとなりやすいの?

伸張性筋活動を伴う運動によって起こりやすいという特徴があります。

伸張性筋活動ってどのような運動で起こるの?

筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮する運動(伸張性収縮)です。

具体的にはどのような運動でしょうか?

通常は太ももの前にある筋肉は収縮することで膝関節を伸ばします。この筋肉を大腿四頭筋といいますが、通常膝関節を曲げる時にはこの筋肉は伸張されます。膝関節は曲がっていくのに、(つまり筋肉は伸ばされていくのに)同時に筋肉が収縮する運動がこれに相当します。日常生活では階段を下る際などに生じています。また二の腕の力こぶの筋肉(上腕二頭筋)で例えるとダンベルをもってゆっくり肘を伸ばしていく運動が相当するでしょうか。

発生するメカニズムは?

はっきりと解明していませんが図1に示すようなことが考えられています。

予防法はあるのでしょうか?

筋肉痛を起こす運動をあらかじめ繰り返し行っておくと筋肉痛の発生が抑制される効果があるといわれており、これは繰り返し効果と呼ばれています。つまりいつもしているような運動であれば、筋肉痛になりにくいし、いつも運動していない人は同じ運動を行った場合に運動している人よりも筋肉痛が起こりやすいと言えるかもしれません。

起こってしまったらどのように対処すればいいの?

疼痛の原因が炎症であることが考えられているので炎症を抑えることをすればよいと考えられます。様々な報告がありますがはっきりとはしません。(図2)

筋肉痛が遅れて出てくると年をとったとよく言われているけど本当ですか?

医学的に加齢との関係ははっきりとわかっていません。ただ幼児には遅発性筋通称は認められないといわれており、加齢との関係についても今後研究にて解明する可能性はあるかもしれません。

参考文献

  1. 野坂和則:遅発性筋肉痛のメカニズムと意義と予防・対処法 上原記念生命科学財団研究報告集 19;77-79,2005
  2. K .Cheung, P.A.Hume,L.Maxwell: Delayed onset muscle soreness:Sports Med:33(2)145-164,2003